福島第一原発事故のランクはついに、レベル6(ウラル核事故並)に格上げされたようです。もうチェルノブイリ事故は間近です。二人の作業員が被曝で放医研に運ばれましたが、これも東海原発事故と同じで、放射線の危険を知らない下請けに作業をやらさせた上、知識のある東電の職員がつく筈なのに付かなかった為です。ひどい話です。
チェルノブイリ事故の際は、もう国家命令で消防士、兵士たちが、それこそ何も判らず、生命の危険を冒して国民のために作業にあたったのです。それで、30名が急性放射線傷害で亡くなりました。しかし、多くの消化作業にあたった人たちも、その後短期間に様々な病気で、多くはがんや白血病で、亡くなりました。もうそこに近づいているのに、作業員には知らされていないのでしょうか。5シーベルト以上で死亡します。
1.低線量被曝について 今まで100ミリシーベルトとしていたのを、250ミリシーベルト/時 に引き上げました。そこまでは急性放射線傷害が出ないと言うレベルです。しかし、二人の作業員はそれを超えていないという発表なのに、放医研に運ばれました。明らかに意図的に引き上げたのです。
ここでは今まで通り100ミリシーベルトとします。この線量以下を言います。しかし、いろいろな数値が安全圏とか、許容線量と言って、ここまでは大丈夫と言われています。しかし、放射線に安全などはありません。
低線量被曝の問題は、年齢と生殖に依存します。年齢が低い程影響が大きく、特に19歳以下と妊婦(胎児)、授乳婦です。そして生殖細胞の変異は遺伝しますから、今後妊娠する可能性のある女性です。この人たちが、危険率が高いのです。
その理由は、放射線の害は、1ミリシーベルトで1本の放射線が体内の各細胞を通過し、通過する際に1ないし数個の塩基対(DNAの構成要素Aアデニン、Gグアニン、Tチミン、CシトシンのAT、GCが対でこれが暗号化されている)を傷害します。1個の細胞には、60億塩基対があり、毎日自然に新陳代謝の中で、また他の原因でね10億塩基対に1個の傷害があり、普通修復されています。それに追加されます。それが修復されない時に健康上の問題が起きるのです。それが胎児で最も高く、19歳までに大きく減少していき、その後なだらかに減少し、50代半ばで自然の発がん率を超えなくなります。言い忘れましたが、放射線の害は、全身の臓器に及び、脳神経、免疫、ホルモン系などに及びます。それを発がん性で代表して公表しているのです。子どもの健康傷害で最も早期に顕在化するのは白血病です。チェルノブイリでは、脳神経障害や免疫障害も見られました。被曝後の発がんは、固形がんでは、10年後から増え始め、40年後が最大になり、以後減少します。
2.放射性ヨード汚染 これは、胎児と乳児以外の日本人には大きな問題にはなりません。乳児と妊婦、授乳婦はヨードの必要量が多いのですが、それ以上は減少し、また日本人はヨードを含む海藻類の摂取量が多く、ヨード欠乏症の人が少ないからで、毎日の必要量は少量で充分です。だから甲状腺に取り込まれる確率は低いのです。また、医療水準と検査を受けられる確率が高く、普通は甲状腺がんになっても、死亡率は低いのです。チェルノブイリは別ですが。スリーマイル事故や昔アメリカで子どもの胸腺を異常と考えて放射線治療をした事件がありました。20年後に甲状腺がんが見つかりましたが、死には至らなかったのです。
放射線はまず空気中に出て、流れ、雨や雪で落下し、土壌を汚染します。だから大気汚染と水の汚染が第一で、次いで時間が経つにつれ、土壌からの作物に影響します。牛乳とほうれん草は昔から汚染される食品の代表として検査されてきました。それで今回も判ったのです。他の食品も汚染されていると思います。水道水の汚染で問題になるのは、粉ミルクを飲む乳児だけで、それ以外の人が水道水を避けるより、優先的に乳児にまわして下さい。危険率がけた違いに違うからで、大人は水道水でがまんしましょう。50代半ば過ぎたら、僅かな危険率になり、慌てることはありません。乳児も粉ミルクに依存せず、欧米並みの6~9ケ月での早期離乳をしましょう。日本は、離乳が遅すぎ、その為の問題が出ていますが、ここでは省略します。
続く