工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

「国鉄色の教科書」発、「プラ車体へのサーフェーサー吹き」行き。最近の鉄道書、趣味誌から

2021年07月23日 | 鉄道・鉄道模型
 いよいよ東京五輪の競技の一部が始まりました。いつもながら開会式より前に一部競技の予選が始まるというのは飲み会で全員が揃う前に「練習」と称して飲んでいるような感があり、個人的には違和感を禁じ得ないのですが・・・。それだけ種目、競技が増えているなら、日程も3週間くらいにしてゆったり開催すれば観たい競技が重なったりしないのに、と思います。今日はブルーインパルスがお昼に我が家の上空を航過していきました。予行の時も職場から偶然見えましたが、今日は久々のカラースモークでしたね。五輪開催についてはさまざまなご意見があり、私も思うところはあるのですが、それはここで話すべきことではないので、本題に移りましょう。

 さて、今日は鉄道模型関連の本や雑誌にまつわることをご紹介します。最初にご紹介するのは「国鉄色ハンドブック」(機芸出版社)です。
 本稿の読者なら改めて説明の必要は無いかと思いますが、国鉄の車輌については「クリーム色1号」、「赤2号」というように、塗装に関する色名が細かく定められておりました。国鉄は全国組織ですから、色調が地域でバラバラにならないよう「国鉄車両関係色見本帳」により塗色を指定し、これらの色の見本帳が作られて全国の工場、メーカー等で共有されることになりました。
 本書では国鉄の「車体色」として使用された52色を紹介しているほか、「資料 国鉄車両関係色見本帳集成」として、1956(昭和31)年から1983(昭和58)年まで、計8回発行された「国鉄車両関係色見本帳」の内容を色別に再構成し、解説しています。車輌内装の化粧板、腰かけ上張り、カーテン寄せ、敷物(カーペットなど)、テーブルの裏(!)なども形式ごとに細かく定められていたことがわかります。興味深いのは20系客車の内装色のみに使用され、その後は指定された形跡が無い色(赤10号、薄茶色8,9,11,12号)や、オロネ25の内装のみに指定された色(薄茶色13,14号)などもあります。20系客車の内装(特に食堂車)については外部デザイナーを活用したことが特色ですが、色も限定だったようですね。内装の色まで凝ってみたい、というファンの方には大いに参考になるのではないでしょうか。
 なお、本書は色見本にとどまらず、名取紀之氏、岩成政和氏による解説記事、片野正巳氏のイラスト記事も充実しておりますし、実車のカラー写真もふんだんに使われています。ありそうでなかった「国鉄色の教科書」、新体制となった機芸出版社・TMSのヒット作ではないでしょうか。
 
 次に気になりましたのは、「とれいん」8月号に掲載の連載対談「おとなの工作談義」でして、こちらは私も愛読している記事なのですが、プラ車体へのサーフェーサー吹き(ここでは「サフ吹き」と略)は必要か、というテーマでした。モールドが埋まって本塗装の塗装面が荒れるという理由でサフ吹きは推奨しないという意見が出ておりました。これのまでのブログでも車体にサフ吹きしてから本塗装を・・・と書いている私にとっては、ほほう、という内容でした。
 なお、私がサフ吹きをするのは次のような場合です。
1 GMの板状キットなどで車体にヒケや傷が目立つ場合
 GMの古い板状キットの場合、車体内側のリブに相当する箇所の外板がどうしてもヒケを起こしていたり、組んでいるうちに細かな傷がついたりすることがあります。私の段取りが悪く、腕が下手というのもありますが、下地を整えたいという時に使っています。
2 完成品車体や鉄道コレクションを塗り替える際に、IPA(この場合はビールではなくてイソプロピルアルコール)で元の塗装をはがせない場合
 既に塗装済みの完成品車体などに別の色を吹きたい場合、元の色やマーキングが邪魔をして綺麗に塗れないことがあります。こんな時に元の色を消すためにサフ吹きをしています。初期の鉄道コレクション、カーコレクション、バスコレクションはIPAで塗装がはがせたのですが、最近のものははがせないので、サフ吹きを使うことが多いです。
 なお、サフ吹きについて1000番以上のものを使い、軽く吹くようにしています。完成車体などの場合、サーフェーサーのグレー色(または白色)がかかる程度にし、ぼってりとした塗膜にならないように注意しています。500番などを吹いてしまったら、それこそモールドが埋まってしまうのでお勧めしません。
 また、板状キットに塗る場合は、下地に左右されたり、隠ぺい力の弱い色を塗る場合も極力サフ吹きをしないようにしています。例えば黄色ではクリームまたはアイボリー系の色を、赤系の場合は白を下塗りに吹いています。また、一体成型のキットの場合もサフ吹きをしておりません。
 技法というのは人それぞれですので、お前のやり方とは違うぞ、というご意見もあるかと思います。塗装についてはまだまだ書きたいこともあります。今後も折に触れて塗装の話をしていきたいと思います。
 では、これから開会式の中継観ます。





  
 
 

 

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