幼児グループは、15年ほど前からピアノのレッスンに、どうしたら楽しくスムーズに入れるかということから始めたソルフェージュ中心のグループレッスンです。
およそ4~5歳の子供さんが対象で、歌ったり体を動かしたり、書いたりよんだり・・・そういうことが中心におかれます。
もちろんリズム読み打ち、耳の訓練もします。
歌うことで、ピアノあるいはほかの楽器を演奏する時に、心から感情を込めて歌って弾けるように、楽しい悲しい、愉快、優しいなど、表情豊かにと、心がけています。
体を動かすことは、体でリズムを感じるとともに、体の柔軟性を養うことも目的としています。
リズムは、まず等速感を養うことが大切ですが、アッチェレランドのように次第に速く、リタルダンドのように次第にゆっくり、スモルツァンドあるいはモレンドのように次第に消えるように(遅くしながら弱くしてゆく)など、様々な表現があります。
体の柔軟性は、良い音を出すために非常に大切で、これは音大に行ってもまだ指摘されるほど重要です。
耳の訓練は、メロディー、ハーモニー(C、F、G)、単音あてなどしますが、本当に良い耳というのは、ドレミが即座に答えられる事ではありません。
もちろんそれは分かった方が良いし、訓練さえすればほとんどの子が身につける事が出来ます。
本当に良い耳とは、音色を聴きとり感じ取ることが出来る耳です。
その事で、音楽の根源的な魂、心の叫びなど、深く音楽を感じる事が出来るのです。
こういうことは幼いながらも感じる事も出来るし、大人のように難しく考えず、ダイレクトに受け止めていると思います。
ですから2~3歳の子でも、良い音楽を与える事はとても大事です。
ロシアのピアニスト、キーシンは赤ちゃんの時から、傍らで姉の弾くバッハの平均律クラヴィーア曲を静かに聴いていたそうです。
クラシックにこだわらず、ジャズなど聴いても良いし、もちろん子供のために作曲されたものも、その心に素直に届くと思います。
4~5歳児のレッスンは、抽象的な音符を読んだり書いたり、リズムを読んだり打ったり、そういうことを心と頭で理解することが出来るようになります。、
知的好奇心も少しずつ増してくる時期です。
2~3歳児は、より空想、想像の世界に入りやすく、音楽を具体的に物語の世界などで表現します。
身体的発達も、この時期の1年は大きく違います。
個人差もあります。
出来ればこの時期は、音楽の楽しさ、2~3歳児ならではの感情の豊かさを大事に、たくさんの音楽とふれあい、心と体で感じてほしいと思います。
音符の名前を覚える事より、純粋に音楽することが大切です。
もちろん耳やリズム、あるいは指や身体表現のトレーニングはしますが、音符を読んだりすることは、2~3歳児に必要ありません。
音楽的には、より多彩な作品を選曲してゆく予定です。
ちょっと難しい事を書いてしまいましたが、2~3歳児,4~5歳児のレッスンの基本的な違いが分かっていただけたでしょうか?
でも、最終的にはピアノや他の楽器で演奏することの準備をすること、そして音楽を通じて心の豊かさを育てることを目標としています。
いつも言うように、種をまく前に良い土を作る、そういう気持ちでレッスンに取り組んでいます
オマケの猫雛さま