南斗屋のブログ

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交通事故被害者のための刑事事件Q&A 15

2006年09月22日 | 未分類
Q 加害者側の弁護人から示談をしてほしいと言われていますが、どうしたらよいでしょう。
A 刑事事件と民事の損害賠償は別の手続きですので、刑事事件が続いていても被害者は民事の損害賠償について示談することはできます。
 しかし、示談をするというのは、加害者の刑事事件の処分で考慮されます。すでに加害者は起訴されていますから、示談をしたからといって、起訴が取り消しになるわけではありませんが、裁判官の判決、つまり執行猶予か実刑か、実刑になるとしてもその刑がどの程度になるのか等にある程度の影響を与えてきます。
 刑事の裁判官から見ると、示談をするということは、民事としては、被害者が加害者からの被害弁償を受け入れ、解決したとみますので、示談をしていない場合に比べて、刑事処分で考慮すると考えるのです。
 ですので、この点を慎重に考慮して、示談をするのかどうか、示談するとしていつの時点(刑事事件が終わってからか否か)とするかを決める必要があります。

Q 加害者側の弁護人から、「加害者側から見舞金をお支払いいたします。これは民事の損害賠償の賠償から差し引きませんから、是非受け取ってください」と言ってきたのですが、どのようにしたらよいでしょうか。
A 見舞金を受け取ることは自由ですが、示談の場合と同じ理由から、加害者の刑事処分には影響を与えます。もちろん示談が与える影響の方が大きいのですが、刑事の裁判官としては、加害者が誠意を示し、被害者がそれを受け入れたという理由から刑事の処分を軽くする方向に働きます。
 見舞金を受領したことは、刑事事件の記録の中に残ります。
 また、見舞金の額にもよりますが、多額の場合は、民事の損害賠償で慰謝料の減額となる可能性も否定できません。



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