切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 富士三十六景 武蔵小金井

2016年03月23日 | Weblog

武蔵小金井

 現在も桜の名所として知られる玉川上水沿いの小金井堤の風景を描いたものである。桜の洞の問から富士山を覗き見るという、奇抜で周到に計算された構図が目を引く。画面手前に桜の木を極端に大きく描き、その後ろに玉川上水の流れと土手に咲く満開の桜が描かれている。玉川上水の流れをゆるやかにカーブさせ、画面奥へ行けば行くほどに川幅を小さくすることで、遠近感を作り出している。ところで、桜の洞から富士山を覗く事は本当にできただろうか。こんなに大きな洞がある木には花が咲かないのではと思われる。

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広重 六十余州名所図会 肥前 長崎稲佐山

2016年03月12日 | Weblog

肥前 長崎稲佐山

長崎港は中島川と浦上川から流れ出る土砂が堆積し、明治以降、本格的な埋め立てと港湾の改修工事が行われた。江戸の頃の変化に富んだ美しい海岸線は失われ、海外交易の象徴である出島もこの時に周囲を埋め立てられた。港の西側の稲佐山は長崎八景の一つに数えられ、今では稲佐山望台から長崎の街を眺めるのが観光の定番となっている。

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広重 六十余州名所図会 陸奥 松島風景富山眺望之略図

2016年03月03日 | Weblog

陸奥 松島風景富山眺望之略図

松島は、松島湾に浮かぶ260の島々からなる。自然に築き出された様々な島の見せる景観をして風光明媚な場所と知られ、日本三景の一つとして、江戸時代から親しまれている。日本三景とは、江戸の儒学者である林春斎が陸奥国の松島と丹後の橋立、安芸の厳島とをもって日本の「三処奇観」であると絶賛した名勝のことである。「松島風景富山眺望之略図」とあるように、松島湾にある富山(標高116・8m)から松島湾を鳥瞰的に見下ろした作品である。

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