黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

B型肝炎ワクチンの話

2015-04-17 08:13:51 | 健康・病気
B型肝炎ワクチンの話

 日本では、B型急性肝炎患者は、年間300人前後です。主な感染経路は、小児では、母子垂直感染か、家庭内の水平感染で、成人では性行為です。しかし、B型肝炎キャリアー(持続感染者)は、全人口の約1%、100万人以上と言われ、多くは団塊の世代以上です。その内多くは、治癒経過をとり、慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんになるのは、1割程度といわれています。それでキャリアーでも感染力が、落ちていく人が大半です。
しかも、肝炎対策の結果、新規のキャリアー化を予防しています。
 現在、妊娠可能年齢の女性のB型肝炎キャリアーは、大幅に減少し、全国で三桁程度ではないかと推定されます。
 また、現在、日本と同じく、選択的ワクチン接種、つまり子どもには、垂直母子感染予防以外には接種しない制度をとっている国は、イギリス、北欧4か国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)です。

〇B型肝炎ワクチン
 今のワクチンは、遺伝子組み換えワクチンです。
現在は、母親がB型肝炎キャリアーの場合には、出産直後(24時間以内)に、感染予防として、抗B型肝炎免疫グロブリン0.5mLを筋肉内注射します。2か月後に、もう一回抗B型肝炎免疫グロブリン0.5mLを注射し、同時に第1回のB型肝炎ワクチン0.25mLを皮下注射します。その後、生後3か月、5か月の合計3回、同量皮下接種します。この方法で99%以上の確率で母子感染を予防できます。
家族内にB型肝炎キャリアーがいる場合や、腎透析患者や血友病患者、医師、看護師、血液や糞便を扱う検査技師たちにも、B型肝炎ワクチンの接種が勧められています。(私はしていません。かかっても急性肝炎で済むからです。)この場合の接種法は、1か月間隔で0.5mLを2回接種し、その数か月後に0.5mLを追加接種します。9割以上の人に免疫が成立します。
小児や一般には、通常0.5mLを4週間隔で2回接種し、さらに20~24週後に追加接種します。10歳未満では、1回0.25mLです。
防御効果は、3回接種で30年以上にわたってB型肝炎の発病を予防できると、筑波大学の田川学氏はいいますが、ハリソン内科学では、「B型肝炎ワクチンによってもたらされる正確な防御期間はわからないが、ワクチンを接種した人のうち約80~90%が少なくとも5年以上HBs抗体レベルを維持しており、60~80%は10年間維持している。HBs抗体が検出されなくなった後も、B型肝炎ウイルス感染に対する防御性は維持している」といいます。

 副反応は、厚生労働省の副反応報告書によると、
 2013年4月~2014年12月では、589.3万接種で
医療機関からの報告(重篤)58例(28例)、55件。うち死亡2例、神経系障害10例。
メーカーからの報告 69例、145件。うち死亡0、神経系障害18例。
 2014年10~12月の報告では、86.3万接種で
医療機関からの報告(重篤)10例(4例)、その後未回復が1例。
メーカーからの報告 重篤12例、その後が2例が不明。
 そのうち、重症者は、メーカー報告の10例が同時接種者、医療機関報告は4例とも同時接種者でした。死者はありませんが、今後アジュバンドの影響はわかりません。

 以上の結果、私は、B型肝炎ワクチンを接種することを勧めません。

B型肝炎の話

2015-04-17 08:09:34 | 健康・病気
B型肝炎の話

B型肝炎は、B型肝炎ウイルスの感染による肝炎です。
現在の感染経路は、母子垂直感染と家庭内のキャリアーによる水平感染、最近に問題になったのは、性行為による感染です。人から人への水平感染は、現在はほとんどがこの性感染症であり、ついで静注麻薬使用者です。しかし、妊娠可能年齢の女性のB型肝炎ウイルスのキャリアーは、大幅に減少しています。

