ロタウイルスは、4~5歳までに、ほぼ100%感染してしまうウイルスで、予防は衛生状態や手洗いなどではできないことが判っています。
しかし、不顕性感染といって、発病しないで治ってしまうことも少なくないのです。
できるだけ、発病しないように、子育てすることが第一で、発病した場合に、上手に水分補給をすることが第二です。私は、昔はひどい脱水症の子どもたちを、多く診て来ましたが、今はそれほど多くなくなりました。「はいてもいいから、飲ませなさい」という医師は、まちがいで、はかないように飲ませることが、ポイントです。
それさえできれば、不要なワクチンです。アジア、アフリカの子どもを救うには、アフガニスタンで水路をひいて、砂漠を灌漑し、農地に戻している中村哲医師のような活動が必要です。貧困から解放され、自活できるようになれば、戦闘に参加しなくなります。
日本の、病気が少なく、乳児死亡率が世界のトップにあることは、医療ではなく、平和であるからです。平和が崩れれば、ソ連圏が崩壊したしたときに、いろいろな病気が流行しました。病気は、社会が生んだり、無くしたりしてるのです。決して、ワクチンで防ぐことはできません。
予防接種批判には、そのことを考えてして下さい。病気と社会とは、密接に関連しているのです。
ロタウイルス感染症
乳幼児に急性胃腸炎を起こす代表的なウイルスであり、日本では、年間約80万人がかかり、入院者数は約3~8万人と推定され、毎年数名の死亡者が報告されています。
温帯では、主に冬に発生し、流行のピークは2~5月にみられます。
感染経路は、主に糞口感染であり、潜伏期間は1~4日(通常48時間)で、発病します。感染力も強く、気道分泌物や人との接触、あるいは汚染された物質の表面を介して感染が広がる可能性があります。そのため、感染予防が難しく、生後3年間で急速に抗体を獲得することも説明がつきます。
3か月未満の乳児は、母親の移行抗体やおそらくは母乳によって防御されるといいます。
一般に、4~24か月に重症化しやすいですが、重症例の25%は2歳以降に発生しています。しかし、4~5歳までに100%の子どもが感染しているといいます。つまり、かなり多くの子どもが、不顕性感染で無症状か、軽い症状で済んでいると思われます。
症状は、軽度から中等度の発熱と嘔吐で始まり、続いて頻回の水様性下痢が起こります。嘔吐と発熱は2日目には弱まりますが、下痢は5~7日間続くようです。しばしば白い下痢便になります。重症の脱水にならなければ、通常1週間程度で自然治癒します。最大の問題は、水分補給であり、いかにして嘔吐させずに、水分を飲ませるかにかかっています。
1回の感染では、その後の発症予防は不完全です。その理由は、小腸表面で産生されるウイルス特異的免疫グロブリンAは、寿命が短いために疾患に対する完全防御は一過性でしかないのです。それで再感染を繰り返しますが、感染のたびに強い免疫を付ける為に、重度の症状がみられるのは、初回あるいは二回目の感染です。免疫記憶をもち、再感染の重症化を軽減するのに重要です。それで症状は軽症化していくと言われています。成人でも30~50%が感染すると言われていますが、ほとんどが不顕性感染で終わることが多いようです。
ロタウイルスは、酸に対して強い安定性があるといいます。
治療としては、吐き気対策が第一で、吐き気が止まり、少しずつ飲めるようになると、脱水にならずにすみ、重症化を防げます。それには、吐いたらすぐ、早い時間に、飲食をやめさせ、できれば3~4時間は飲ませず、吐き気がおさまったら、少し(約10mlくらい、スプーン2~3杯)ずつを、10分以上おいて飲ませていきます。それでうまくいくなら、そのまま3~4時間つづけ、全く吐き気がおさまり、吐かなくなったら、量を増やします。一度に沢山飲ませず、だんだんふやしていきます。
しかし、吐き気が止まらず、くり返し吐く場合は、点滴による水分補給が必要なため、外来での点滴や、入院が必要になります。高熱(38.5℃以上)、頻回の嘔吐と下痢が続くと、24時間で重症の脱水になりますが、そうでなく、2日くらいで飲んでも吐かなくなれば、水分補給で回復します。
ほとんど吐き気が無く、すぐ飲めるようなら、飲む量を増やすのを早くします。始めは少なく、吐き気がなければ、(のどがかわくのではなく)空腹感を目安にして、食事を進めます。
吐き気止め薬や下痢止め薬、抗生物質などは効果がなく、禁止されています。乳酸菌製剤が重症度を軽くし、病気の期間を短縮することが認められています。
