佃島を、永代橋の橋脚の間から望んだ風景図である。橋脚のみを近景に強調して扱った近代的な視覚もさることながら、水面を行く小舟を後方から写した立体的表現は、国芳独特の感覚に基づくものである。舟べりを押さえて、横揺れにそなえる芸妓の姿が自然で、後ろ向きの浴衣の女性が夏を感じる。橋の上から撒いた紙片は、仏像を摺った川施餓鬼の札であろう。水死者を供養する行事で、この散り舞う紙片が微風の動きを感じさせる。水面にはなお食べかけの西瓜や小桶が漂い、国芳の斬新な近代的視覚を如実にうかがい知らせる。
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