スペイン語で遊ぼう!みんなの広場_since2004

スペイン好き、ラテンアメリカ好き、スペイン語好き、スペイン語をやってみようかなぁと思っているヒト、寄っといで!

ボクのバラ

2005-10-23 | EL PRINCIPITO
キツネは王子さまに、もういちど薔薇の園に行くことを勧めました。こんどはきっと、王子さまの花がたったひとつの花だということがわかるだろうと。。。

>バラを見に行ってから、さよならを言いにまたおいでよ。そのとき、君にとっておきのプレゼントがあるんだ。

と、キツネは言いました。

王子さまは、5000本もあるバラを再び前にしました。そして、ここにある美しいバラは、王子さまの星にある美しい花と、見かけは同じでも違うのだということがよくわかりました。

>ボクが、ボクの花を大切に思うのは、ボクが毎朝水をあげ、毎晩ガラスのフードをかけて守ってあげたからなんだ。だってボクのバラなんだもの。君たちとは違うよ。君たちもたしかに美しいけれど、ボクにとっては何でもないんだ。キツネもはじめはなんでもないキツネだったけれど、ボクと仲良しになったんだよ。特別なんだ。

王子さまはそう納得してから、キツネのところに戻りました。

>さようなら。

>さようなら。そうだ、君へのプレゼントはね、「心でものを見る」という言葉だよ。大切なものは目に見えないんだ。

つづく。

今日の表現:
「だってボクのバラなんだもの。」
Porque es mi rosa.

親しくなる方法

2005-10-15 | EL PRINCIPITO
王子さまは、あまり時間がなかったけれど、どうしたら親しくなれるかを聞きました。それには「忍耐」が必要なのだとキツネは言い、親しくなる方法を教えてくれました。

>はじめは、君はボクから離れた草の上にすわるんだ。ボクは君を横目でこっそり見る。何もしゃべってはいけないよ。ことばってのは誤解のみなもとだからね。だけど一日ごとに君は、ちょっとずつボクの近くにすわるようになるんだ。

王子さまは毎日、決まった時間にリンゴの木のところに行き、辛抱強くキツネに近づきました。キツネはその時間が近づくとわくわくするようになりました。ヒトの足音はどれも同じだったのに、王子さまの足音だけは特別な、音楽のように聞こえるのでした。そんなふうにして、王子さまとキツネは親しくなり、とっても仲良しになりました。

でも、別れのときが近づいてきました。

>泣きたいよ。

さびしそうに言うキツネに、王子さまは答えました。

>君のせいだよ。ボクは君を悲しませるつもりはなかったんだ。親しくなろうって言い出したのは、君のほうだったじゃないか。

>そうだよ。

>でも、泣くんだろう?

>もちろん。

>それじゃ、何もいいことはなかったじゃないか。

>そんなことはないさ。麦畑を見るたびに、君のことを思い出せるよ…。

つづく。

今日の表現:
「君のせいだよ。」
Es tu culpa.

キツネと王子さま

2005-10-11 | EL PRINCIPITO
>それに、ボクは君にとって、ただのキツネさ。でもね、君とボクが親しくなると、お互いに必要になるんだよ。特別な存在になっていくんだ。そして「情」ってやつが、わいたり、移ったりするんだよ。

王子さまは、星に置いてきた花のことを考えました。

>花が一輪あってね、きっと、ジョウが移ったんだと思う。

>それは有りえるね。地球では、何が起きてもおかしくない。

でも、地球の話ではありません。狩をするヒトも、鶏も居ない、王子さまの星の話でした。キツネは興味を持ちましたが、鶏がいなくちゃしょうがない、と思いました。

>ボクの毎日は単調なんだよ。ボクは鶏をつかまえる。ヒトはボクを追いかける。鶏はどれもこれも同じだし、ヒトはヒトでみーんな同じなんだ。だからボクは、ときどき退屈になってしまう。でもね、もし君とボクが親しくなったら、ボクは人生が楽しくなると思うんだ。

ひと呼吸おいて、キツネは続けました。

>ねえ、麦畑を見てごらん。君の髪は麦畑みたいな金色をしているね。ボクはパンを食べないから、麦畑なんてどうでもいい。でも、あの麦畑を見るたびに、君のことを思い出すなんて、素適なことだと思わない? お願いだから、ボクと親しくなってよ。

つづく。

今日の表現:
「ボクの生活は単調なんだ。」
Mi vida es monótona.

キツネとの出会い

2005-10-09 | EL PRINCIPITO
王子さまが草むらで泣いていると、「こんにちは」と声がしました。でもだれの姿も見えません。

>ここだよ、リンゴの木の下。

リンゴの木の下には、耳の長い、美しいキツネがいました。王子さまは、キツネに話しかけました。

>ここに来て、ボクと遊んでよ。さびしいんだ。

>それはできないな。「情」がないからね。

>「ジョウ」ってなあに?

キツネは答えてくれません。反対に、王子さまにこう質問しました。

>君はここの子じゃないね。何をさがしに来たの?

>ヒトをさがしているんだ。

>ああ、ヒトってのは、銃を持っていて、鶏を飼っているね。それしか興味がないんだろう。ひょっとして、君も鶏をさがしているのかい?

>まさか。ボクは「友だち」をさがしているんだ。それで「ジョウ」っていうのはなあに?

>それは、古いことばなんだよ。親しくなるときの気持ちかな。

>シタシクナル?

>そう。たとえば、君はいまのボクには、ただのひとりの子どもにすぎない。そのへんのほかの子どもとおんなじさ。……

キツネは語り始めました。

つづく。

今日の表現:
「ここだよ、リンゴの木の下。」
Estoy aquí, bajo el manzano.

薔薇の園

2005-10-08 | EL PRINCIPITO
王子さまが住んでいたのは、歩いてひとまわりできるほど小さくて、平和な星でした。花と出会う前は、問題といえばところかまわず根を張るバオバブの木くらいのもので、それは小さいうちに引き抜けばすむことでした。王子さまの旅立ちは、花から逃げることを意味していました。

自分の星より小さな星を回り、王子さまが見たのは、変なおとなばかりでした。6番目にようやく、大きな地球にたどりついたとき、だれもいない星のように思えました。岩や砂の中を歩いて歩いて、王子さまが見つけたのは、薔薇の園でした。

>こんにちは。
王子さまは、おどろきながら花たちにあいさつしました。みんな、王子さまが星に残してきた気位の高い花に似ていたのです。

>君たちはダレなの? 
>バラよ。

王子さまの花は、自分は珍しい品種の植物で、世界にたったひとつなのだと、王子さまに言っていました。なのにここには、その花そっくりの「バラ」が5000本もいっぺんに咲いているのです。

王子さまは、泣きたい気持ちになりました。

つづく。

今日の表現:
「みんな、彼の花にそっくりでした。」
Todas se parcían a su flor.