水分としては、ソーダ(炭酸をぬいても)、果汁、スポーツドリンク、牛乳などはやめましょう。適量のナトリウムとグルコースが含まれる経口補液剤(OS-1)が腸からの吸収がよいのですが、初期には普通の水か家庭で作るお茶でもよいです。
合併症は、まず重症の脱水症で、わが国では、医師の経口的な水分摂取の指導に問題があると私は考えています。(私の赴任先では、5年もすると、病院や診療所の周辺から、重症の脱水症が出なくなります。)ドイツでは、2歳未満児のロタ胃腸炎の約2%に中枢神経症状が合併していたといいます。日本では、毎年20人前後の脳炎・脳症の報告があります。自然感染のロタ胃腸炎からの腸重積の発症は、判っていないです。
発展途上国と先進国で感染率が同じであることから、衛生面での改善では、発症率を減少できないことが、明らかです。それは、前述の感染経路によるようです。
ロタウイルスワクチンは、日本での治験はなく、南米や欧州での治験では、2回接種後には、重症化を予防する効果が85~96%あるといいます。アフリカやアジアでは、50~75%でした。特にサハラ砂漠以南の最貧国では約40%という低い予防効果しかありません。先進国では80%といいます。しかし、感染を防御することはできません。
ワクチンは、経口生ワクチンです。しかし、ポリオ生ワクチンほどの有効性はありません。
ワクチンによる副作用は、1万人に一人腸重積を発病することです。その後改善されたといいますが、メキシコやブラジルでの数百万人の大規模調査の結果でも、数万人に一人の割合で腸重積が発病し、完全には排除されていません。
でも、上手に経口的に(口から)水分を補給できればワクチンを使わなくても、重症化することはありません。しかも、発病しない子もいて、ほぼ100%の子どもが5歳までに感染していることが認められていることがおかしいからです。私の考えでは、手洗いなどの衛生状態よりも、育て方にあるのではないかと思います。のびのび、叱らず、ほめて育てることで、過保護にすることもやめましょう。
また、途上国では、内戦、干ばつ、貧困などの社会経済的環境から、栄養失調症が蔓延し、エイズや細菌性下痢症などの他の感染症との同時感染や併発が多く、ワクチンの有効性は低いのです。先進国では、ワクチン以外の方法で、治療も予防もできるので、必要なワクチンとは言えません。ワクチンをしない方は、私のお勧めする、子育てをして下さい。
しかし、不顕性感染といって、発病しないで治ってしまうことも少なくないのです。
できるだけ、発病しないように、子育てすることが第一で、発病した場合に、上手に水分補給をすることが第二です。私は、昔はひどい脱水症の子どもたちを、多く診て来ましたが、今はそれほど多くなくなりました。「はいてもいいから、飲ませなさい」という医師は、まちがいで、はかないように飲ませることが、ポイントです。
それさえできれば、不要なワクチンです。アジア、アフリカの子どもを救うには、アフガニスタンで水路をひいて、砂漠を灌漑し、農地に戻している中村哲医師のような活動が必要です。貧困から解放され、自活できるようになれば、戦闘に参加しなくなります。
日本の、病気が少なく、乳児死亡率が世界のトップにあることは、医療ではなく、平和であるからです。平和が崩れれば、ソ連圏が崩壊したしたときに、いろいろな病気が流行しました。病気は、社会が生んだり、無くしたりしてるのです。決して、ワクチンで防ぐことはできません。
予防接種批判には、そのことを考えてして下さい。病気と社会とは、密接に関連しているのです。
ロタウイルス感染症
乳幼児に急性胃腸炎を起こす代表的なウイルスであり、日本では、年間約80万人がかかり、入院者数は約3~8万人と推定され、毎年数名の死亡者が報告されています。
温帯では、主に冬に発生し、流行のピークは2~5月にみられます。
感染経路は、主に糞口感染であり、潜伏期間は1~4日(通常48時間)で、発病します。感染力も強く、気道分泌物や人との接触、あるいは汚染された物質の表面を介して感染が広がる可能性があります。そのため、感染予防が難しく、生後3年間で急速に抗体を獲得することも説明がつきます。
3か月未満の乳児は、母親の移行抗体やおそらくは母乳によって防御されるといいます。
一般に、4~24か月に重症化しやすいですが、重症例の25%は2歳以降に発生しています。しかし、4~5歳までに100%の子どもが感染しているといいます。つまり、かなり多くの子どもが、不顕性感染で無症状か、軽い症状で済んでいると思われます。
