8月大歌舞伎初日を先週観てきた。
もちろんお目当の福助様中心に演目を選んだ。
8月は1日に3回興業があるので、11時からの「花魁草」「櫓のお七」を観てきた。
福助様は花魁草での吉原の花魁お蝶の役。
相手は大部屋役者中村幸太郎役の中村獅童。
物語は安政の大火事で逃げ延びた二人が、なぜか心惹かれあい栃木まで逃げ延び、夫婦同然にだるまを売って暮らしている。
そこへ芝居小屋の座元が来て、幸太郎をみつけ江戸へ帰らないかと誘う。
でもお蝶をおいて江戸へ行くわけにはいかない。
お蝶はそれを見抜いて姿を消す。
「花魁草」を植えると末永く仲のいい夫婦でいられるという言い伝えがあるが、これは悲恋の物語。
江戸で成功をおさめた幸太郎がお蝶をさがしにくるが、二度と二人は会うことはなかった。
年上の花魁が若い人気役者と一緒になれるはずがない。
お蝶は陰から幸太郎をしのんだのだった。
もう相手には聞こえない切ない呼び声。涙涙で幕が下りる。
もう1本は「櫓のお七」。八百屋お七の物語。
七之助クンのお七が初々しい。
そして途中から人形振りでお七が恋の切なさを踊ります。
人形振りの後見はふつうの時と違うので赤い紐をつけていて、人形をぱっと持ち上げるタイミングなど抜群。
ふと人形から我に返り、お七は火事になればまた愛しい人に会えるとばかりに、やぐらの上の太鼓をならすのでした。
外へ出れば真夏の太陽。
でもじんわり切ない恋二つは、久しぶりに私の心を満たしてくれた。
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