ビールを飲みながら考えてみた…

日常の中でふっと感じたことを、テーマもなく、つれづれなるままに断片を切り取っていく作業です。

あるプロダクトの終わり

2008年12月21日 | 新サービス奮闘記!
ここ3年越しにあるPJを進めてきたのだけれど、先日、そのPJから外れることになった。

仕事である以上、担当が替わるとか担務変更というものは当然としても、今回の変更はほとんど「まともな」理由があるわけではない。注目されていなかったPJが、急に注目を集めたことで自分の思ったように進めたい課長が、思うように使えない古株を外したという形だ。

そもそもこのPJは当初から期待されていものではない。最初の部長はその意義やトライアルの結果についてもまったく興味なかったし、今の部長も「そんなもの必要ないだろう」という感じだった、1年前までは。

そんな中で、コンセプトを固め、潰されないような「理由付け」を行い、予算を確保し、期待してくれるパートナーとの関係を構築し、上司の思惑とは別に着々と進めてきたのだけれど、ようやくというか、ここにきてこのPJの目指しているものがグループや持ち株会社から注目を浴びることになる。。

もちろんそんなことはこちらとしては最初から織り込み済み。現在の自担当の課題だけでなく、グループとして目指すべきところ、そのために抱えている課題を解決するために必要な機能を盛り込んだプロダクトを目指し、あるいは協業できるようなスキームを前提としてサービスを開発してきたのだから。

ただし残念なことに、このPJで開発しているプロダクトのコンセプを正しく理解できていた者は多くはない。それはこのPJにかかわっているメンバーでさえも同じで、その可能性やビジネスモデル、何故、こうした機能を実装しようとしているのかを完全には理解してはいず、ただ僕がこうしようとしているからきっと何か考えがあるのだろう、くらいの感じだろう。たとえ同じPJであっても、問題意識の持ち方や挑戦者としての心の在りようというのは簡単に共有できるものではないのだ。

その意味でも、このプロダクトは僕の『思想』なり『想い』なり『魂』なりが表現されたものといえただろう。

誰からも注目されていなかった頃はPJそのものがそのまま放置されていたからこれでもよかったのだが、グループの期待がかかり始めるとそうはいかない。それまでほったらかしだった部長や課長が関心を持ち出し、急に口を挟もうとしだす。

しかしだ、他社の成功事例があるわけではない新しいプロダクトに対して、表面的な理解でいろいろ口を挟まれてもたまらない。

「あんな風にはできないの?」
「技術的にはできますが、(コンセプトが混乱するので)今回は実装していません」
「もっとこうしたらいいんじゃない」
「そうするとこちら側で違う問題が発生するので(あえて)外しています」
「この機能って本当にいるの?」
「その機能によって、こういう(新しい)使い方ができるので、キラーサービスになる可能性があるものです」
「・・・・」

結局、他者に言われたから関心を持った人が新しいコンセプトやプロダクトの本質的な魅力を理解できるはずなく、かといって注目され始めた案件で自分の知らないまま事が進むのは面白いはずもなく、結果的に僕が担当から外れ、課長を中心にPJを進めていくことに…

それから1ヵ月あまり。新メンバーを中心に進められてきたPJの進捗の報告会に参加したのだけれど、そこで報告されたのは全く中途半端な位置づけに様変わりしたプロダクトの姿。ただでさえグループ会社とぎりぎりの調整の中でコンセプトを作り上げてきたのに、そうしたことを忘れて、中途半端に上司たちの声を反映させたから何をしたいのかが全くわからない。

グループからの協業スキームも成り立ちそうになくなったし、ユーザーへの訴求ポイントも不明。3年間なんとか進めてきたけれど、どうやらこのまま尻すぼみになりそうな…無念!


2 コメント

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よく聞く話ではありますが (pullout)
2008-12-22 19:27:17
理不尽過ぎますね。どんなサービスなのか全くわかりませんが、一つの豊かなユーザー体験を得ることができなくなったのだと思うと残念です。
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Unknown (beer)
2008-12-24 08:53:11
笑えるのが、1年前に「このプロダクトを開発することでネットサービスの利用者を伸ばします」と上司に報告した際に、「サービスの利用者が増えたら(PCの利用時間も増えて)環境に悪いだろう」というイチャモンつけられたのに、今ではその上司が「このプロダクトで利用者を囲い込むんだ!」とか言ったりしてますからね。やれやれです。
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