切り絵

浮世絵を切り絵に

広重 名所江戸百景 日本橋通一丁目略図

2018年05月21日 | Weblog

日本橋通一丁目略図

通町の一丁目の角にあったのが寛文2年(1662)に近江商人大村彦太郎によって創業された呉服商白木屋である。もとは小間物・雑貨などを扱う店であったが、のちに呉服商の老舗として名を馳せた。前の往来で目立つのは、中央に描かれた長柄の傘をさした住吉踊の一行である。住吉踊は大坂住吉大社の田植え踊りに始まるもので、この時代には大道芸として親しまれていた。後ろに続く三味線を持つ女太夫を含め、みな木綿の衣装を身に着けていることから、近隣の木綿店を意識して描いたものとする説もある。ほかにも真桑瓜の露店や蕎麦屋の出前など、さまざまな職種が描かれ、にぎやかである。なお白木屋はのちに東急系の大百貨店となるが、現在はここに複合ビルが建っている。

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広重 六十余州名所図会 伊豆 修禅寺 湯治場

2018年05月10日 | Weblog

伊豆 修禅寺 湯治場

現在でも人気のある伊豆修禅寺。多くの温泉地がある伊豆半島でも最も歴史のある温泉である。修禅寺という地名はその名の通り修禅寺というお寺に因んでいる。平安時代に弘法大師が開いたお寺が修禅寺。そして弘法大師が独鈷を用いて岩を砕くと、そこからお湯が湧き出したのが始まりとされている。今でも「独鈷(とっこ)の湯」という温泉が町の中心を流れる桂川の東屋にあるが現在は入浴する事はできない。図中央、川の中に灯籠が見えるが、その脚もと左の岩場に見える浴槽が独鈷の湯である。

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広重 名所江戸百景 王子不動之瀧

2018年05月03日 | Weblog

「王子不動之瀧」

垂直に力強く落ちる滝水の描写が、王子不動の滝の豊かな水量を巧みに表現している。不動の滝は東京都北区滝野川と王子本町の境を流れる石神井川から落ちる七つの滝のひとつで、川から出たという石の不動明王を祀ったことからこう称される。滝の高さは一丈(約三メートル)あまり、豊かな水量を誇り滝壷に敷かれた九尺(約2.7メートル)四方の切り石から跳ねる水で霧が立ち込めたようだったというが、現在は洪水を防ぐためこの崖も塗り固められている。滝は信仰の対象としても尊ばれ、この滝も病人が滝浴みすると治癒するといわれていた。原画にもフンドシ姿で滝浴みをしようとする男性の姿がある。

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