先日(25日)、初天神の後に「妙心寺(みょうしんじ)」へ寄りました。(市バス26号系統で北野白梅町からバス停3つめ妙心寺北門前へ:徒歩の場合は約20分)
妙心寺は、臨済宗妙心寺派の大本山で、46の塔頭(たっちゅう)をもつ京都最大の禅寺です。建武4年(1337)、花園法皇が離宮を禅刹に改め、関山慧玄(かんざんえげん)を開山に迎えたのが始まりです。近世の禅宗伽藍の典型的な配置をしていて、妙心寺道(下立売通)に面する勅使門から方生池をへて、北に向かって三門、仏殿、法堂、寝堂、大方丈、小方丈、大庫裏などの伽藍が一直線に並んでいます。
現在「第47回 京都冬の旅 非公開文化財特別公開」で「大庫裏・経蔵:京の冬の旅初公開」と塔頭の「東海庵:京の冬の旅12年ぶり公開」が特別公開されています。
「大庫裏(おおくり)」は、数百人分の食事を調理・配膳をする禅寺の台所です。大人数のための大きな台所(大庫裏)と、少人数のための(小庫裏)と土間に分かれています。大本山の妙心寺には、多いときで300人を超える人が集まり食事をすることがありました。それらを一度に作るための大竈や大鍋が公開されていました。
また、禅寺では厨房や僧房の守護神とされる韋駄天も祀られています。愛宕さんの火迺要慎の札も貼られていたけど(^^;)ちなみに、釈迦のために駆け巡って食物を集めたことから御馳走という言葉が生まれたといわれています。その他、庫裏内には、創建にまつわる花園天皇の御直筆の手紙や肖像画など寺宝も展示されています。(写真撮影NG)
大庫裏の見学の後、経蔵(きょうぞう)を見学しました。約六千五百巻の経典を納めた八角形の回転式輪蔵です。これを一回転させると全巻を読んだのと同じ功徳があるといわれています。現在は回すことはできませんが、7月下旬の経典の虫干しの際には回して点検などをするそうです。経蔵を回してみたい方は清凉寺(釈迦堂)に実際に回せるものがあります。【前ぶろぐ】
妙心寺山内で、もうひとつ公開されているのは、塔頭の「東海庵」です。妙心寺四派のひとつ「東海派」の本庵で、美しい3つの庭で知られています。開祖の悟渓禅師は尾張出身で、ある暑い夏の日、悟渓禅師は法友とともに琵琶湖畔を行脚しておられたそうです。暑さに耐えかねた法友たちは琵琶湖で水浴しましたが、悟渓禅師は「徳分を児孫に残そう」と身体を拭くに止められたと伝えられます。それ故、東海派の寺院は水に不自由しないと伝えられているそうです。
方丈の南庭は、100坪の広さの一木一草もない一面白砂の「白露地の庭」です。手前に手水鉢があるのみで、なーんにもありませんが、堂内から腰を下ろして庭を見ると、三門や法堂などを借景に静かな白砂の海が広がっています。(海に見えるかは個人的見解です)このお庭は、夜に眺めると、月明かりが白砂に反射し、キラキラと輝くそうです。見てみたい~。(^m^)
書院南庭は、7坪の空間に一直線に並ぶ7個の石と波紋を描くような白砂が印象的な庭です。廊下からぐるりとお庭を見ることができ、見る角度によって雰囲気が違います。以前訪ねた昭和の作庭家、重森三玲氏が手掛けた東福寺塔頭「龍吟庵」のお庭によく似ています。一木一草もない無の庭もあるし・・・。【前ぶろぐ】ここの庭が造られたのは、もっと前ですから、もしかしてなんらかの影響が?
書院の西庭は「東海一連の庭」とよばれ史跡名勝に指定されています。不老不死の仙人が住むという三島を表した枯山水です。自然石を利用した一文字手水鉢も見事です。
京の冬の旅では、今回も「3カ所まわってちょっと一服」のスタンプラリーが行われています。3つたまると、指定のお店で一服できたり記念品がもらえます。参加用紙は各受付にあります。
妙心寺 http://www.myoshinji.or.jp/index.html
妙心寺は以前もご紹介しています。 三門 衡梅院 大法院(紅葉) 退蔵院
第47回京の冬の旅 非公開文化財特別公開【こちら】
http://www.kyokanko.or.jp/huyu2012/index.html
3月18日まで 拝観料:1ヶ所600円(場所によって違う場合もあります)
所要時間は公開場所によって違いますが各所約30分~。専門ガイドによる説明があります。