工作台の休日

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西武沿線で見つけた100年前の鉄道遺産

2023年08月13日 | 鉄道・鉄道模型
 明治、大正期の古いレールについては、既にこのブログで何度もご紹介しておりますが、今日は西武新宿線、野方駅の改札外でみつけたこんな遺産です。
 駅の外にブロンズ色の街灯があります。

 近寄ってみるとこんな銘板がありました。

 これは野方駅が改修された折にそれまでホーム上屋として使われていたレールを外し、街灯の柱として再整備したものでした。

 写真は駅の南口側で、レールは1914(大正3)年9月、八幡製鉄所製で60ポンドです。これは1ヤードあたり60ポンド、ということで1mあたり30kgのレールということになり、多くの路線で使われたレールです(主要幹線になりますと、75ポンドなどがありますし、大正後期~昭和に入ると電化路線とともに100ポンドも登場します)アルファベットのSを〇で囲ったような特徴的なマークで有名です。八幡製鉄製のレールは昭和に入ってから作られたものを多く見かけますが、大正初期のものは関東ではあまり見たことがないように思います。解説によると裏面に「工」マークがついていますので、発注者は鉄道院(国有鉄道)のようです。
 北口にも同じような街灯があり、こちらはこのレールでした。

 以前「新井薬師前駅で使われている」と書きましたが、ベルギーのサンブルモゼル社、1925(大正14)年製とあります。こちらも60ポンドです。西武新宿線はここのレールが多いですね。

 銘板の国旗の部分が残念ながら失われています。
 街灯の柱としてこういった遺産を再利用するというのも悪くないですね。どういった経緯で西武鉄道にやってきたのかは調べがついていませんし、こういったレールの中には日本国内での使用を想定していないものも含まれています。西武鉄道ではいくつかの駅でこういった形での保存がされていますので、また機会がありましたらご紹介しましょう。


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