 以前の感染経路は、一つは垂直感染と言って、キャリアー(持続してウイルスを持ち続ける人)の母親から生まれた子どもへの感染と、二つ目は、過去に行われた注射器を取り替えずに回し打ちにされた予防接種による感染、三つ目は血清肝炎と一時言われた、輸血と血液製剤による感染でした。これらは、現在、日本の優れたワクチン接種法と、世界に遅れて実施された予防接種の一回接種ごとに、注射筒も注射針も替える方法の導入によって、日本ではほぼ制圧された病気となっています。こうして、過去の感染経路対策は確立されています。

予防接種は、1976年以後は、すべて一回接種ごとに、注射筒も注射針も替えますから、感染する可能性はありません。血清肝炎と言われた時期もありましたが、今は、血液検査の進歩で、輸血製剤から肝炎はほぼ排除され、しかも、医療現場での注射器と注射針の一人一人替える方法が義務付けられて、この可能性もありません。残りは、キャリアーからの医療関係者への感染です。しかし、それも対処法が確立されています。
 垂直感染(母子感染)は、1983年に母子感染防止対策が始まり、1986年以降国の事業で全国的に普及し、ほぼ防止され、乳幼児のキャリアー化は0.05%まで低下しました。それは、乳幼児に感染すると子どもがキャリアーになるので、妊婦の血液検査をして、B型肝炎キャリアーの母親を見つけ、その子どもの生後すぐから感染予防と予防接種をします。これで、99%以上の確率で、子どものキャリアー化を予防して来ました。この方法は、今も続けられています。その結果、現在、妊娠可能年齢の女性の半数の、キャリアー率は0.05%以下ですから、もう対象者は全国で三桁くらいのはずです。これは必ず受けましょう。

 キャリアーになるのは、免疫が低下している状態の時に感染した場合で、普通は、乳幼児と抗がん剤や免疫抑制剤の使用者やエイズ感染者たちです。一般の人がかかっても、通常は急性肝炎として発病し、治癒します。キャリアーにはなりません。

前記の三つの方法で、日本のB型肝炎は激減しました。過去には、年間18万人のB型急性肝炎が出ていましたが、現在は年間300人前後になりました。その1~2割は、海外での感染と言われています。しかも、20~30歳代に多く、その感染経路も、2007年で67%が性感染でした。
これらの対策で、現在キャリアーになっている人以外は、新たにキャリアーになる人は、ほとんどいなくなりました。キャリアーは、現在人口の約1%、100万人以上といわれていますが、多くは予防注射の回し打ちを受けた団塊の世代以上で、他には母子垂直感染防止対策ができる前に生まれた母親がキャリアーの子どもです。その高齢化と共に、大幅に減少しています。1984年にB型肝炎ワクチンが認可されています。
キャリアーになっても、数年から数十年かけて、急性憎悪して発症し、その後治癒することが少なくなく、四分の一から五分の一に、感染力が強い慢性肝炎の人が減少します。
つまりキャリアーには、二種類あり、感染力の強い人と弱い人がいます。強い人からは、医療関係者の針刺し事故や、唾液や精液などの体液からも感染しますが、感染力の弱い人からは10ml以上の輸血をしなければ、感染しません。
ですから、一般には感染する機会はほとんどありません。感染しても普通の人は、急性肝炎として発病し、99%は完全に治癒します。劇症肝炎になる場合は、急性肝炎にかかった時に、免疫力が低下している場合で、急性肝炎患者の約1%といいます。健康な人は、感染してもキャリアーになることはありません。
日本では、以前に住民基本健診で、団塊の世代以上の人に、5年間かけて公費負担で、B型肝炎とC型肝炎の検査をしてきました。それで、その検査を受けていない人以外は、ほぼ感染者は明らかになりました。今も、その時に受けていない人は、検査を受けることができます。この二つの肝炎は、キャリヤーはその後慢性肝炎になります。B型肝炎では、キャリヤーになっても、前述のように、急性憎悪して発症し、その後治癒することが多く、その結果、B型慢性肝炎の1割が肝硬変から、肝臓がんになるといいます。
C型肝炎は、多くは慢性肝炎の経過をとり、肝硬変から肝臓がんになると言われていますが、まだ詳細は明らかではありません。

