波佐見の狆

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福岡・下関・宮島の旅その(3)

2013-06-14 18:47:05 | 平清盛ほか歴史関連

下関1日目(5/20、月)の続きで~す。

ランチは、カモンワーフ内のレストラン「ふくの関」で軽めに「ふく雑炊」にして、さて次のスポットへ。

1.市立水族館「海響館」 

★ ふぐの仲間がいっぱい

赤間神宮の次に訪れたのは、「海響館」(下関市立しものせき水族館)です。

下関の水族館だけあって、フグ、ハリセンボンなど、いろんなフグの仲間がたくさんいました!なんと100種類もいるのだそうです!

★ 平家蟹とアントクメ

しかし私がこの水族館で最も見るのを楽しみにしていたのは、平家蟹でした。平家蟹も標本なら赤間神宮にもありましたけど、こちらには生体が飼育されているというので、いよいよあの怒れるお顔(甲羅)を生で見れるのかと、ゾクゾク・・・・

こちらにも、まずは、標本・・・確かに怖いです・・・

そして、この隣に小さな水槽があったのですが、、、、、蟹さんは、なんと砂の中に潜ってお昼寝中で、甲羅の模様も確認できず。がっくり・・・・。茨城から参りましてござりまするよーーー起きてくださりませーーーとお願いしても聞いてもらえません。

それでも、さすがは下関の水族館、平家にまつわる貴重な生物が他にもちゃんと見られたのです!

それが、この「アントクメ」というコンブです!

写真ではこのシワは分かりにくいですが、本当にチリメンのようなしわがついていて、前の記事でも紹介したこの安徳天皇の御衣のイメージそのもの。

伝説によれば、平家の武者たちは蟹に、帝は昆布に、そして、、女官たちは小鯛に(「小平家」と書いて「こべけ」と言われます。詳しくはこちら)・・・と、平家の人々がそれぞれに壇ノ浦の海の生物たちに生まれ変わり、今もなお、関門海峡を見守り続けているとのこと。切ないながらも大きなロマンですね・・・・ 

★ 狆アナゴもいっぱい

平家とは関係ないけど、これも嬉しかったな、狆アナゴくんがいっぱい!大きい水槽に、他の魚たちといっしょに飼育してあるのが珍しいです。

★ 帝がお待ちになっていたのかも

平家蟹さんにはフラれましたが、アントクメは、実は今年の5月10日より期間限定で展示が始まったばかりだったのです(こちら)。まるで私の海響館訪問を帝がお待ち下さっていたかのようで、感動的でした。

ちなみに、壇ノ浦漁協の漁師さんたちは、舟に乗り込んだらまず正座をして帝の御霊に祈りを捧げてから漁を開始するという伝統があったそうで、ベテラン漁師さんが、「帝がお亡くなりになった海のその上で漁をさせてもらうのだから、ということで、私も30年前くらいまではやっていました。」と、真剣な眼差しで語るのを去年テレビで見ましたっけ。(注1)

2.みもすそ川公園 

赤間神宮、海響館に次いで私が最も楽しみにしていたのが、「みもすそ川公園」。

昔「御裳(みもすそ)川」という小川があったことからついた地名ですが、現在は、海に面してきれいに整備された小さな公園になっています。

★ 知盛・義経の像・・・・大河「義経」放送記念?

バス停で降り、国道側を見ると、大きな関門橋の下に知盛と義経の銅像が見えてきます。

海の上で、源平の両雄が対決する姿です!

手前の義経は、八艘飛びをして平氏の追撃をかわす様子。すぐそばから写すとこんな感じ。台座の部分は波を表しています。

奥の方の知盛は、一門の最期を見届けたあと「見る程のものは見つ。もはや自害せん」といって碇を体にまきつけんとする瞬間。

説明の銘板もご覧くださいね。

源平物のファンとしては、側に寄るだけで胸が熱くなるような像ですが、ただ、二人ともお顔がとても現代風。というのも、この像が建立されたのは、ごく最近です。同じ個所に、2005年の大河『義経』の主な出演者さんたちの手形レリーフが飾ってあり、それに「義経知盛像 竣工記念」と書いてあるので、このドラマの放送を記念して2004年の年末に建てた像と思われました。あるいは、たまたま同時期になったのかな。

