「テレビ」業界人はインターネットを制することはできるのか

「ひょうたんからゴマ」なのか、楽天買収攻勢からのTBS救済策という噂もあった「電通」＆テレビ局連合との動画配信サイトの話が進んでいるようだ。新会社の社名は「プレゼントキャスト」で、在京キー局6局に電通、博報堂、アサツーディーケイ、東急エージェンシーなどが参画し、言ってみれば既存テレビを中心とした既得権益集団の大連合といったところか。

　動画配信の新会社「プレゼントキャスト」--民放TVと広告代理店の大連合 - CNET Japan

正直、もし各社が本気で取り組むのであれば、コンテンツとしては面白いものができるだろうし、放送波とのメディアミックスによる高集客力の実現、アドメニューの共同化による収益源の確保など、GyaOやその他動画配信サービスの弱点を埋めつつ新しいビジネスモデルを構築できるかもしれない。RSSなどといった技術が普及したとはいえ、どのような情報を配信しているのかをユーザーに伝えるというのは非常に難しい。テレビという圧倒的な情報伝達力を利用できるというのは、これまでの動画配信サイトでは考えられないくらい大きなアドバンテージを持つことになる。

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とはいえそう簡単にいくものではない。第二日テレがそうであったように、テレビ局の人間というのは「インターネット」の世界での表現方法、やり方、特性といったものを「全く」といっていいほど理解していない。コンテンツが言いからといって、利用しづらければ使われないのが「インターネット」の世界なのだ。

またあらかじめメディアミックスを前提とした番組作りであれば面白いものもできるだろうが、製作サイドにその意識がなければ、ただの再放送メディアでしかない。となるとPCを前提とした視聴に耐えられるような番組にならない可能性もあるし、またDVD販売などの収益源とのバッティングという問題も出てくるだろう。

動画コンテンツの検索ポータル事業などといった言葉もでているが、これについてもどれだけのものができるのか。そもそも現在、gooやYahoo！といった検索サイトが提供している「動画検索」も全く不十分なものだ。動画自体のメタデータがないこと、映像というものをどのように検索対象の情報として分類、マッチングさせるかという課題に対しての適切な解がないことなど、「検索」として考えるとまだまだ未成熟な分野だ。そうしたことに対する意識を果たして持っているのだろうか。

まだ具体的な姿が見えないことから、何ともいえないが、そのコンテンツの面白さを十分活かしたサイトが構築されるには、まずその意識改革が必要となるのだろう。


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