元の会社の社長と久しぶりに会った。
元気そうだった。
脳梗塞で倒れた奥さんも、退院してきたそうだ。
ただ言葉がうまく話せないらしい。
言葉もリハビリで話せるようになるらはずだが、家では何もしないらしい。
こういう病気の人は、リハビリである程度は日常生活ができるようになるのに、いくら言ってもかたくなに、リハビリを拒否しているらしい。
だから昼間は、奥さんと孫の世話で忙しくしている。
今まで、仕事一筋の人だったから、そういう生活もいいかもしれない。
ひょんなことから、ステーキの話になった。
会社が上手くいっているときは、鉄板焼きに何回か行ったことがある。
お気に入りはホテルエドモント。
ここの鉄板焼きが一番美味しいと思った。
そして、鉄板でジュウジュウとカリカリに焼く脂身。
まだ、お腹も若かったので、ロースや脂身も受け付けていた。
だが今はそれはもう無理。
すぐにお腹を壊してしまうだろう。
あの美味しかったサーロインも夢のまた夢。
でも、ちょっとの間だったけれど、いい思いをさせてもらった。
それには感謝している。
9月に債権者集会があり、それでようやく倒産に決着がつくかもしれない。
私は今は普通のサラリーマン。
地道に黙々と毎日仕事をこなしている。