読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

短編の愉しみ -小説新潮1月号から-(その1)

2008-02-04 21:11:42 | 読んだ
今、O・ヘンリ短編小説集を、1日1編くらいで読んでいる。

短編小説というのは、最後の「オチ」みたいなものが命である、と思うようになった。
その「オチ」とは、読み手側の意表をついていてなおかつ読み手が納得させられるものが「最良」である。そしてそれに「よかったなあ」という感想が加えられ、更に「余韻」がふくよかに残るるものであれば、最優秀、であると思う。

ところがそういうものというのはなかなかないのである。
それはそうなんだと思うのあるが、短編小説を読むにあたっては、そういう部分をどうしても求めてしまうのである。

さて、小説新潮1月号は「新春短編大全集」の特集である。
もっとも小説雑誌の「読み切り」ものは、そのほとんどが短編ではあるのだが・・・
その短編大全集から、数編紹介をしたいと思う。

これまではあまりこういうことをしなかったのだが「評価」をしてみた。
評価は
①「(オチの)意外性」
②「納得性」
③「余韻」
の3項目と、
私の④「嗜好性」(私好みかどうかということ)
を加えて4項目を、
A「いい」
B「まあまあ」
C「あっそう」
D「問題外」
E「読まなければよかった」

で行っている。

赤い月の夜に 阿刀田高 ①C ②C ③B ④C

ホラー仕立てであるので、私的には「よくわからない」カンジである。
振った女が「恨みます、呪います」という遺書を残して自殺したことで、『無理やり、死体を一つ背負わされてしまって』という心境となった(つまりあまり責任を感じていない)男が、非難の目やらなにやらから逃れようと温泉にやってきたのであるが・・・

琥珀 浅田次郎 ①C ②B ③B ④C

定年間近の刑事が休暇消化のため旅に出て何気なく降りた三陸のとある港町で、一人で珈琲店「琥珀」を営んでいる男とであうが・・・
まあ、刑事と男の話であるからには「事件」が関連しているのではあるが・・・

「蟠る」(わだかまる)とか「勲し」(いさおし)という言葉に「オオッ」と思ってしまった。

よいしょよいしょ 北村薫 ①B ②C ③C ④B

瞳は若い頃小説の新人賞を受賞したが、そのことであるいやな想い出がある。
その嫌な想い出を、ひょんなことから思い出し、更に中学生の息子の授業参観に出かけたときに・・・

光散る水際で 曽野綾子 ①C ②B ③B ④C

夫は50歳で急死し、一人息子と暮らしていたが息子は突然失踪。母は息子からいつ電話がかかってくるかもしれないと思い、外出は近くのコンビニだけにとどめ連絡を待つ。ある日息子はアフリカで仕事をしているとの情報を得て息子に会うためアフリカ(マダガスカル)に旅立つが・・・

協力 恩田陸 ①A ②B ③C ④B

ある日ネコが女に手紙を押しつけた。それには男の浮気について書いてあった。
そしてその浮気の証拠が隠されている場所もネコが教えてくれた。
わずか3ページ(ショートショートっぽい)だが面白かった。

続きはアシタのココロだぁ~!

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