切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 本朝名所 遠州秋葉山

2014年09月30日 | Weblog

遠州秋葉山」  (静岡県浜松市天竜区春野町

秋葉神社は、近世三尺坊大権現と称し、鎮火の神として崇められた。この神社のある秋葉山は標高八六六メートル。「合羽着て鹿にすがるや秋葉道」と詠まれた秋葉山は、山そのものはあまり高くはなかったが、樹木のうっそうとした所であった。ここでは広重得意の雨景をもってし、雨合羽に身をつつむ者などを描き、旅情をもよおさせる画面となっている。雨線もソフトに描かれ、シルエットになっている山塊の彼方には、黄色をもって遠方の空の晴れ渡るさまを表している。参道の両側にある杉並木の遠近法にも手馴れたものをみせ、自然の奥行きを感じさせている。

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