黒部信一のブログ

病気の話、ワクチンの話、病気の予防の話など。ワクチンに批判的な立場です。現代医療にも批判的で、他の医師と違った見解です。

ヒブワクチンの話

2014-10-25 16:25:54 | 健康・病気

これは難しい論文なので、分かりにくいかも知れませんが、ヒブワクチンへの疑問が多いためにとりあえず、ほかの医師にも反論されてもよいように、書きました。やさしく書いたものは、「新予防接種へ行く前に」の改訂版が11月過ぎにでますが、そこに書きました。
 私の理論は、病気と人間の適応関係で、それには環境(家庭の社会経済的環境と子育ての仕方)が影響しているというものです。

ブログの2010.7、2010.10、2011.1~2、2012.3,2012.6などを参考にして下さい。
 

ヒブ(Hib,b型インフルエンザ菌)ワクチンの話

 ヒブとは、b型インフルエンザ菌の略称で、インフルエンザ菌の自然宿主はヒトだけであり、健康な小児の60~90%いる呼吸器の正常細菌叢の一部をなしていて、大部分の菌は分類不能型(無莢膜型)であり、莢膜型(a~f)のb型菌(ヒブ)の定着者(健康保菌者)は少ないが存在しています。

健康保菌者がいる菌です。

ヒブは一般の健康な乳幼児の鼻やのどに1.4%~5%検出されると言われ、香川県の平成12~14年度の研究では、乳幼児で1.4%、大人でも1.4%検出されました。竹内一のある保育園児の調査では3~11%の保菌率でした。別の報告では、健康な就学前児童と学童では2~5%に保有し、乳児、成人では少ないと言います。アメリカでもワクチンの導入前には、小児の2~5%に保菌者がいました。イギリスでは、ワクチン非接種群6.3%、接種群1.5%(接種しても完全には消えない)でした。

抵抗力の落ちた時に発病する病気です。

 菌を持っていても発病せず、人間の側の抵抗力(自然免疫力)が落ちた時に発病し、その落ちる程度によって、軽く済むか、重症化するかが決まります。ほとんどの子どもは、いつの間にか感染して、軽く済み、5歳以上の子どものほとんどに抗体ができ、ワクチンの必要がなくなるのです。感染症情報センターでも2010年12月の情報でも「ヒブに感染しても、そのほとんどは無症状ですが、一部の人では重症の感染症を起こす場合があります。」と言います。

どんな病気が起きるか。

 乳幼児の死亡率の高い三大感染症は、敗血症、髄膜炎、肺炎で、その多くは細菌が起こし、現代では侵襲性感染症と呼ばれています。これらは日本の社会経済的な向上と栄養状態、衛生状態の向上によって大幅に減少し、アメリカのワクチン導入前より大幅に低いのです。その原因菌の一つがヒブです。それも日本は欧米諸国より少ないのです。

この菌による侵襲性感染症つまり乳幼児の重症な病気は、髄膜炎、敗血症、肺炎、喉頭蓋炎などです。1996~7年の6都道府県の調査では、ヒブ髄膜炎は5歳未満人口10万人対8.6でした。2010年2月の報告では、5歳未満人口10万人対で、2007年髄膜炎5.6、非髄膜炎1.4、2008年髄膜炎8.2、非髄膜炎3.7、2009年髄膜炎7.4、非髄膜炎5.4でした。この菌によるこれらの病気は年300~450人と推計されています。2009~10年の国立感染症研究所のヒブ感染症200例の調査では、0歳36%、1歳31%、2歳17%、3歳6.5%、4歳6.5%、5歳2%であり、2歳以下が84%を占めていました。それで先天的または後天的免疫不全症がかかりやすいことが判ります。

かかっての死亡率と後遺症はどうか。

 1996~7年の6都道府県の調査では、死亡率は4.7%、後遺症は、硬膜下水腫、聴力障害、てんかん、その他発達障害・運動障害もあり、23.3%でした。厚生労働省のQ&Aでは、ヒブ感染症は年700人、うち髄膜炎400人、死亡率は0.4~4%で、後遺症27.9%としています。

抗体保有率はどうか。

 ヒブに感染してもほとんどが無症状で、一部が上気道感染症を起こし、まれに侵襲性感染症になるようです。岩田敏によると、接種前の抗体保有率は13.4%といいます。竹内一によると、3歳以降抗体保有率は急速に上昇し、5歳以上の子どもにはワクチン接種は必要ないと言います。

