工作台の休日

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たまには食玩の飛行機を…藤色の二式水戦がやってきた

2023年08月10日 | 飛行機・飛行機の模型
 1/144の食玩の飛行機については、以前は物珍しさや近い縮尺のNゲージ鉄道模型との親和性もあって、随分と買っておりました。しかし、最近では食玩ではなくキットでもさまざまな機種が入手できるようになったこと、食玩の場合どうしても胴体左右の接合面ほか、いくつか目立つところに隙間ができてしまったり、塗装が甘かったりしたものもあって、少々遠ざかっておりました。よほど変わったマーキングでもない限り手を出さないようにしていたのですが、このたびF-TOYSさんから発売された「零戦ザベスト」の中に変わった塗装の二式水戦があったので、買ってみました(本シリーズはブラインドパッケージですが、私は某所で中身がわかる状態で売られていたものを買っています)。
 この二式水戦、機体全体が藤色に塗られていました。これはアリューシャン列島方面に展開していた二式水戦の中に藤色の塗装のものがあった、という言い伝えを元に再現したものです。北方特有の気象に合わせた「ロービジ塗装」だったようです。
 本当に軍用機の色としては異色のものですね。塗装済み半完成品ですので、組立たうえでデカール貼れば完成、となりますが、このブログらしく(!?)手を加えています。
 完成すれば見えなくなりますが、コクピット周りの色がかなり明るい緑色でしたのでダークグリーンで塗りなおしました。また、コクピット後方部分(キャノピーの内側)はグレーで塗っています。
 当時の写真などでは方向舵が明るい色で塗られていたようにも見え、ここは他の方の作例などに倣い、方向舵と主翼前縁は黄橙色に塗りました。また、組立てですが、メインのフロートの後方左右に取り付ける支柱が若干長いように感じられ、前方の支柱の方に明らかに隙間ができてしまいました。このため、後ろ側の支柱を少し削って取り付けました。
 デカールを貼って、完成です。
 海軍機と言いますと特に大戦中は明灰白色か灰緑色、濃緑色という感じで、応急迷彩もありますがバリエーションに富むというほどではありません。練習機や試作機の橙色、黄橙色もありますが、実戦投入機は一部のパーソナルマーキングを除けば、だいぶ大人しい感もあります。そんな中での藤色ですから、だいぶ目立ちますね。アリューシャン列島の濃霧に紛れる色として使われたとも言われていますが、どれくらいの効果があったのか、気になるところです。必要に迫られての迷彩塗装というところでは、航空自衛隊のC-130が中東に派遣された際には機体を水色にしていました。
 零戦とそのファミリーについては1/72を中心に1/48でも随分作っていますし、 1/144の零戦と言いますと、Sweetさんが各タイプをキットで用意しており、二式水戦も含まれています。ただ、この藤色ばかりは自分で調色するのも難しそうで、今回のF-TOYSさんの製品は魅力的であり、出来上がったあとは他の1/144の水上機たちと一緒に飾られました。1/144の零戦の場合、風防枠を塗り分けるのも至難の業ですから、その意味でも塗装済みのキットの存在は大きいですね。
 今年はちょうどキスカ撤退から80年ということで、私もアリューシャン列島での作戦についてはいろいろと記事を読み返していました。艦艇、航空機とも地味ではありますが役者ぞろいです。二式水戦についても1/72でまた作ってみようかな。

 


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