ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

過コンプライアンス時代の営業

2010年02月09日 | ビジネス
法令遵守、コンプライアンス、日本版SOX法、内部統制、コーポレートガバナンスなどなど、言い方ややり方に違いはあるかもしれないが、こんなことがしたかったのという話。先日、あるお客さんからTV会議システムの注文を受けた時のこと、

お客さん 「直ぐに導入したいんで、発注しますよ。納期はいつになる?」

僕 「ちょっと品薄になってるみたいなんで、確認します。」

メーカーの担当者に連絡をして、

僕 「あの製品の納期を教えて欲しいんだけど」

担当者 「注文を受けた順に提供しているんで、注文書をもらわないと分からないんです」

僕 「もう発注するから納期教えて欲しいんだよね」

担当者 「発注受けないと分からないんですよ」

僕 「こっちも納期がわからないと、お客さんと契約できないし。おたくに注文出せないよ」

担当者 「でも注文書ないと納期分からないんですよ」

僕 「こっちも納期わからないと契約できないんだって!」

担当者 「とりあえず注文書だけいただけないですか。そしたら納期もわかるんで」

僕 「余裕もって契約するから、大体の納期だけでもわかんないかなー」、

担当者 「まずは注文書を…」

僕 「・・・・・・」


昔は、こうした互いの要望の「ズレ」や「隙間」を上手く吸収できる人、多少のリスクをかぶってでも物事が進むように調整できる人を「できる営業マン」と呼んだものだけど、最近のコンプライアンス重視の風潮の中ではこうした営業は絶滅危惧種だ。

とりあえず「ダミー」の注文で製品を押さえにかかる、納期が遅めの注文品とやりくりをしてこちらの納期に間に合わせる、注文をうけた時点では対応していなくても、納期までに機能アップをはかってお客さんの要望に間に合わせる…などなど。今の風潮ではいずれも「リスク」や「コンプライアンス違反」と判断されるようなことばかりだ。

でもこうした「対応」や、そこまで頑張ってくれるんだという「心意気」が、その営業マンに仕事を任せようかと思わせるのだ。

先の担当者の対応は正しかったのか。おそらく社内の手続き的にはそれが正しい対応だったのだろう。

さて、先ほどの案件の結末はどうなったのかというと、結局、機能は劣るけれど他のメーカーの製品を採用することにした。もちろん「納期」の問題が全てというわけではないのだけれど(かなりのウェイトを占めていたけど)、お客さんにとっても便利な「付加機能」よりも「早く導入したい」という想いがあったわけで、そこを「何とかしてくれた」製品を採用することになった。これで●千万円かが彼の手から逃げていったわけだ。

さて、先の担当者の対応は「本当に」正しかったのか。

まぁ、こんな例はいっぱいあるんだろうけど、世知辛い世の中です。



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