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素敵な景色に遇えるかも・・・

古代の森と受け継がれるエコ~大人の研修旅行vol.5~

2011-06-23 | 小さな旅の思い出


 普段から、「お伊勢さん」と呼ぶのが当たり前だと思っていました。
考えてみたら、まるで親しい女性…およねさんとか、おたきさんとか
地元の人ばかりでなく、そんな呼び方をする神社ってあまり無いですよね。
辞書などでは「伊勢神宮」となっていますが、正式には「神宮(じんぐう)」
という名称なのだそうです。

神宮は、女神である天照大御神を祭る皇大神宮(内宮)と
衣食住および広く産業の守り神として崇敬される豊受大神宮(外宮)からなっています。

今回で3度目になる参拝ですが、時間の関係もあって
内宮のみにお参りさせていただくことにしました。

平成25年に行われる、第62回目の式年遷宮を控え
いつもに増して活気を帯びているように思えました。
天照大御神が五十鈴川のほとりに鎮座されて2015年目と云われています。

式年とは定められた年という意味。
遷宮(せんぐう)とは、神社の正殿を造営・修理する際や
正殿を新たに建てた場合に、御神体を遷すことです。
伊勢神宮では20年に一度行われます。
あまりに遥か昔のことで、想像もつきませんが
そんな昔に決められた事が、脈々と引き継がれている
ということに感動を覚えます。

唯一神明造という建築様式をはじめとする古来の技術を
次の世代に伝える意味でも、信仰を受け継いでいくためとも云われています。

遷宮のために、古い木が切り出され
その後には、針葉樹と広葉が植林されます。
今、昔のように神宮の森の木だけで
遷宮を行えるように、神宮の森を育てているのだそうです。

神宮の木だけで賄えなくなったのは、室町時代の戦乱期に
森の手入れが行われなかったからなのだそうです。



式年遷宮を前に、宇治橋も新しく架け替えられました。
橋に使われている厚さ15cmの踏み板も、20年の間に2/3の厚さに減ってしまうのだそうです。
欄干部分は宮大工によって作られ、踏み板の隙間から雨が入り腐食しないよう
船大工によってきっちりと打ち付けられるのだそうです。

    


【宇治橋鳥居】
くぐる際には一礼をしてから通りましょう。
宇治橋に付属する鳥居で高さは約7m。
式年遷宮で解体された旧正殿の棟持柱(むなもちばしら)
が再利用されています。
外側の鳥居が外宮正殿、内側の鳥居が内宮正殿の柱が
用いられているそうです。
そして、古い鳥居は全国の神社へと払い下げられ
製材しなおされ、新しい鳥居として生まれ変わる
のだそうです。


 


【五十鈴川と御手洗場(みたらし)】
五十鈴川の清流で心身を清める場所で、手水舎の古い姿といわれています。

この場所から川上を見ると、まさに神様の住む森の雰囲気です。




 
【瀧祭神(たきまつりのかみ)】

五十鈴川の守護神をまつる場所です。昔から社殿がなく
石の祭壇だけがあり、これが神まつりの原初の姿なのではないかといわれています。

神様へのお取次ぎをしてくださる神様でもあり
自分の住所、氏名、を告げた後、神様へのお取次ぎを願います。





【内宮正宮(ないくうしょうぐう)】
皇室のご祖神であり、日の大神として崇められる
天照大神をまつりとなっています

社殿は高床式で地中に直接柱を建て
萱葺き屋根を有する唯一神明造と呼ばれるものです。

こちらでは公の願い事、そして日頃の感謝を述べる
場所なのだそうです。




 

【荒祭宮(あらまつりのみや)】
正宮の北側に鎮座し、天照大神の荒御魂をまつる内宮第一の別宮。
正宮が天照大神の穏やかな神霊である和御魂(にぎみたま)を祀るのに対し
荒祭宮は活動的、積極的な働きとされる荒御魂(あらみたま)祀られています。

個人的な願い事は、こちらで願うのだそうです。

あらら・・・
そこのおばさま方~!
真ん中は通るべからずですよ
真ん中は、神様が通られるので開けておかねばなりませんよ~!


