先日Netflix でペルー映画『失恋からの立ち直り方:Soltera codiciada』 を見ていたら、「Eres un dolor de ovario」というセリフが聞こえてきた。dolor de ovario はコスタリカに住んでいた時に、ステイ先のセニョーラがよく使っていた比喩表現である。
コスタリカのセニョーラは、何かとても困ったことが起きたり、ひどい目にあったときなど、顔をしかめて
¡Es un dolor de ovario!
と叫んでいた。激っていた、というか。
"dolor de ovario" は文字通りの意味では「卵巣の痛み」であり、ネットで検索しても卵巣や子宮の図とか、排卵時についての説明とか、生理痛についてなど、文字通りの痛みの記事や画像がでてくるのみで、これを比喩表現として説明したものには出会わなかった。
コスタリカ滞在の数年後、メキシコに滞在したのだが、メキシコでは聞いたことがなかった。試しに使ってみたけど「は?」という反応だった(たぶん通じてない…)。
それがペルー映画に出て来るとは驚いた。これは失恋した女性が、元恋人の亡霊(生きてるけど)に向かって投げつけるように吐いたセリフである。
¡Eres un dolor de ovario!
英語字幕→You're a pain in the ovaries.
日本語字幕→卵巣が痛くなったらあなたのせい。
日本語では「あんたと話すと頭痛いわ」って感じだと思うんだけどな~。「あんたって最低!」「ひどすぎる!」とかの意訳でも良いと思う。日本ではこういうときの痛みは「頭」だし、英語では「neck」。そして英語にはどうやら「pain in the neck」という表現があるらしい。ovario を直訳しても意味が通じないのではないかな~?
この ”dolor de ovario" は意味が通じる地域と、通じない地域があるということか。少なくとも、コスタリカのセニョーラの口癖ってだけじゃないことはわかったのだが、謎のままである。