おそらく「フェムトセル」のことだと思うのだが、総務省が来夏メドに携帯の基地局、設置自由化するとのこと。
携帯の基地局、設置自由化・総務省、来夏メドモバイル-最新ニュースIT-PLUS
以前、PHSでは屋内のカバー率を高めるために、小型の中継器というかブースターというか、外からの電波を屋内に中継するアンテナを貸し出していた。イメージとしてはこれに近いものなのだろうが、話はそれほど単純ではない。
PHSの小型アンテナの場合は、1)ユーザへはあくまで「貸し出し」であり設備の責任は通信事業者にあり、2)あくまで無線通信(電波)の再送信である。極論すれば、あるユーザー宅に置かれた小型アンテナによって増幅された電波を使って隣の人が電話をかけたとしても何ら問題はない。
これに対して今回想定されているフェムトセルはどうか。この記事を読む限り、アンテナをユーザーが購入するものであり(資産はユーザー)、また光回線などブロードバンドを通じて中継するとのこと。
ここには大きな方向転換と問題がある。
1つは、これまで電波というのは有限な資産として特定の用途と事業者に対して許認可として割り当ててきた。そのため無線LANといえど電子レンジなどと同じ家庭で使用できる周波数帯に限定されている。それが今回、(Wi-Fi電話でない限り)事業者にしか割り振られていない電波を個人の装置で利用・増幅を認めることになる。確にエリアカバーという観点ではいいアイデアだけれど、責任区分はどうなるのか。
また自分の携帯だけなら自分で購入した設備とブロードバンド回線を使ってもいいだろうが、隣の人がその設備と回線を使って電話しているとしたらどうだろう。自分は費用を負担しているのに隣が無料で利用しているとしたら…
もう1つは、この「フェムトセル」ではアプリケーションとしての「携帯電話」を提供する事業者と、アクセス回線の事業者が異なる可能性があるということ。PHSの小型アンテナの場合、電波をただ増幅しているだけであったが、今回のシステムでは「電波」を固定系のIP通信に切り替える必要がある。仮にこのアクセス回線を安価なBフレッツを想定した場合、アプリケーションとしての「携帯電話」の通信(従量制課金)を、他事業者の通信回線費用(定額制)に転嫁することとなる。つまりは「インフラただ乗り論」だ。
こうしたこと「ただ乗り論」を回避しようとした場合、電波・アクセス回線の両部門を1社で提供するか(ソフトバンクやKDDIは可能)、あるいはBフレッツのような安価な回線ではなく専用線を敷設するか(個人単位での契約はほぼ不可)、事業者間での接続ルールを明確にするといった対応が必要になるだろう。
以前にも書いたとおり、個人的にはこういった取り組みは固定系ブロードバンド回線(フレッツ回線)の延長として捉えた方がいいのではないかと思っているし、「フェムトセル」「WiMAX」「Wi-Fi」(あるいは「Skype」や「fon」といったP2P電話)といった一連の動きを考えると、そもそも無線系と固定系で通信事業者を分ける意味がなくなってきている。
傍流3社はどのように「モバイル」を攻めるか
ソフトバンクのように、通信市場自体は縮小しても自社だけが利益を出せればいいという考えであればともかく、市場全体を鑑みたとき、今回の動きが、業界全体のスキームの見直しやNGNへの動きに繋がるようであれば、意味があるのだろう。
携帯の基地局、設置自由化・総務省、来夏メドモバイル-最新ニュースIT-PLUS
以前、PHSでは屋内のカバー率を高めるために、小型の中継器というかブースターというか、外からの電波を屋内に中継するアンテナを貸し出していた。イメージとしてはこれに近いものなのだろうが、話はそれほど単純ではない。
PHSの小型アンテナの場合は、1)ユーザへはあくまで「貸し出し」であり設備の責任は通信事業者にあり、2)あくまで無線通信(電波)の再送信である。極論すれば、あるユーザー宅に置かれた小型アンテナによって増幅された電波を使って隣の人が電話をかけたとしても何ら問題はない。
これに対して今回想定されているフェムトセルはどうか。この記事を読む限り、アンテナをユーザーが購入するものであり(資産はユーザー)、また光回線などブロードバンドを通じて中継するとのこと。
ここには大きな方向転換と問題がある。
1つは、これまで電波というのは有限な資産として特定の用途と事業者に対して許認可として割り当ててきた。そのため無線LANといえど電子レンジなどと同じ家庭で使用できる周波数帯に限定されている。それが今回、(Wi-Fi電話でない限り)事業者にしか割り振られていない電波を個人の装置で利用・増幅を認めることになる。確にエリアカバーという観点ではいいアイデアだけれど、責任区分はどうなるのか。
また自分の携帯だけなら自分で購入した設備とブロードバンド回線を使ってもいいだろうが、隣の人がその設備と回線を使って電話しているとしたらどうだろう。自分は費用を負担しているのに隣が無料で利用しているとしたら…
もう1つは、この「フェムトセル」ではアプリケーションとしての「携帯電話」を提供する事業者と、アクセス回線の事業者が異なる可能性があるということ。PHSの小型アンテナの場合、電波をただ増幅しているだけであったが、今回のシステムでは「電波」を固定系のIP通信に切り替える必要がある。仮にこのアクセス回線を安価なBフレッツを想定した場合、アプリケーションとしての「携帯電話」の通信(従量制課金)を、他事業者の通信回線費用(定額制)に転嫁することとなる。つまりは「インフラただ乗り論」だ。
こうしたこと「ただ乗り論」を回避しようとした場合、電波・アクセス回線の両部門を1社で提供するか(ソフトバンクやKDDIは可能)、あるいはBフレッツのような安価な回線ではなく専用線を敷設するか(個人単位での契約はほぼ不可)、事業者間での接続ルールを明確にするといった対応が必要になるだろう。
以前にも書いたとおり、個人的にはこういった取り組みは固定系ブロードバンド回線(フレッツ回線)の延長として捉えた方がいいのではないかと思っているし、「フェムトセル」「WiMAX」「Wi-Fi」(あるいは「Skype」や「fon」といったP2P電話)といった一連の動きを考えると、そもそも無線系と固定系で通信事業者を分ける意味がなくなってきている。
傍流3社はどのように「モバイル」を攻めるか
ソフトバンクのように、通信市場自体は縮小しても自社だけが利益を出せればいいという考えであればともかく、市場全体を鑑みたとき、今回の動きが、業界全体のスキームの見直しやNGNへの動きに繋がるようであれば、意味があるのだろう。
NTTパーソナルの「ホームアンテナ」はユーザー資産の中継器でしたね。あと、「ホームステーション」はユーザーの固定回線に接続して使うものでした。
ただし、登録していない端末では使えないので、ただ乗りは不可能でした。
確か、DoCoMoからレンタルされた気が。ついでに返却した覚えもあります。
いくつかパターンがあったんですかね?
と、ホームステーションで固定系で利用するときは、固定系の回線が必要だった気がします。あれはあれで便利だと思うんですが…DoCoMoにつぶされましたね。