昨日、清水寺へ初詣に行ってきました。その後、清水坂をぶらぶらし、いつもなら二年坂をぬけ高台寺方面へ行くのですが、今回は八坂の塔方面へ行きました。ここは3月には東山花灯路が行われ、周辺が美しくライトアップされます。【前ブログ】
八坂の塔は、霊応山法観寺(れいおうざんほうかんじ)といい、臨済宗建仁寺派に属します。寺伝によれば、聖徳太子が如意輪観音の夢のお告げにより建立し、往時は延喜式7ヶ寺の一つに数えられ隆盛を極めましたが、現在は八坂の塔、太子堂、薬師堂を残すのみとなっています。
高さは46メートル、白鳳時代の建築様式を今に伝えるもので、創建以来たびたび焼失しましたが、現在の建物は永享12年(1440)に足利義教によって再興されたものです。
周辺に民家が立ち並んでいるので、塔の大きさをあまり感じませんが、東寺の五重塔よりは少し低いだけで、立派な高さです。京都といえば必ず映る風景のひとつです。ここは不定期公開で、この日は拝観できませんでした。
すぐそばにある「八坂庚申堂(やさかこうしんどう)」へ寄りました。大阪市天王寺庚申堂、東京入谷庚申堂(現存せず)と並び、日本三庚申のひとつです。ご本尊の青面金剛は、飛鳥時代に秦氏の守り本尊として招来したのを一般の人にもお参りできるように、960年に八坂の地に建立したのが始まりです。現在のお堂は延宝6年(1679)の再建です。
昨日は新春の大護摩祈祷会でした。この祈祷会は開祖の淨蔵貴所が庚申尊のお告げによって始められた秘法です。こんにゃくの上に人形(ひとがた)を貼り付けて行います。日が経ってこんにゃくから水分が抜けて縮んでいくように病や苦しみが消え去っていくというお加持です。
祈祷会、庚申などの行事日にはこんにゃく炊きの接待(ご志納)があります。こんにゃくは、くくり猿の形をしています。また、庚申の日には、睡眠を避けて徹夜で願い続ける「庚申待ち」が行われます。庚申とは庚(かのえ)申(さる)の日で、今年は、1月15日、3月16日、5月15日、7月14日、9月12日、11月11日です。
境内には、色とりどりのくくり猿(500円)が奉納されています。くくり猿は、お猿さんが手足をくくられて動けない姿を表しています。これはお猿さんのように動き回る人の心を象徴しています。人の心は常に動きまわって落ち着かないものですが、それを庚申さんによってくくりつけられています。つまり、心がうまくコントロールされた良い状態を表しているのだそうです。
くくり猿に願い事をして、それを叶える秘訣は欲をひとつ我慢することだそうです。これが、難しいのよね。(^^;)売店には「我慢じゃシール:100円」なるものも売られています。我慢するものに貼り付けて、シールを見て、乱れる心をコントロールするのだそうです。効果あるかも?