義経を演じたタッキーこと滝沢秀明さんの手形。

この大河は皆さんご覧になりましたか?私は、当時はまったく見ていませんでしたが、YouTubeなどである程度は見られますね。この中で知盛を演じたのは、阿部寛さん。彼が義経と対峙して入水するまでの悲愴なシーンがこちら(『義経』35話の一部です)。『平清盛』での小柳友さんの知盛も勿論よかったですが、出番少なかったし、壇ノ浦シーンもちょびっとでしたからねぇ・・・その点物足りなかったので。

・・と、話がそれてきました。

★ 思いがけない素敵な出会い

ともかく、憧れの知盛像を拝むことができた記念に、やはりここで知盛様とのツーショットを撮らせていただこうと、誰かいないかなーと思っていると、立派なカメラを持った一人の熟年紳士が現れ、熱心に像やら記念碑やらを撮影し始めました。上記の銘板をズームしておられて、その横顔になんとなく平家贔屓の雰囲気が・・・・。シャッターを押していただけますかと思い切って声をかけました。写し終わっても、「旅行ですか?どちらから?」などといろいろ聞いてこられて、私が一人で茨城くんだりから平家お参りのためやってきたというと、感激してくださり、話が弾みました。

なんと、このNさん、平家の落人の子孫なのだそうで、知盛が最後の砦とした彦島のご出身とのこと!「源氏による落人狩りは、ドラマ以上に残酷なものだったと聞いていますよ・・」などと、しみじみお話しくださいました。私が翌日お昼頃まで滞在するというと、それならと、特別のお薦めスポットも教えてもらって、すっかり意気投合!アドレスなど交換して、お別れしました。

普通、1泊旅行くらいで、地元の人から直接情報をもらえるというだけでもラッキーでしょうに、平家の血を引く方とお知り合いになれるなんて、知盛様のお引き合わせかもしれませんね!

3.回転すしで、ふく三昧

すっかりテンションあがりまくりで、歩いてホテルまで戻ると、お腹もすいてきました。ホテルは、朝食のみのプランなので、夕食はまたカモンワーフに戻って、回転すし「すし遊館」にに入りました。隣の唐戸市場で揚がる新鮮なネタが売り物のお店とあって、、、何でも美味でござりましたよ~~~(値段やや高めですが、納得)

ふく汁。

ふく刺。

写真へたっぴいですが、右側のは、アツアツのふくから揚げ(分厚い身を輪切りにしてあり、絶品)

その他、えんがわだとかサーモンだとか、なんでもですが、我が家の近所の100円回転すし屋さんのとは全然違うなぁ・・・と感激しながら、お代わりを注文して堪能しました。即ぱぱにメールして羨ましがらせちゃった・・・

実は・・・他にも「ふく白子焼き」など、食べようと思っていた名物B級グルメはいろいろあったのですが、、さすがにもう入らず(昼間食べとけばよかったっ・・・)またしばらく海を見てから、コンビニでデザートとコーヒーを買って、ホテルの部屋へ。

4.ホテルの部屋で心ゆくまで海峡旅情に浸る

部屋は、「海側 ツインルーム シングルユース」ということで、確実に海が見られる部屋を予約していました。シンプルながらも、明るく広くて落ち着くお部屋です。バスルームとトイレが別々になっているのも、良いですよ。下関グランドホテル、選んで正解!

9階ですし、バルコニーから遠くまで見渡せます。ちなみに、Nさんもおっしゃっていたのですが、このホテルは天皇陛下の下関御幸の歳のお宿になったことがあるそうで、後で調べたら、この9階にそのロイヤルスイートルームがあるとのこと。おおっ、知らなかったなぁ~~

左手に関門橋。行き交ういろんな船を眺めながら、800年前、このあたりに結集した木造手漕ぎ舟の大船団、つわもの達の雄叫び、矢の飛び交う音、激しい波しぶきなどなど思い浮かべました。源氏も平家もなくあまたの尊い命の犠牲の上に発展してきた、現代の平和な日本に生まれたことを感謝しなければとつくづく思いました・・・。

 

今日もなんと充実した1日であったことか・・・恵くん、ありがとうね!お空に向かって呼びかけ、Nさんのお薦めに従い翌日の計画を立て、早めに寝ました。

というわけで、その3は、ここまで。関門海峡旅情は、その4まで続きます!

(注1) 昨年、『平清盛』の特番として放送された「瀬戸内海 平清盛500キロクルーズ」の中で、伊藤忠清役の藤本隆宏さんが源平合戦の舞台を訪ねて、下関にやってきて、実際に漁師船に同乗して取材していた内容です。