このような状況では、B型肝炎ワクチンの必要はないと思います。

ロタウイルスワクチンの副反応

2015-04-17 08:04:53 | 健康・病気
前記の記事で副反応報告をぬかしてしまいましたので、追加します。

ロタウイルスワクチン(経口弱毒生ヒト)の副反応

ロタウイルスワクチンは、日本での治験はなく、南米や欧州での治験では、2回接種後には、重症化を予防する効果が85~96%あるといいます。アフリカやアジアでは、50~75%でした。特にサハラ砂漠以南の最貧国では約40%という低い予防効果しかありません。先進国では80%といいます。しかし、感染を防御することはできません。
ワクチンは、経口生ワクチンです。しかし、ポリオ生ワクチンほどの有効性はありません。

ワクチンによる副作用は、1万人に一人腸重積を発病することです。その後改善されたといいますが、メキシコやブラジルでの数百万人の大規模調査の結果でも、数万人に一人の割合で腸重積が発病し、完全には排除されていません。

でも、上手に経口的に(口から)水分を補給できればワクチンを使わなくても、重症化することはありません。しかも、発病しない子もいて、ほぼ100%の子どもが5歳までに感染していることが認められていることがおかしいからです。私の考えでは、手洗いなどの衛生状態よりも、育て方にあるのではないかと思います。のびのび、叱らず、ほめて育てることで、過保護にすることもやめましょう。

また、途上国では、内戦、干ばつ、貧困などの社会経済的環境から、栄養失調症が蔓延し、エイズや細菌性下痢症などの他の感染症との同時感染や併発が多く、ワクチンの有効性は低いのです。先進国では、ワクチン以外の方法で、治療も予防もできるので、必要なワクチンとは言えません。ワクチンをしない方は、私のお勧めする、子育てをして下さい。

日本の報告では、もっと多数の副作用報告が出ています。

◎副作用報告(メーカー報告) 国内2012年より
通常、腸重積の多発時期を避けるため生後3か月半までに初回接種で、ロタリックスは生後6週から24週までの間に2回、ロタテックは生後6~32週までに3回、いずれも経口接種します。発症は、初回時と2、3回目とあります。ですから、接種人数に対してではなく、接種回数に対しての発症率になります。
腸重積は、初回接種がほとんどと言われています。ですから、正確な発症率がはっきりしません。

〇経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン ロタリックス(2回接種)
198.3万接種に対し、腸重積78人(2.5万接種に一人)
2011年11月(販売開始)~2014年12月末
  国内で腸重積例 63人で、発症年齢は、生後9~44週
〇5価弱毒生ロタウイルスワクチン ロタテック(3回接種)
125.2万接種に対し、54人(2.3万接種に一人)
2012年7月~2014年12月末
  国内で腸重積例 48人で、発症年齢は、生後8~47週

◎厚生労働省副反応報告 2013年4月~2014年12月(1年9か月)
 ロタリックス(2回接種)約117万接種で、副反応は、
メーカー報告146人、死亡1人、うち腸重積 35人(3.3万接種に一人)、胃腸障害225人、神経系障害16人
医療機関報告61人、死亡2人、うち腸重積 10人、胃腸障害44人、神経系障害3人

 ロタテック(3回接種)約103万接種で、副反応は、
メーカー報告84人、死亡1人、うち腸重積 35人(2.9万接種に一人)、胃腸障害62人、神経系障害7人、
医療機関報告36人、死亡0人、うち腸重積 12人、胃腸障害12人、神経系障害2人

 合計では、約220万接種で、副反応はメーカー報告230人で、うち腸重積は70人(3.1万接種に一人)、2~3回接種しますし、副反応が出ると次は接種しませんから、正確には算出できず、約1万人強に一人になります。