工作台の休日

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定番でどうでしょう!?

2020年10月06日 | 飛行機・飛行機の模型
 月刊誌モデルアートの最新号(11月号)では、1/72飛行機キットの「定番」商品に再注目するという特集を組んでいます。この定番商品というのは模型屋さんに行けば必ず棚の上にあって、いつでも手に入る(しかも比較的安価)という位置づけでして、表紙にも「作るものに迷ったときは昔からあるキットを」とあるように、比較的ロングセラーの商品も含まれます。
 私自身、飛行機のキットは1/72を主に楽しんできたところがありますので、この特集に掲載されているハセガワ、タミヤの零戦、ハセガワのF104のシリーズなどは随分とお世話になりました。
 私がこうした「定番キット」を組みたくなるのは、凝ったものや時間のかかる大物を作った後で、手軽に「完成させる楽しみ」を味わいたいなあという時や、何かを作ったけど失敗してしまい、作り慣れたもので「リハビリ」したいという時が多いです。もちろん、こういった定番キットを使って作りこんでみよう、ということもあります。
 私にとっての「定番キット」ですが、フジミのF86Fが一番ふさわしいかったと思います。過去形で書いたのは残念ながら現在は販売休止中のようで「定番」ではなくなっているからです。発売から30年以上は経っていますが、それでも発売時はこのスケールの決定版として歓迎されました。デカール替えや米軍仕様など、バリエーションも多いのですが、もともと発売された当初は航空自衛隊の代表的な部隊のマーキングが多数セットされていまして、長らく模型屋さんで見かけました。
 F86Fのシンプルな姿はキットでも組みやすくできており、さすがに「寄る年波」もあるのですが、それでも丁寧にバリを取ったりして作っていけば昔のジェット機らしい姿をした日の丸セイバーが出来上がります。基本の塗装は銀一色ですし、コーションデータも今どきの機体に比べたらはるかに少なくて済むため、ストレートに作れば「なかなか仕上げが終わらないなあ」ということは無いと思います。銀色塗装なら缶スプレー(私はGM鉄道カラーの銀色を愛用しています)でもできるという手軽さもあります。何色もの迷彩があったり、F15のようにエンジンノズルを作るだけで一仕事、塗装が終わってからデカールを貼るのも途中でお腹いっぱい、というキットとは対極です。
 モデルアート誌の特集に絡めて書きますと、私もF104Jはすべての飛行隊のマーキングを揃えるほど好きで、そういう意味では定番キットで遊び倒した、ということになるでしょう。F104Jについては胴体後部の無塗装部分の仕上げが目立つだけにポイントとなり、少々気軽とは言い難いところもあります。銀塗装が苦手と言う方には機体全面を塗りつぶした迷彩塗装機もありましたので、いろいろな機体を楽しめると思います。
 零戦につきましても、いわゆる「飴色論争」に振り回されたりもしましたが、やはり各型をタミヤ、ハセガワ両方のメーカーで作っています。塗装とマーキングが豊富ですので、キットに入っているもの以外でも楽しめます。また、最近では以前ブログでも紹介しましたハセガワのF16が組みやすさと言う点から、プラッツのT33はマーキングの豊富さや塗装のしやすさ、もちろんキットの組みやすさからも私の「定番」になりつつあります。
 これらの定番キット、長年にわたって作っていますので、今の自分の技量を知るバロメーターにもなります。飛行機に限らず、他のジャンルのキットに関しても、モデラーの皆様の中には「定番キット」があのではと思います。涼しくなって塗装にも持って来いの季節ですから、こういったキットで気軽に、あるいはどっぷり楽しんでみるのもありですね。

私の「定番」だったフジミのF86F。自衛隊50周年マークはご愛嬌。よく見ると主翼下の増槽のマーキングを忘れています。


銀色のF104Jは塗装を慎重に進めるイメージがあり、なかなか「手軽」というわけにはいかないときがあります。思い入れが強い機体はどうしても時間がかかり(入れ込み過ぎて失敗、ということもあり)ます。
F104についてはイタリア空軍のS型も製作しました。こちらは小さなジオラマ仕立てにしています。人形はプライザー、機体側面に置かれた梯子はプラ材と真鍮線から自作しました。

 

 
 

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