小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

「十二月十六日」

2015-11-17 | 嘉永二年


二時過ぎからたいやで岩橋楠松どのの初七日の法要が行われた。
六時過ぎに帰り、同僚と申し合わせてまた伊藤に行く。
北田から祝儀金二朱とアジ5匹。このアジは少し古そうなので直ぐに煮た。
夕方に正五郎が金二朱と炭二俵を祝儀に持参。福禄寿の画を一枚渡した。
寝かせた麹を売りに来たのでその者から大豆を買うことにした。六升で六匁一分八厘だった。
今日、権七はおらず。
桶屋の栄助が来たので四斗入りの半切りを誂えたら代金は十一匁だった。


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十二月十五日

2015-11-12 | 嘉永二年
  
今日も暖かいけれど昨日よりは少し寒い。しかし、夜になるとかなり温かくなった。
今日は「左氏の会」があるので一杯出す用意をする。
昼前に田沼から酒三升、魚7をおくってきた。
会には富永、栗山、札川、田中、田沼等が来た。四時頃から酒を出す。
夜は鈴木五郎兵へ宮本の若旦那を連れて行った。

家事の合間に詩を作り絵を描く。母君は仏参。

野際葵真(葵徹の娘婿)が野際葵徹(小梅の絵の師匠)の忌明けの礼に来てすぐに帰られた。
城の口から集金に来たので払う。
金二歩を学校に納め、江川甚蔵に目貫(刀の柄を刀身に定着させるための目釘)代金を渡した。
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「小梅日記」概略

2015-11-10 | 嘉永二年

  
川合小梅は和歌山で生まれ育ち、生涯をこの地で過ごしました。

☆川合小梅
文化元年(1804年)十二月二十二日誕生。一人娘。
第十代藩主徳川治宝公の時世でありました。
父は川合鼎が早世(小梅五歳の時)したので母の辰子と祖父に薫育された。

★川合 鼎(子長、大壑の号)
喜多村家から迎えられた養子で紀州藩の藩校の「学習館」の助教だった。
小梅が五歳の時に三十二歳で没
☆川合辰子
 日記では「母上」で登場。和歌に優れている。
★川合 衡(丈平、春川の号)
 美濃の医師の長男だったが京都に遊学した後、紀州藩主の治宝公に儒者として召し抱えられ、後に藩校校長となった。
小梅が二十一歳の時に七十四歳で没した。
★川合 修(豹蔵、梅所)
 小梅の夫。梅本家からの婿養子。学習館の講師で後に校長となった。
 嘉永の頃は奥詰となり二十五石を給っていた。

★川合雄輔(幼名 岩一郎)
 小梅の長男。

☆ 梅本家(小梅の夫の実家)の人々
 梅本藤四郎(豹蔵の弟)
   息子 千太郎、万次郎
 梅本浅之助(山本寛蔵・豹蔵の従兄)
   浅橘(豹蔵の従兄)息子浅助
☆ 保田良蔵
  住み込みの書生。豹蔵の弟子。
☆ 権七
  住み込みの下男。武家は必ず一人以上の下男を置くことになっていた。

 女中も二人くらい置いていたらしい。
 川合家は学習館の教授なので家老から弟子や塾生ら他、親戚も多く幅広い多数の出入りがあった。
 二十五万石では下級武士で主婦として小梅さんはやりくりに苦労しながら日記を見る限りではおおらかに人生を楽しんでいたようだ。しかし、事実や数字は詳しいが感情的なことはあまり書かれていないので困惑もさせられる。
  
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「古典の日」

2015-11-01 | 雑記

今日、十一月一日は「古典の日」だそうです。
紫式部が「源氏物語」を書き始めたのが寛弘五年(1008)十一月一日だと「紫式部日記」に記されていることから決められたようです。
2012年8月29日に参議院本会議で「古典の日に関する法律」が成立し、正式に日本の記念日となりました。
でも、祝日にはされず、文学や音楽をはじめとする古典芸術に親しむ機会として活用が期待されています。

タイミング良く?「百人一首に選ばれた女性たち」が終わりました。
次のテーマは「平家物語の中の女性」や「源氏物語の中の女性」などを考えましたが、一挙に時代をさげて「文楽の中の女性」を探ろうかと思います。また、挫折した「小梅日記」の再開も考えています。幕末から明治にかけて簡潔ながら長く書かれてきたこの日記も古典の部には入るでしょう。なにしろ、川端康成や三島由紀夫でさえ旧仮名遣いで書かれたものが古典だと思う若い人が多い時代です。

相変わらず毎日は書けませんしアップは不定期になるでしょうが、気が向かれましたらお立ち寄りくださると嬉しいです。
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