 


【宇治橋にて】
帰り際に最後から2本目
(宇治橋の西詰北側2本目)の擬宝珠(ぎぼし)に
触れル事をわすれてはけません。

中には、橋の安全を祈って饗土橋姫(あえどはしひめ)
神社の萬度麻(まんどぬさ)が収められています。
この擬宝珠に触れて帰ると、また参拝に訪れる事ができると
言われています。
   



式年遷宮を控えた伊勢神宮を訪ねてみて
今まで持っていた考えが、間違っていたことを知りました。

すべてを新しいものに作り変えるだなんて、もったいない
何でも新しいものが好きな日本人らしい発想だわ!と思っていました。

ところが、取り壊された正殿やその他の建物の部材は
朽ちた所を切り取り、表面をかんなで削られ
また新しい材料として、鳥居としてまた、別の神社の建て替えや
家の表札としてに使われるのだそうです。

全く新しい材料と同じように見えて、20年の間にしっかり
乾燥した材料は萌えにくく変化しているのだそうです。

新しく切り出された材料から出た端材は、御札となり
取り壊された橋の材料の内、再利用できないものはお守りへと
再利用されていくのだそうですl

神宮で使われていた木材は、御利益をいただけそうで
引く手あまたなようです。

古く、古代から伝え続けてられていた文化は、使い捨て文化ではなく
究極のリユース・リデュース・リサイクルのエコな文化だったのです。
(※リユース/Reuse=再使用する・リデュース/Reduce=廃棄物を出さない
・リサイク/ルRecycle=再資源化する)

いつの世にも、訪れる人々をあたたかく迎え入れてきた神宮。

そして古代からの文化を変わることなく守り、受け継いできた神宮が
これからも生きた古代博物館であり、また新しく変わり続ける
日本人の心の故郷で有り続けますように・・・・・・・・



~神宮式年遷宮イメージソング「鎮守の里」藤井フミヤ ~




長々とお付き合い下さいまして、ありがとうございました。

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10 Comments

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☆コメントをありがとうございました! (pinky)
2011-06-27 23:33:48
薩摩さん、こんばんは!

お参りに行く度に奥深さを知る、お伊勢さんです。

ブログに載せるために勉強しちゃいました。(笑)
後で文章にしようと思うと、説明もしっかり聞こうとするから不思議ですね。

この日も「階段下から撮って下さい~!」と叫んでおられました。
返信する
伊勢神宮 (薩摩)
2011-06-27 21:01:56
pinkyさん

こんばんは

何回お伊勢さん参りしたか分かりません。が

何にも分かっていなかったことがよう~く

分かりました。ありがとう。

内宮正宮で写真を撮ろうとしたら警備員に阻止されたのがつい最近の思い出です 笑
返信する
☆コメントをありがとうございました! (pinky)
2011-06-25 12:23:14
ハイジさん、こんにちは!

ふふふ…そうなんです。
この緊張している様子が、可愛く思えてしまうのです。
ハイジさんとは、同郷でしたよね。

いつもなんとな~くお参りをして帰ってきていたので
ちょっと真面目に調べて行きました。
行く途中のタクシーの中でも運転手さんが色いろと教えてくださいました。
もうバスガイドさん顔負けの方で、それもまた
楽しい旅の思い出となりました。

あははは~!
記憶を失ったふり~!
私もときどきします。(笑)
自信満々でいったつもりが、大違いってことあります。
最近はネットで直ぐに調べられるので、会話中でも携帯で
検索できるので、便利になりましたね。

昔の人の知恵って本当に素晴らしいです。
それをまた、忠実に守ってずっと続けるということもまた
素晴らしいことだと思います。

藤井フミヤさんが、TVの中で言っていたのですが
もう自然に何も考えないでも、こういう曲が浮かんでしまう場所だったそうです。

まさに神秘の森!
この雨に煙る霧の中に、神様がいらっしやるような光景でした。
次に行くときは、人気の少ない早朝に
この雰囲気を独り占めしたいと思いました。

ハイジさんもヨーゼフさんとご一緒に、
是非一度訪ねてみてくださいませ。
身体がしゃきっとして、パワーをもらえるような気がします~
返信する
☆コメントをありがとうございました! (pinky)
2011-06-25 12:01:09
Ranchoさん、こんにちは!

