年末年始の多忙な日々がちょっと落ち着き、自分のための時間も持てたタイミングで風邪をひいてしまい、私にとってはこの時期特有のものなのでしょうがないのですが、寒さも手伝い胃がものをうけつけなくなってしまい、医者に駆け込んだ次第です。皆様もご自愛ください。
今日は工作、とりわけ塗装に関する教科書のご案内です。
とれいん2022年1月号増刊として「模型塗装大全」(山中 洋編著)が出版されました。月刊誌「とれいん」2010年10月号の特集をベースに、塗装、塗料、ウェザリングといった技法のみならず、筆からパテ、マスク(マスキングテープだけでなく、人間が被る方も含め)なども網羅された一冊です。
私の作例を観ていただければお分かりかとは思いますが、数十年モデラーをやっていても腕の方は相変わらずでございます。塗装が得意かと聞かれましたら決して得意とは思っておらず、いかに自分の技量の中で模型として美しく見せるか、ということを心がけております。ちなみに私の場合は空調が入った専用の部屋で常設された塗装ブースがあるわけではなく、ベランダやベランダに面した戸を開けてそこで換気しながらの作業ですので、真冬、真夏は決して良い環境ではありません(そういう方は私だけではないと思います)。
本書は鉄道模型誌の増刊ですので、当然鉄道模型の塗装がテーマとはなりますが、エアブラシ塗装、筆塗りなどの解説は他のジャンルのモデラーにも大いに役立つと思いますし、ストラクチャーの塗装などはジオラマ派にもおすすめかと思います。
個人的に印象に残ったのは「忙しい人のための塗装講座 缶スプレーの塗装をマスターする」という項目でした。私は吹き付けでエアブラシを使いますが、それと同じくらい缶スプレーも使います。エアブラシですと希釈、塗装後の手入れ等で薄め液を多用しますのでどうしても匂いもきつくなります。それに比べますと缶スプレーは手軽さもあり、白、黒、銀、アイボリー、グレーといった色はGMの鉄道カラーをよく使いますし、サーフェーサー吹きでもスプレーは活躍しています。しかし、エアブラシに比べますと広い範囲に色の粒子がかかりますので、マスキングを丁寧に行う必要もありますし、エア圧を自分で決められるエアブラシと違い、圧は缶まかせなところもありますので実はなかなか難しいのです。この項を担当された市川豊光氏も紹介されていますが、夏場以外は湯せんして(特に今年のような厳冬では50度程度のお湯を入れた容器に数分入れることは必須です)、よく振って撹拌し、さらに時間をおいて気泡を消しておかないときれいに吹き付けできません。手軽なようで実は奥が深いこと、またやり方次第ではエアブラシに劣らない仕上げができることに改めて気づかされました。
また、技法、工具等については他誌でも紹介されているものもあり、本ブログをお読みいただいている方ならご存じのものも多いかもしれませんが、体系的に一冊にまとまっているというのは、工作のために便利なものです。こうして本書は私の本棚の中でも目立つところに他の技法やカラーガイドの本と一緒に収められることになりました。
かつて「とれいん」誌の1987年3月号でも、こちらは主にHOゲージ等の真鍮キット、製品を仕上げる際の塗装法が特集されていました。あのときも編集スタッフを含めた優れたモデラーの皆様の作例写真が掲載されておりました。今回も巻頭でスケールを問わず美しい塗装作例が紹介されています。Nゲージのキットでも厚ぼったくならず、美しい塗装ができますので、自分もこういった作例に少しでも近づけるようにと、新年早々思った次第です。
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(本書と私のエアブラシ。タミヤのスプレーワークHGはこれが2代目で、かれこれ14年使っています。)
今日は工作、とりわけ塗装に関する教科書のご案内です。
とれいん2022年1月号増刊として「模型塗装大全」(山中 洋編著)が出版されました。月刊誌「とれいん」2010年10月号の特集をベースに、塗装、塗料、ウェザリングといった技法のみならず、筆からパテ、マスク(マスキングテープだけでなく、人間が被る方も含め)なども網羅された一冊です。
私の作例を観ていただければお分かりかとは思いますが、数十年モデラーをやっていても腕の方は相変わらずでございます。塗装が得意かと聞かれましたら決して得意とは思っておらず、いかに自分の技量の中で模型として美しく見せるか、ということを心がけております。ちなみに私の場合は空調が入った専用の部屋で常設された塗装ブースがあるわけではなく、ベランダやベランダに面した戸を開けてそこで換気しながらの作業ですので、真冬、真夏は決して良い環境ではありません(そういう方は私だけではないと思います)。
本書は鉄道模型誌の増刊ですので、当然鉄道模型の塗装がテーマとはなりますが、エアブラシ塗装、筆塗りなどの解説は他のジャンルのモデラーにも大いに役立つと思いますし、ストラクチャーの塗装などはジオラマ派にもおすすめかと思います。
個人的に印象に残ったのは「忙しい人のための塗装講座 缶スプレーの塗装をマスターする」という項目でした。私は吹き付けでエアブラシを使いますが、それと同じくらい缶スプレーも使います。エアブラシですと希釈、塗装後の手入れ等で薄め液を多用しますのでどうしても匂いもきつくなります。それに比べますと缶スプレーは手軽さもあり、白、黒、銀、アイボリー、グレーといった色はGMの鉄道カラーをよく使いますし、サーフェーサー吹きでもスプレーは活躍しています。しかし、エアブラシに比べますと広い範囲に色の粒子がかかりますので、マスキングを丁寧に行う必要もありますし、エア圧を自分で決められるエアブラシと違い、圧は缶まかせなところもありますので実はなかなか難しいのです。この項を担当された市川豊光氏も紹介されていますが、夏場以外は湯せんして(特に今年のような厳冬では50度程度のお湯を入れた容器に数分入れることは必須です)、よく振って撹拌し、さらに時間をおいて気泡を消しておかないときれいに吹き付けできません。手軽なようで実は奥が深いこと、またやり方次第ではエアブラシに劣らない仕上げができることに改めて気づかされました。
また、技法、工具等については他誌でも紹介されているものもあり、本ブログをお読みいただいている方ならご存じのものも多いかもしれませんが、体系的に一冊にまとまっているというのは、工作のために便利なものです。こうして本書は私の本棚の中でも目立つところに他の技法やカラーガイドの本と一緒に収められることになりました。
かつて「とれいん」誌の1987年3月号でも、こちらは主にHOゲージ等の真鍮キット、製品を仕上げる際の塗装法が特集されていました。あのときも編集スタッフを含めた優れたモデラーの皆様の作例写真が掲載されておりました。今回も巻頭でスケールを問わず美しい塗装作例が紹介されています。Nゲージのキットでも厚ぼったくならず、美しい塗装ができますので、自分もこういった作例に少しでも近づけるようにと、新年早々思った次第です。
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(本書と私のエアブラシ。タミヤのスプレーワークHGはこれが2代目で、かれこれ14年使っています。)