モアブを更に南に走ってルート163号線に入る。
この水気のない台地を南西に走ると特別な看板がある訳では無いがナバホインデアンの居住区域に入る。まもなく前方には静かで不思議な光景が広がってくる。
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荒野の中に聳え立つ摩天楼の群れ
モニュメントバレーは特別な地域である。他の開発された国立公園と違って観光開発は許されてはいない。ただ谷の中を一本の道が走っているだけだ。
神聖な大地を走らせていただく感がある。
この土地の開発が許されていないのはナバホインデアンの土地だからだけではないと感じる。彼らにはアメリカ政府からの観光開発の誘惑がきっとあったであろう。しかしそれを拒んで太古から続くこの土地を守っている。それはこの場所はナバホの人々さえ強く感じる地球の精霊の息吹があるからだ。それは清らかさや美しさを超える恐怖感、畏怖的である。
この土地を守るナバホの人々に感謝する。
この地域の中を走るとそこにはナバホの人々の住宅が点在する。プレハブのトレラーハウスが置いてあるだけ、庭には緑もなく埃っぽい、それらは質素で貧しいと感じた。しかし、この彼らの姿勢そのものがアメリカインデアンの教えでもある。彼らは富よりも大切なものがある事を知っている存在である。
これだけの自然美を持ちながらも観光収益を全く期待していない。道の横には展望台もない、ただ走り抜ける事のみが許されている。
ここはアメリカの聖地であった。