ゲストスピーカー:伊藤 崇(北海道大学研究員2011年)
【目標・ポイント】乳幼児期における養育者との関係性の理解
【キーワード】
1.関係 これは、辞書的な意味として、他者との関係が問題となる。この場合の他者は、人間である。
2.行動状態 behavioral states の訳語 Prechtl,H.F.R,1974の研究参照。発達初期における6つの行動状態。(眼、呼吸、運動、発声などの指標)、まどろみ、静かな覚醒、睡眠、ぐずりや泣きなどの状態
3.養育者 通常は、母親。オーガナイザー(統合させるひと)としての役割を担う。環境を整えたり、子どもと環境との関係を整えたりする。
4.かわいらしさ こどもと養育者を結びつけ、養育行動を導くものとしてのかわいらしさ 愛着行動への促し
5.情動制御 脳の感情回路を統制する遺伝的特性 一時的間主観性 Trevarthen,2004
6.相互交渉 お母さんが、子どもの喃語などをまねること
7.模倣 お母さんが模倣すると子どもが喜ぶ
8.強制注視 生後3.4月まで 一度見ると、ずっと見てしまう。 自由に見ることができるのは、4ヶ月後
9.共同注視 一歳前後 養育者とこどもが一緒に見る
10.共同注意 ここにないもの。たとえば、「この前に使ったあれがあったらいいのにね」という、あれについて共通の想像ができるようなこと
11.注視・注意の社会化 顔を見る見せることで、社会化が促される。何を見るべきか。花を見て、きれいねっていう。相互交渉で足場作り
12.自己感
13.間主観性
1.はじめに
2.行動状態のオーガナイザーとしての養育者
(01)育児行動の指標と目標としての乳児の行動状態
*クーイング
(02)乳幼児の「可愛らしさ」
3.乳幼児の情動制御:脳の感情回路の共同制御者の養育者
4.関係を通した間主観性と自己感の発達
5.注視から共同注意の発達
(01)強制注視
(02)注視・注意の社会化
(03)関係の中で共同注意の発達を捉える
6.結び