切り絵

浮世絵を切り絵に

富嶽三十六景 甲州三嶌越

2025年01月20日 | Weblog

「甲州三嶌越」
甲州三島越とは、甲州から籠坂峠を越えて駿河の御殿場を経由し、伊豆の三島に至る街道筋を言う。地名ではなく、街道の旅路を指して言ったわけである。この絵は、籠坂峠を描いたものと言われる。画面中央やや右手に巨大な杉を配し、その背後に富士を描いている。画面中央にこのようなものを描き入れては、画面を二つに分断することになり、構図としては失敗することが多いのだが、北斎はそれを逆手にとって、絵に独特の風格を与えている。三人の人物が杉の幹にへばりついて、手をつなぎ合っているのは、杉の大きさを確認しているのだろう。


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