ありがとうございます~
神社仏閣に造詣の深いRanchoさんにとっては、一層興味の尽きない場所かと思います。

今話題のパワースポットが。そこかしこに!!
出来れば、人気の少ない早朝にお参りしたい場所です。
いつも多くの人で賑わっている「神宮」ですが
この滝祭神は、川のせせらぎの聞こえる中
静かにお参りできます。

団体旅行でついて周りの旅だったときは、こんな風に感じることは出来ませんでしたが
今回は、じっくり味わうことが出来ました。

近い内に、また行きたいと思っています。

出来れば、鳥居越しに橋の向こう側から、太陽が昇るという
冬至に行きたいものです。
きっと幻想的でしょうね~

是非、Ranchoさんもまた訪れてみてくださいませ。
行く度にm新たな発見があると思います。
返信する
☆コメントをありがとうごさいました。 (pinky)
2011-06-24 23:56:08
小父さん、こんばんは♪

あのチェッカーズのフミヤさんも、すっかりおじさん?かな?(笑)

この曲は、五十鈴川の辺に座って作ったのだそうです。
自然に浮かんできたのだそうです。

あ!お恥ずかしいです。
私も今回の旅のために、勉強し直しでした。

この場所は、神聖な場所であると共に
心のふるさとなのかもしれません。

今回の旅は、盛り沢山でありながら、ゆったりとした時間を感じられる
有意義なものでした。

最後に、再び女学生気分で締めくくりますので
どうぞ、お付き合い下さいませ。
返信する
☆コメントをありがとうごさいました。 (pinky)
2011-06-24 23:42:15
〓Neko★さん、こんばんは。

まさに、究極の~
1000年以上繰り返されてきたエコロジーです。

この森に入ると背筋がしゃんとします。

長い歴史がこういう作法も育てて来たんですね。
返信する
へ~~~っ! (ハイジ)
2011-06-24 16:52:24
藤井フミヤは、こういう曲も作るんですね!
童顔だから、緊張してる姿がかわいく思えました♪

そして伊勢神宮の詳しい説明に、さすがpinkyさんだ!
と感心しています。
ずい分前にヨーゼフが、伊勢神宮は何年か毎に建て直す、と言った時
「そんなはずない!聞いたことないよ!!!」
と堂々と反論してしまった私・・・
その後、20年毎に全く同じものを作り変えると知り
穴があったら入りたい・・いえ、記憶を失ったフリをしました(笑

ナンテもったいないことを!と思ってたんですが
ちゃんとエコを考えた計画なんですね。
しかも、ずーーーっと昔から引き継がれてるなんて!!!
世の中が変わり、文明開化しても、人の基本的なものは、今も昔も一緒ってことですね。
いや、昔の人の知恵の方が素晴らしいかも!

藤井フミヤの曲と共に写る伊勢神宮の神秘的な映像が
どこか違う世界に居る気分にさせてくれます。
こりゃ、絶対に一度行かなくっちゃ!!!
返信する
お伊勢さんって魅力的ですね^^ (Rancho)
2011-06-24 11:48:58
 pinkyさん、素敵です(嬉+喜+飛
 素敵な旅ですね☆
 知らないことばかり、いきたい所いっぱいです♬

 滝祭神(皇大神宮所管社 瀧祭大神)にそそられ、調べて遊んでいました。
 言い伝えが多く、興味深いですね(*^D^*)
 川原祓所など石にまつわる所が多くあるのですね。
 ここは何度か行ったことがありますが、滝祭神やほか全然知りませんでした☆
 残念!今お伊勢さんに行くと興味のあることにいっぱい出会いそうな気がします☆
 今後伊勢は注目です!これもpinkyさんのおかげです(^^)ありがとう!
 
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こんにちわ (小父さん)
2011-06-23 15:06:06
藤井フミヤ氏、雅楽で唄っていますね。
いいことだと思います。
若い世代がもっともっと、この日本の文化に触れる
べきだと思います。

あいかわらずpinkyさんのページで勉強させていただきました。

写真を拝見していると理屈抜きにあの空間の光景が蘇ってきました。
何なんでしょうね~?
神々の森には日本人の心の故郷が眠っているんでしょうか!
一度しかお参りしたことないのですが、
神宮って記された車のお守りをしばらく吊るしていました。
まだ持っています。
旅行記は5回目ですか!
ご婦人方のこの企画は素晴らしいですね。
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究極のリユース・リデュース・リサイクル~♪ (Neko★)
2011-06-23 08:51:06
お伊勢さん・・・行ったことなないのです。
たぶんそのうち旦那様と行く?と思いますが
神様の通り道~♪
知っているのと、知らないのでは違いますよね~

ありがとうございます
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