前回は私の思い出とともに、T-2ブルーインパルスの話をしました。さて、前回ご紹介した航空ファン2021年8月号には、齋藤章二氏がデザインされた現行のT-4ブルーインパルスのデザインについて、どのようにあのデザインに行きついたかという話をご自身が書かれています。
T-4ブルーインパルスのデザインについては、T-2の時と同様に公募が行われました。そもそもある事情(詳しくは航空ファン誌を読んでいただければ分かりますが、齋藤章二氏と父君で乗り物、とりわけ飛行機ファンだった著名な精神科医・齋藤茂太氏との関係があります)からこの公募には齋藤章二氏は関わるつもりがなかったところ、自身が応募できる状況になり、急遽考え出したうちの案の一つが選ばれ、今私たちが目にしているデザインだったとは知りませんでした。
誌面では塗装案として考えた三種の図案も掲載されており、どのようにあのデザインが出来上がっていったのかを知ることができました。こういった案の変遷はご本人のメモやデッサンとして描かれるだけで外に出てこないことも多いですから、とても貴重なものですね。急いで考えたとありますが、押さえるところはきちんと押さえられている感があり、飛行機とその模型を趣味の対象にされている方ならではだなと思いました。
実はこの時の公募ですが、私も手を挙げた一人でした。全国から2,135作品が集まったとのことですが、その一人だったわけです。私も白を基調とした塗装とし、T-4が小さな機体でありますので、F-86F時代のイメージに近いものをと思い、鮮やかなブルーを配し、できるだけ直線的な塗り分けにした覚えがあります。直線的にした、というのは模型にしたときに塗り分けがしやすい、というモデラー目線での考えでもあるのですが・・・。
白と青だけではパンチに欠けると思ったのか、アクセントに赤を配したり、主翼は横方向に太く青い帯を入れたりしました。三次元にしたときに破綻がないようにと、ハセガワ1/72のキットに実際に塗装案を塗ってみたりと、無い知恵を絞りながら頑張ったのですが、残念ながら最終候補の10点にも選ばれることもありませんでした。自分で塗装を考えながら、同じく小型の練習機を使用しているフランス空軍の「パトルイユ・ド・フランス」や、イギリス空軍の「レッドアローズ」といったアクロチームに塗り分けやラインの入れ方などが似てしまい、なかなか難しいと思ったものです。そんな中で見事に塗装案が選ばれたのが齋藤章二氏だったと聞いたときに、それまでの飛行機、ブルーインパルスへの思いも存じ上げておりましたので「決まるべき人の案に決まった」と納得したものです。
私の塗装案、今ならコンビニでカラーコピーでもとって保管しますが、約30年前ではカラーコピーなど取れる場所がなく、手元にはありません。アクロチームの塗装については、米空軍のサンダーバーズ、海軍のブルーエンジェルスのように基本的な塗り分け、デザインについては使用機種が変わっても変えない国もあります。また、イギリス、イタリアなどのように使用機種が変わって塗装デザインは変わりますが、基本的な機体の色の組み合わせは変えない、というところもあります。T-4ブルーインパルスの後継が登場するのはいつになるか分かりませんが、使用機種が変わるたびにデザインも色使いも変わるのではなく、現状を活かした色使いまたはデザインとなることを期待したいと思います。

シンプルなデザインは遠くから見たときに見やすいというメリットもあります。

主翼は私のデザイン案のように横方向に帯を入れるのではなく、三角形のアローを入れたシンプルな姿ですが、これが白い翼と主翼の日の丸を強調している、と齋藤氏は述べています。

機体の上下面で明瞭な違いが出るようにデザインされています。F-86F時代は胴体、主翼下面はオレンジ色でしたね。飛行機は下から見上げることも多いので、それを意識したデザインになっています。
T-4ブルーインパルスのデザインについては、T-2の時と同様に公募が行われました。そもそもある事情(詳しくは航空ファン誌を読んでいただければ分かりますが、齋藤章二氏と父君で乗り物、とりわけ飛行機ファンだった著名な精神科医・齋藤茂太氏との関係があります)からこの公募には齋藤章二氏は関わるつもりがなかったところ、自身が応募できる状況になり、急遽考え出したうちの案の一つが選ばれ、今私たちが目にしているデザインだったとは知りませんでした。
誌面では塗装案として考えた三種の図案も掲載されており、どのようにあのデザインが出来上がっていったのかを知ることができました。こういった案の変遷はご本人のメモやデッサンとして描かれるだけで外に出てこないことも多いですから、とても貴重なものですね。急いで考えたとありますが、押さえるところはきちんと押さえられている感があり、飛行機とその模型を趣味の対象にされている方ならではだなと思いました。
実はこの時の公募ですが、私も手を挙げた一人でした。全国から2,135作品が集まったとのことですが、その一人だったわけです。私も白を基調とした塗装とし、T-4が小さな機体でありますので、F-86F時代のイメージに近いものをと思い、鮮やかなブルーを配し、できるだけ直線的な塗り分けにした覚えがあります。直線的にした、というのは模型にしたときに塗り分けがしやすい、というモデラー目線での考えでもあるのですが・・・。
白と青だけではパンチに欠けると思ったのか、アクセントに赤を配したり、主翼は横方向に太く青い帯を入れたりしました。三次元にしたときに破綻がないようにと、ハセガワ1/72のキットに実際に塗装案を塗ってみたりと、無い知恵を絞りながら頑張ったのですが、残念ながら最終候補の10点にも選ばれることもありませんでした。自分で塗装を考えながら、同じく小型の練習機を使用しているフランス空軍の「パトルイユ・ド・フランス」や、イギリス空軍の「レッドアローズ」といったアクロチームに塗り分けやラインの入れ方などが似てしまい、なかなか難しいと思ったものです。そんな中で見事に塗装案が選ばれたのが齋藤章二氏だったと聞いたときに、それまでの飛行機、ブルーインパルスへの思いも存じ上げておりましたので「決まるべき人の案に決まった」と納得したものです。
私の塗装案、今ならコンビニでカラーコピーでもとって保管しますが、約30年前ではカラーコピーなど取れる場所がなく、手元にはありません。アクロチームの塗装については、米空軍のサンダーバーズ、海軍のブルーエンジェルスのように基本的な塗り分け、デザインについては使用機種が変わっても変えない国もあります。また、イギリス、イタリアなどのように使用機種が変わって塗装デザインは変わりますが、基本的な機体の色の組み合わせは変えない、というところもあります。T-4ブルーインパルスの後継が登場するのはいつになるか分かりませんが、使用機種が変わるたびにデザインも色使いも変わるのではなく、現状を活かした色使いまたはデザインとなることを期待したいと思います。

シンプルなデザインは遠くから見たときに見やすいというメリットもあります。

主翼は私のデザイン案のように横方向に帯を入れるのではなく、三角形のアローを入れたシンプルな姿ですが、これが白い翼と主翼の日の丸を強調している、と齋藤氏は述べています。

機体の上下面で明瞭な違いが出るようにデザインされています。F-86F時代は胴体、主翼下面はオレンジ色でしたね。飛行機は下から見上げることも多いので、それを意識したデザインになっています。