症状は、軽度から中等度の発熱と嘔吐で始まり、続いて頻回の水様性下痢が起こります。嘔吐と発熱は2日目には弱まりますが、下痢は5~7日間続くようです。しばしば白い下痢便になります。重症の脱水にならなければ、通常1週間程度で自然治癒します。最大の問題は、水分補給であり、いかにして嘔吐させずに、水分を飲ませるかにかかっています。
1回の感染では、その後の発症予防は不完全です。その理由は、小腸表面で産生されるウイルス特異的免疫グロブリンAは、寿命が短いために疾患に対する完全防御は一過性でしかないのです。それで再感染を繰り返しますが、感染のたびに強い免疫を付ける為に、重度の症状がみられるのは、初回あるいは二回目の感染です。免疫記憶をもち、再感染の重症化を軽減するのに重要です。それで症状は軽症化していくと言われています。成人でも30~50%が感染すると言われていますが、ほとんどが不顕性感染で終わることが多いようです。
ロタウイルスは、酸に対して強い安定性があるといいます。
治療としては、吐き気対策が第一で、吐き気が止まり、少しずつ飲めるようになると、脱水にならずにすみ、重症化を防げます。それには、吐いたらすぐ、早い時間に、飲食をやめさせ、できれば3~4時間は飲ませず、吐き気がおさまったら、少し(約10mlくらい、スプーン2~3杯)ずつを、10分以上おいて飲ませていきます。それでうまくいくなら、そのまま3~4時間つづけ、全く吐き気がおさまり、吐かなくなったら、量を増やします。一度に沢山飲ませず、だんだんふやしていきます。
しかし、吐き気が止まらず、くり返し吐く場合は、点滴による水分補給が必要なため、外来での点滴や、入院が必要になります。高熱(38.5℃以上)、頻回の嘔吐と下痢が続くと、24時間で重症の脱水になりますが、そうでなく、2日くらいで飲んでも吐かなくなれば、水分補給で回復します。
ほとんど吐き気が無く、すぐ飲めるようなら、飲む量を増やすのを早くします。始めは少なく、吐き気がなければ、(のどがかわくのではなく)空腹感を目安にして、食事を進めます。
吐き気止め薬や下痢止め薬、抗生物質などは効果がなく、禁止されています。乳酸菌製剤が重症度を軽くし、病気の期間を短縮することが認められています。
水分としては、ソーダ(炭酸をぬいても)、果汁、スポーツドリンク、牛乳などはやめましょう。適量のナトリウムとグルコースが含まれる経口補液剤(OS-1)が腸からの吸収がよいのですが、初期には普通の水か家庭で作るお茶でもよいです。
合併症は、まず重症の脱水症で、わが国では、医師の経口的な水分摂取の指導に問題があると私は考えています。(私の赴任先では、5年もすると、病院や診療所の周辺から、重症の脱水症が出なくなります。)ドイツでは、2歳未満児のロタ胃腸炎の約2%に中枢神経症状が合併していたといいます。日本では、毎年20人前後の脳炎・脳症の報告があります。自然感染のロタ胃腸炎からの腸重積の発症は、判っていないです。
発展途上国と先進国で感染率が同じであることから、衛生面での改善では、発症率を減少できないことが、明らかです。それは、前述の感染経路によるようです。
ロタウイルスワクチンは、日本での治験はなく、南米や欧州での治験では、2回接種後には、重症化を予防する効果が85~96%あるといいます。アフリカやアジアでは、50~75%でした。特にサハラ砂漠以南の最貧国では約40%という低い予防効果しかありません。先進国では80%といいます。しかし、感染を防御することはできません。
ワクチンは、経口生ワクチンです。しかし、ポリオ生ワクチンほどの有効性はありません。
ワクチンによる副作用は、1万人に一人腸重積を発病することです。その後改善されたといいますが、メキシコやブラジルでの数百万人の大規模調査の結果でも、数万人に一人の割合で腸重積が発病し、完全には排除されていません。
でも、上手に経口的に(口から)水分を補給できればワクチンを使わなくても、重症化することはありません。しかも、発病しない子もいて、ほぼ100%の子どもが5歳までに感染していることが認められていることがおかしいからです。私の考えでは、手洗いなどの衛生状態よりも、育て方にあるのではないかと思います。のびのび、叱らず、ほめて育てることで、過保護にすることもやめましょう。
また、途上国では、内戦、干ばつ、貧困などの社会経済的環境から、栄養失調症が蔓延し、エイズや細菌性下痢症などの他の感染症との同時感染や併発が多く、ワクチンの有効性は低いのです。先進国では、ワクチン以外の方法で、治療も予防もできるので、必要なワクチンとは言えません。ワクチンをしない方は、私のお勧めする、子育てをして下さい。