感染経路はどこからか。

 ヒブは人から人へと感染する細菌であり、感染経路は健康保菌者からの飛沫感染または手や口からの接触感染です。生後すぐの赤ちゃんは保菌していません。

ワクチンの有効性はどうか。

 アメリカでもイギリスでも100%は予防できず、1~2%はかかってしまいます。ワクチン接種しても10万人に1人が髄膜炎を発病すると言います。2010~12年の厚労省の「庵原・神谷班」の調査では、ヒブワクチン接種後にヒブ侵襲性感染症に13例かかっています。ヒブワクチンが普及したら、ヒブ感染症が減ったというのが唯一の有効性の根拠で、実際の臨床実験や野外実験での疫学的証明はありません。

ワクチンの副反応はどうか。

 2012年5月までにヒブワクチンと肺炎球菌の同時接種で13人、ヒブ単独接種で3人死亡しています。しかし、他に原因が見つからないのに、原因不明とか調査中とか、乳幼児突然死症候群の紛れ込み事故として片づけられ、副反応となかなか認定してくれません。国内のアクトヒブ(ヒブワクチン)の臨床試験では、主に局所反応で3回の接種のいずれも約50%出ています。全身反応は、発熱1.6~4.1%、異常号泣0~2.5%、嘔吐5.8~7.4%、下痢6.6~10.7%、不眠14.8~15.7%、傾眠2.5~8.2%でした。

 厚労省の医薬品対策部会安全調査会子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討部会の「ヒブワクチンの死亡率を10万人に0.02~1人程度」とすると、5歳未満児全員が接種すると、10~54人がワクチン死し、ヒブ侵襲性感染症の死亡数と違いがなくなり、ワクチンの有効性の根拠がなくなります。

ヒブワクチンが普及するとどうなるか。

 欧米では、ヒブ以外のインフルエンザ菌の侵襲性感染症が漸増しています。ヒブ菌の占めていた位置に他の菌が入り込んできたためのようです。菌交替現象といえましょう。

必要なワクチンとは

 すべてのワクチンは、完全でも (100%有効)、安全(副反応がない)でもありません。1960年代の小児科学会には予防接種特別委員会があり、そこが出した予防接種の評価基準では、①病気の恐ろしさ、②流行のおそれ、③ワクチンの有効性を(+)とし、④病気の治療法の確立、⑤ワクチンの副反応を(-)とし、これで判断して(+)が多ければ、採用すべきであるとの結論でした。私の判断ではマイナスが多く、否定的です。アメリカの小児科の予防接種の専門家も、①ワクチンの副反応のリスク、②その病気にかかった場合の死亡率と合併症を減らす利益、の二つを天秤にかけると言います。この基準でも受け入れられません。

免疫が低下する時とは、

 先天性免疫症候群の場合は、仕方ありませんが、この場合には接種することも控えられます。後天的免疫不全は、子どもにストレスがかかって起きると考えています。その原因は、家庭の社会経済的要因(アメリカではアメリカ先住民とアフリカ系住民に多い)と、家庭内の子育ての仕方にあると思います。私は、乳幼児のストレスを探して10年かかって見つけました。その一つが、過保護と過干渉です。 特に赤ちゃんでは、可愛がり過ぎで、赤ちゃんが要求しないのに抱いたり触ったりして、お人形さんの様に扱うことです。特に上の子がいると、赤ちゃんを触ったり抱いたりしておもちゃにしてしまいます。赤ちゃんが反応するのが面白いのです。赤ちゃんが泣けばよいのですが、嫌なのに泣かずに嫌そうな顔をしています。喜んで笑っていたらストレスにはなりません。赤ちゃんがいつもにこにこして目を輝かせていれば良いのですが、嫌だなと言う顔をしていれば病気をしやすくなります。私はそう説明して、それがうまくいくと、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎や喘息様気管支炎が治ります。第一子は健康で、第二子以降が病気になりやすいのは、これが原因です。

最後に

 私は、ヒブ感染症は人間の側の抵抗力の落ちた時に発病する病気で、健康な人は発病しないと考えています。健康な子からも菌が検出されるからです。

 ワクチンは5歳未満が対象で、特に乳児早期からの接種が勧められています。しかも根拠もなく、複数のワクチンの同時接種が認められてしまい、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種での死亡者も出ており、その原因は判らないのに続けられています。健康な赤ちゃんや子どもが、ある日突然死亡したり、重篤な後遺症が残ったらどうでしょうか。私の仮説(病原環境説または適応説)は、赤ちゃんのストレスを無くし、子どもをのびのびとほめて育て、がまんさせないことで、乳幼児のストレスをなくし、免疫を高めておけば、かかる可能性は低くなり、かかっても軽症ですみます。

 

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