読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

天女湯おれん 諸田玲子 講談社文庫

2008-04-30 22:11:15 | 読んだ
1月に買った本で、一気に読んでしまえると思っていたが、ずいぶんと長い期間を要してしまった。

天女湯という湯屋の女将「おれん」(23歳)が主人公。
この湯屋は、お江戸八丁堀の真ん中にあるのだが、ある仕掛けがある。

「男湯に隠し階段、女湯には隠し戸、どちらも隠し部屋につながっている」

この隠し部屋をつかって、おれんは男女の仲を取り持つ。

おれんは、武家の娘だったが不幸な事件を機に父は武士を捨て湯屋を開く。そしてその湯屋も火事でいったん失い再建をしたのであった。
不幸な事件やらなにやらで、おれんは「お上に盾をつく」こととしたのである。

それからこの天女湯の奉公人たちは、みな脛に傷を持っている。

これらの人物たちにイロイロな事件が絡み合って、5つの物語が連作としてつづられている。

テンポよく、トントント話はつながっていく、そして「色っぽい」描写も数多くあり、絶対に面白く読み進められるはずだったのに、時間を要したのは、どうもこちら側の気分の問題だったと思う。

粋で婀娜な「おれん」この続編がつづられることを楽しみにして、そして続編は一気に読んでしまいたいと思っているのである。

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