2月末から3月始めにかけて、肺炎球菌ワクチンとヒブワクチンを接種した乳幼児が、次々と死亡する事故が起きている。その為、厚労省は、接種を一時中止を発表し、各自治体に通知した。しかし、死亡した被害者は、宝塚が最初の報告であったが、たまたま市長が元中川智子衆議院議員であったことからかも知れない。川崎市の例はそれより先で、新聞報道で知って届け出たとのことである。多くの自治体は、報告処理が遅く、なかなか迅速に処理してくれない。
私は、両ワクチンとも賛成ではなく、他の国で事故がない安全なワクチンというふれこみで始まったので、検証はしなかったが、理論的に、また、免疫学的に、疑問を持ち接種には消極的で、健康な乳幼児には必要なく、慢性疾患や未熟児上がりの2歳まで抵抗力の低い子を対象にすべきと言っていたが、今回、既に日本国内で100~130万人が接種を受けているから、今まで事故がなく安全と思われていたが、やはり事故は起きてしまった。今回の厚労省の対応は迅速で、薬害を追及していた民主党政権下であったからかも知れない。しかし、川崎市の例がもっと早く報告されていたら、少なくとも3月に入ってからの被害者は出なかったはずである。
しかし、過去のMMRワクチンや薬害事件に比べて、対応が早かったことは、評価しても良い。だが、10万人に一人前後の死亡する病気に接種するには、事故もその程度よりやや少ないが、起きてしまうとなると、接種する意味がなくなってしまう。
結論から言うと、私はこの事故の発生によって、やはり、全く安全なワクチンも、完全なワクチンも存在しないと言う過去のアメリカ小児科学会の専門委員会の見解を思い出し、する必要のない、いや、すべきでないワクチンと考える。その病気の対策は、社会的、育児学的にあるからである。
アメリカを始め多くの国は、ワクチンによる以外に原因が証明されない事故は、ワクチンによるものと認定されるが、日本はワクチンによると証明がないとなかなか認定されにくい。今回も、4例とも評価不能とか不明と報告されているが、すべてワクチン被害者として認定し、救済すべきである。裁判では、疑わしきは被告人の有利とされているはずだが、それも言葉だけで、冤罪事件が少なくない。予防接種事故も、薬害事件も、疑わしきは被害者の有利にしなければならないが、日本の現実は、産官学癒着構造から、なかなか認定されずに、被害者は泣き寝入りすることが少なくない。その代表的事例は、水俣病、スモン、カネミ油症、B型C型肝炎被害者、未熟児網膜症、多くの薬害被害者、予防接種事故被害者、それに余り知られていないが解熱剤による脳症、など数々ある。
今後、この被害者たちの救済が、どうなるか見守っていきたい。全国の、日本小児科学会、日本小児科医会などのヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンを推進して来た小児科医、それに医師会はどう考えているのであろうか。厚労省の審議会委員は速やかにワクチン被害と認定し、補償し、もっとワクチン接種に対して慎重になるべきである。今のところ、両ワクチンは国産ではないが、販売業者は日本の企業であるから、そことの癒着は十分あり得るから心配である。それと、子宮頸がんワクチンも同じである。いずれも、麻疹生ワクチンやポリオワクチンの果たした役割は大きいが、それと同列に論じられるワクチンではないことも銘記して欲しい。