リターン・トゥ・センダー 村松友視 オール読物３月号

ジャズ喫茶「ベイシー」を舞台にしている小説である。

ジャズ喫茶「ベイシー」は岩手県一関市に実在する、その筋の人たち（ジャズファン）にはとっても有名な店である。

あまりにも有名すぎて、そこそこのジャズファンである私には敷居が高すぎて、店の側まで行ったことはあるけれど、中には入ったことがないのである。
ときどき有名な人がやってきてライブをするので一度は行こうと思っているのだが・・・

というわけなので、この物語に出てくるベイシーのマスターがそのとおりの人なのかどうかはわからないのだが、それらしいんだろうなあ、と思わせる雰囲気である。

物語は、橙子が「ベイシー」に通うようになってからのマスターとの思い出、つまりはマスターのジャズやオーディオや店にかける思い入れみたいなものを回想したり、あるいは自分の生い立ちを振り返ったりしている・・・そしてある日、橙子は朝急に思い立って仕事を休んでベイシーへ行く。

ドアを開けると、そこにはクラシックが流れていた。
開店前だったらしい。そして、橙子はマスターと話をするが、何かにきずいたマスターは「リターン・トゥ・センダー」について話を始める。

リターン・トゥ・センダーとは「受け取り人なしに付送り主に返却」という意味。
橙子は、マスターの話を聴いて・・・

いい短編である。
ベイシーのマスターも気になるが、その後橙子についても気になる。
ちなみに橙子はもうじき２５歳の誕生日を迎えるらしい。

というわけで、近いうちにベイシーにいってみようと思う。

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