本書は、著者名が、ふたりとも、ひらがなになっている。それが、本書の位置づけを暗示しているのだろう。が、よしもとばななは、何年か前に、表記を「吉本」から「よしもと」へ変えている。河合隼雄との対談本「なるほどの対話」が出版されたときは、「吉本」であった。松下電器産業が、社名をパナソニックに変更したように、それなりの理由があるのだろう。
2009年4月から、NHKFMで、「きたやまおさむのレクチャー&ミュージック」という番組が始まり、2012年3月に終わるまで、3年間も続いた。私は、2009年というのが、大変な年で、エアチェックができていなくて、1年間聞き逃したのが、すごく残念であった。
2011年に入って、「生活習慣病としてのうつ病」弘文堂(2013)などの著書がある井原裕教授や精神科医の宮岡等先生などが、ゲストスピーカーとして話されることが多くなっていったので、不思議な感じがあって、謎のままであった。
この書物、きたやまおさむ・よしもとばなな「幻滅と別れ話だけで終わらないライフストーリーの紡ぎ方」朝日出版、2012年に、夏頃に話すと咳がよくでるようになって困ったという記述があった。
そういうのを考え合わせると、いろいろと連想されて楽しい。
内容的には、きたやまおさむアカデミックシアターDVDの講演をもとにしたものと、それをもとにした二人の対談になっている。
対談と言っても、けっこう専門的なことがらも含まれていて、気軽に読めるわけでもないが、お二人の「不思議」が核融合したようなところに、本書の意義があるのだろうと思う。
できれば、北山修先生には、自伝を出版して頂きたいものだと思う。