11月3日は文化の日ですが、毎年入間基地航空祭が開催されています。令和2年以降コロナ禍などで開催されない年が続き、一昨年は抽選で選ばれた方のみの入場でした。今年は久々に「誰でも入場できる」ようになりまして、私も勇躍出かけてまいりました。
特に今年はC-1輸送機のラストイヤーにブルーインパルスも来る、もちろん5年ぶりの航空祭ということもありまして、混雑が予想されましたので朝早く基地に出向き、8時には稲荷山公園の改札を出ていました。
C-1輸送機は1970年に初飛行した川崎重工製のジェット輸送機です。日本の国情に、と言いますか専守防衛と言う政治的な足かせもありましたのでサイズも小さめですし、航続距離も他のジェット輸送機に比べると短くなっていました。それでもアメリカのおさがりのC-46や旅客機由来のYS-11しかなかった輸送任務が向上したことは言うまでもありません。大型輸送機の部隊は小牧、入間、美保の各基地にありますので、入間に行くと編隊飛行が見られたものです。このところは国産のC-2が後継として配備され、退役が進み、今年度内の全機退役が噂されています。
前置きはともかく、C-1の写真から
午後にラストフライトを行ったC-1 031号機
主翼後方、動翼が下にべろんと垂れ下がった地上での姿もC-1の特徴です。
後方の大きなカーゴドアで物資を運び入れることができました。第一空挺団の落下傘降下も入間航空祭の特色でした。今回は風が強くできませんでしたが。
今回はなんと、岐阜基地にいる1号機もやってきました。C-1は緑、茶、黄土色という日本らしい迷彩色ですが、こちらは登場時の銀色塗装のままです。岐阜基地の飛行開発実験団で各種試験に供される機体です。
飛行開発実験団のマークが見えます。ここのC-1が関東地区の航空祭に訪れることは稀ですので、私も岐阜基地にだいぶ前に行って以来かも。
こちら二枚は帰投前に撮りました。
こうしてみると銀のC-1も機体のラインなどが分かりやすく、魅力的です。
001号機の隣には002号機が。尾翼には第402飛行隊(入間基地)のマークがあります。「C-1 FOREVER」の隣には402飛行隊の旧マークが。数字の2を模しています。私が入間基地を最初に訪れた80年代初頭はこのマークでした。こんなところにもクルーたちのC-1愛が感じられます。
そして今回は何と、電子戦要員の育成用のEC-1も展示されました。最初は遠いところに駐機していましたが、フライトの後、1号機、2号機と並んで展示されました。胴体前後をはじめ、大きなアンテナフェアリングが外形上の特徴です。用途が用途のため、なかなか目に触れることはなく、航空祭などでも遠くの方に駐機しているのが見えるくらいで、こうして公開、さらにはフライトと言うのはとたも珍しいことです。
帰りがけに人が減ってきたところで撮影。昼間は常に黒山の人だかりでした。
尾翼のマークも違いますね。
午前中にEC-1がフライトを行いました。逆光気味ですが独特のシルエットがおわかりいただけますでしょうか。
フライトを終えてタキシングする姿を撮ることもできました。カモノハシのようなスタイルですね。
ノーマルの方のC-1についても、午前、午後とフライトがありました。
C-1というと大型機とは思えないタイトな機動が特徴でした。ちなみにエンジンはボーイング727、737、ダグラスDC-9、シュド・カラベル、ダッソー・メルキュールなど短距離・中距離旅客機でおなじみ、JT-8Dを搭載しています。31機が生産されたC-1ですが、最後の機体が納入されてから40年以上経過しています。
フライトを終えた031号機、消防車の放水で迎えられました。
コクピットにI♡C1とあります。
入間基地を初めて訪れたときからずっといた機体でしたので、退役は寂しいわけですが、これも時の流れというものです。私も変わらないのは髪色くらいで、染めてもいないと言ったら昨年暮れに高校のクラス会で(ちいさな子供がいるという以上に)驚かれましたが、それでも年齢だけは毎年一つずつ重ねているわけで。
入間航空祭の話、C-1だけではありませんので続きます。