これはニュージーランドで使用されていた1984年ガソリンエンジンの40(FJ40)である。車体のコンディションも悪くはなさそうだが、特にこのカンガルーバンパーには強力なインパクトがある。ebay motors
(ニュージーランドにカンガルーっていたっけ?)
カンガルーバー
金属製の板やパイプを曲げて造られた大型バンパー。グリルガード(Grill Guard)やオージーブルバー(Aussie Bull Bar)とも呼ばれる。オーストラリアでカンガルー避けに開発されたが、1990年代からファッション性を高める理由で大型SUVに標準装備されるようになった。対人事故を起こした場合、人体に与えるダメージが大きいため、大型動物のいない都市部で無意味なカンガルーバーをつけることには批判もある。これに準じ2000年代から各自動車メーカーはオプション設定をすることをやめている。しかし、ピックアップトラックやSUVの人気が高いアメリカの農村部では未だに装着している車が多い。理由としては、鹿を中心とした野生動物と車との衝突事故が日常茶飯事であり、平原や山野部の道路でそのような事態に陥り走行不能状態になった場合に危険であることと、またそのような地域では狩猟を趣味や生業としている人も多く、そういう人々は安易にディアホイッスル(ディアワーニングとも。鹿避け笛)を車に装着できないなどの事情がある。
今も思い出すと静かに手を合わせて冥福を祈る。昔、早朝の高速道路で道にいきなり飛び出してきた鹿を時速100キロで走っているランドクルーザーで弾き飛ばした事がある。物凄い衝撃であった。
現在のクラッシャブルモノコック構造の車で100キロの走行中に鹿とぶつかったら、おそらく大事故になる。ある知人はトヨタ プレビア で鹿にぶつかり軽症ではあったが車は破損してしまった。トヨタの4ランナーに乗っておられたある方は鹿にぶつかってコントロールを失い林の中に突っ込んで肩の骨を折る重傷を負った。
鹿にぶつかるのは10年に一度かも知れない?或いはそのような経験を一生しないかも知れない。しかしもしぶつかった時は覚悟しなければならない。しかし、もしもの時の為に普段から重いバンパーを備えるのは不経済でもある。
つまり、ブルバーの正体は保険でもある?
ブルバーは安全が問われて消滅してゆくのであろうか?
いや、
姿を消したのではなくて、姿を隠したのである。
2014年のニュータンドラの顔を見ると既にブルバーを備えている様に感じる。
大切な事は何であろうか?その一つは事態を常に予測しておく事である。動物との接触は誰にでも起こる、特に郊外を運転する回数が多いとその確率は高くなる。
カンガルーバー、ブルバー、確かに重く人間にとって危険な面もあるが、それ故に助かる事もある。一概に悪者と決め付ける事は難しい。ブルバーに対する問いというのは見た目のカッコ良さや4x4アクセサリー的なものではなくて命をも左右する真剣な課題なのである。
安全や安全性とは危険のない状態ではない。危険を最小限にとどめる為の心構えや準備の状態の事である。
鹿と接触した時にマジで思った事は、ランドクルーザーで良かった。である。
考える場!か