百合とオレンヂ城Ⅱ

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人狼 JIN-ROH

2010-05-19 22:46:00 | ジブリ 押井守 ハーモニー(伊藤計劃) サマーウォーズ フルメタルパニック

人狼 JIN-ROH




 

バックスヤポニカ 
 
 『高い城の男』という作品をご存知でしょうか?
if(もしも)のお話で

「ドイツと日本が勝利しアメリカを統治している」

という内容です。


(ブレードランナーのリドリー・スコットが映像化)


 
 
 


 『人狼 JIN-ROH』も、

「ドイツに占領統治されている日本」

が舞台で『高い城の男』と同じif(もしも)の
物語で架空の世界が舞台です。



 架空の日本を舞台にした物語を押井守は
『バックスヤポニカ』と命名しています。
 押井守にとって『人狼 JIN-ROH』は架空の日本
を描いた「バックスヤポニカ」なのでしょう。



 『人狼 JIN-ROH』といっても栗田ジンロウ
とは何の関係もありません。



 

赤ずきん・阿川七生

 『人狼 JIN-ROH』に出てくる警察は
『首都圏治安警察機構』通称パトレイバー…
ではなく【首都警】です。


 アバンで【首都警】と民衆のデモ隊とセクトの
交戦が映る中1人の少女が登場します。







 セクトの兵站部隊のメンバー・赤ずきん
【阿川七生】


 阿川七生は何者だったの
でしょう?

 阿川七生は主人公を導く存在だと思います。
『不思議の国のアリス』の白うさぎのような。


 押井守の作品『アヴァロン』『紅い眼鏡』等には
主人公を導く謎の少女が出ることがありますし。



 私は阿川七生や雨宮圭にヒドイ事をした連中や
彼女たちに降りかかった過酷な運命が許せません。

 




新撰組のような話
 
 『人狼 JIN-ROH』は主人公・伏一貴と雨宮圭の
ラブストーリーです。

 それが中心なのは間違いありません。
 
 少し背徳感も混じっていますが(^_^;)

 押井守は、こういう大人の静かなラブコメ
が好きですよね☆


例えばパトレイバー2の柘植行人と南雲しのぶ


 
 そこへ伏一貴の唯一の親友・辺見が絡んできます。
 
 どう絡むかというと、かつての親友同士の
伏一貴と辺見が対決するのです。
(そして辺見は雨宮圭を利用している…怒)


 押井守は『人狼 JIN-ROH』を「新選組のような話」
と言いましたが確かに似ています。



 伏一貴は首都警の警備部の特機隊(ケルベロス部隊)
に所属しています。
 辺見は首都警の公安部に所属しています。
 


 伏と辺見の対決は同じ組織にいるもの同士が争う
「内輪もめ」な訳なのです。
 
 首都警の特機隊と公安部の争い、
ですから。
 
 新選組の戦いもほとんど隊内の芹沢鴨や
伊東甲子太郎と争っていた「内輪もめ」なので、
押井守が『人狼 JIN-ROH』を「新選組のような話」
と言ってもある面では合っています(^_^;)

 

 派閥図は↓
 

首都警・ケルベロス部隊は 半田元、塔部八郎、伏一貴

    雨宮圭

首都警・公安部が 室戸文明、辺見




 



 中心にヒロインの雨宮圭が存在するのです。



 ちなみに雨宮圭役の武藤寿美さんは、
この作品が縁で監督の沖浦啓之と結婚!



 
 半田元は土方歳三的なポジションですが
実は主人公とあまり絡みません。
 

 
 室戸文明は創設者の1人ですが、この人も
あまり絡みません。
 室戸文明という名前は押井守作品では
ときどき出てきます。
 『御先祖様万々歳』とか。



 塔部八郎は伏一貴と辺見の師匠です、出番は
そこそこあります。



 『人狼 JIN-ROH』というタイトルは半田元が
作った粛清部隊の名前なのですが…
首都警・創設者の巽志郎や室戸文明ですら
その実態を把握していない
組織内組織『人狼 JIN-ROH』
っていったい・・・?(^_^;)




■ケルベロス三部作
 
 『紅い眼鏡』『ケルベロス 地獄の番犬』
そして『人狼 JIN-ROH』の3つを『ケルベロス三部作』
と言います。
 
 
 3つの作品について、ここで多くは書きません。


『紅い眼鏡』の主人公の
都々目紅一(トドメのこういち)
『ケルベロス 地獄の番犬』の乾(いぬい)
の2人の属性は『犬』なのに対して、
『人狼 JIN-ROH』の主人公・伏一貴の属性は
『狼』という違いがあります。
 

 あくまで例えです。

 
 犬の皮を被った人間が都々目紅一と乾です。
 仕える主人を探す『犬』が紅一なら、
ご主人様の後を追いかける『犬』が乾です


 しかし人の皮を被った『狼』が『人狼 JIN-ROH』
の伏一貴なのです。


 紅一と乾は犬、伏は狼でちがうのです。




 


 『人狼 JIN-ROH』は伏一貴と雨宮圭のラブストーリー
ですが「赤ずきんと狼」の話でもあります。
 伏一貴の狼という属性と赤いずきんを被った雨宮圭
は、それをよく表しています・・・。

 
 途中、何度も何度も「赤ずきんと狼」を連想する
ような映像やおとぎ話が挿入されます。
 そして伏一貴と雨宮圭の2人の最後を連想させるような
カットも幾つも幾つも挿入されます。


 
 割とよく目にする意見ですが伏一貴と雨宮圭がキスを
する時の目線もこだわっていますが『人狼 JIN-ROH』は
けっこう目線に凝っている作品です。




 そして監督の沖浦啓之は、後に
『ももへの手紙』を手がけることに
なります。



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2 コメント

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Unknown (犬塚志乃)
2010-05-20 21:40:16
 こんばんわ、ゆんさん
このところ、ちょっと色気や百合のない記事
ばかりですいません(^_^;)

 次が『聖剣の刀鍛冶』で、その次に百合
作品の記事を書こうと思っています(^_^)
返信する
Unknown (ゆん)
2010-05-20 23:23:22
こんばんは、犬塚さん

いえいえ、どの記事も楽しく読ませて頂いてますよ
人狼は、かなり前に見たのですが、あまり覚えてなくて(^-^ゞ
この記事読んで再見しようかどうと悩んでいます(^-^ゞ

プライベートライアンは、見た事がないので、興味深く読ませて頂きました
ラストがちょっとやるせない感じなんですねぇ

なかなかお返事出来てないですけど、記事はちゃんと全部楽しく読んでいますよ~
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