
一昨日、海岸を散策中に破損していないタイラギの打ち上げ殻を見つけながら歩いていると、このタイラギが目に入りました。
最初は殻幅が狭いのでタイラギの有鱗種かと思ったのですが、棘が極端に少ない。
だからと言って、あしからず程度とは言え、棘が見られるので無鱗種とも違う。
昔、このタイラギの有鱗型と無鱗型は生息環境によって現れるフォームと考えられていたのですが、近年、この二つのフォームのタイラギを電気泳動分析(アイソザム)にかけてみるとフォームや亜種レベルではなく、完全なる別種であると結論付けられたようです。
そして、この有鱗と無鱗のタイラギは不明瞭ながらも棲み分けをしているものの交雑もしていて、これが有鱗から無鱗へと移行する型(フォーム)ではないかという理由の一つになっていたようです。
そうなると、比較用に欲しくなってくるのが無鱗のタイラギ。
昔は潜水服を着て採取されていたので無鱗のタイラギを目にする機会が多かったのですが、最近は不漁続きで、もっぱら干潮時にルッキングよる採取が殆ど…
そうなると、比較的に浅い場所に生息する有鱗のタイラギがメインとなってくる。
昔は立派なサイズの無鱗タイラギが掃いて捨てるようにあったのだが…
やっぱ、標本は得られる時には欲をしてでも作っておくべきですね。