ちょこっと本音

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八月納涼歌舞伎

2014年08月06日 | 観劇徒然草

昨日は、八月納涼歌舞伎見物。
私のお目当ては第2部の「たぬき」。
中村屋一門がでるので、楽しみにしていった。
あらすじは、一度死んでお葬式まで出した男が、墓場で生き返ってしまう。
この男は家付き娘と結婚したのだが、放蕩でしかもお妾さんまでいるという始末。
そして、せっかく生き返ったのだから、このままお妾さんのところで暮らそうと企み、その家へ行くと、お妾さんはすでに他の男を家に入れていた。

生き返った男柏屋金兵衛に三津五郎、お妾さんお染に七之助、その間男狭山三五郎に獅童、話の狂言回し役の太鼓持ち太鼓持蝶作に勘九郎と中村屋一門勢ぞろい。

そして二年が経ち金兵衛は取り返した金を元手に生糸問屋を営んでいた。
その寄合で芝居見物をしにきたところへ出くわす太鼓持ち蝶作。
もちろん驚くのなんのって。
金兵衛は裏切ったお染に未練はないが、前妻と子供には会いたいと思い、蝶作に以前の自分の家近くまで案内させる。
そこへ通りかかったお染。まだ三五郎と暮らしているが、金兵衛をだました罰か、暮らしに不自由しているらしく、すっかり生活に疲れた様子。

小さい男の子が通りかかる。
それは家においてきた金兵衛の息子だった。
この息子役が勘九郎の長男七緒八クン。
まだ3歳なのでセリフを言っても、何と言っているのかよく聞こえない。
だが芝居の上では、金兵衛を父親だと言い張っている設定になっている。
金兵衛は妻には頭が上がらないが、子供には嘘の人生を見せたくないといって、元の金兵衛に戻り、一緒に暮らす覚悟で家へ帰っていく。

坂東三津五郎丈もすっかり元気になったようで、この間の舞台より少しふっくらして見えた。
きっと十八代目勘三郎丈も、孫の舞台を観たかっただろうなとしんみりしてしまう。

外へ出るとまだ暑い。
でも嘘の人生は楽しくない。放蕩人生もいいことがない。
そんな教訓がこめられていたけれど、演者が巧いので、幽霊と思って驚くところとかがとても面白く大笑いしながらの舞台だった。

コメント
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