セラフィム(押井守&今敏)
2億6661万3336の翼
押井守と今敏の二大巨匠がコンビを組んで
制作した未完の大作、それが『セラフィム』
です。
セラ
この少女の名前はセラフィムで作中では
セラと呼ばれています。
セラフィムは天使の名前です。
押井守は天使の名前が好きで愛犬にも
ガブリエルと名付けるほどです(笑)
セラ
セラは神秘的で可愛い少女ですが
全てが謎に包まれています。
不思議な力が使えるようで、それで病人を
治そうとしてるので、心の優しい子だと思います。
そしてセラは天使のような少女です。
ですがセラはかなり酷い目にも会うので
かわいそうになってきます
そんなかわいそうなセラを守ってくれるのが、
オジさんおじいさん犬の3人です
東方の3賢者
主人公たちの名前はキリスト教の東方の3賢者から
とられています。
この3人がセラを守ります。
3人の名前は、
メルキオル(おじさん)
バルタザル(教授のおじいさん)
ガスパル(犬)です。
ちなみに、この画像はというと・・・
押井守がケジメをつける(?)ために
『セラフィム』の続編を小説化するプロジェクト
があり、その挿絵を寺田克也が描いたもの
です(ただし発行は未定)
今敏でキリスト教の東方の3賢者というと
『東京ゴッドファーザーズ』の
この3人を思い出します
『東京ゴッドファーザーズ』の冒頭に
東方の3賢者とキリストの聖誕劇があり
赤ちゃんの清子=イエス・キリストで
クリスマスの奇跡が暗示されているのです
『セラフィム』はセラを守る3人(2人と犬ですが)で
『東京ゴッドファーザーズ』は赤ちゃんの清子を
守る3人です
ところで 『東京ゴッドファーザーズ』って、
おネェのはしりですよね(笑)
ちなみに『セラフィム』のメルキオルは
後の今敏作品によく出てくる、
ちょっと、なさけないヒゲのおじさんの
プロトタイプな気がします。
ですが、セラをちゃんと守っています。
今敏といえば強くてキレイな女性ですが
『セラフィム』にもギード(案内人)という
強い女性が登場します♪
セラが神秘的な少女なのに対して
ギードは戦う強い女性として描かれて
います
『セラフィム』は1~12話までの原作を押井守が、
そして13~16話までを今敏が手がけています。
押井守が途中で抜けて、
今敏が中心となった13話~16話にかけて
今敏らしい幻想的な演出が増えた気がします
残念ながら『セラフィム』は16話で未完
以下『セラフィム』について難解な点への
私なりの考えを書きます。
約束の土地カナン
『セラフィム』で「約束の土地カナン」と
でてきますが・・・
おそらく、これが『CANAAN』のモデルの
1つなのでしょう。
正確には「華南(カナン)民主共和国連邦」
ですが。
華僑
『セラフィム』に、
「シンガポールを建国したのは華僑」
というセリフが出てきます。
「華僑」とは、
「中国以外の外国の土地にいて、血縁などで結ばれて
集団を作っている中国人」・・・でしょうか?
「華僑」といえば作家の陳舜臣でしょう。
陳舜臣が田中芳樹(アルスラーン戦記)と対談した
『談論 中国名将の条件』で陳舜臣は
「神戸の華僑が~」とか
「台湾の李登輝に会った」とか
言っています。
馬祖
作中でセラが「馬祖」と呼ばれますが、
陳舜臣がどこかで「馬祖は航海の安全を司る女神」
と書いていました。
『セラフィム』には台湾や上海がでてきますが
台湾や上海へ行くには、どうしたって船による航海が
多くなるので、自然と(?)航海の安全の女神への
信仰が強くなる、のだと思います。
ガンダムのキャラデザの安彦良和の
『麗島夢奇譚』にも「馬祖」はでてきます。
天使の化石
そもそも『セラフィム』はタクラマカン砂漠で
天使の化石が発見された、ことから始まります。
タクラマカン砂漠で天使の化石?
押井守はよく作品に化石を出します。
幻の押井守版『ルパン三世』もプロットは
「化石を盗む話」でしたので『セラフィム』で
天使の化石?をだしたのも、そういうことかと。
タクラマカン砂漠
なんでユーラシア大陸の奥地の
タクラマカン砂漠?
想像ですが、これも陳舜臣を参考にした
と思います。
『セラフィム』にユーラシア大陸と砂漠の地図が
出てくるのですが、それを見るとどうしても
陳舜臣の『新西遊記』などを思い出すのですよ(笑)
陳舜臣は「ユーラシア大陸を1つにする」とか
「中国、インド、欧州、日本、と様々な文化がある」
と国際色豊かなことを言っていました。
田中芳樹の『アルスラーン戦記』とか
陳舜臣の影響をモロにうけている気がしますし。
タクラマカン砂漠を扱った作品といえば
『マスターキートン』(浦沢直樹)1巻の
「黒と白の熱砂」と「砂漠のカーリマン」
でしょう。
発掘調査の風景や歴史的背景など
参考になります。
ダーウィンの進化論
『セラフィム』の最初の方にダーウィンの像が
出てきます。
「ダーウィンの進化論」のダーウィンです。
押井守が執筆した小説、
『BLOOD THE LAST VAMPIRE 獣たちの夜』でも
ダーウィンが引用されますが、この作品は
吸血鬼を「進化したほ乳類」としていました。
鳥禍
「鳥禍」とは中国でスズメを「スズメは害をなす鳥」
として十一億六千万羽も捕らえた歴史的事件を
モデルに作られた、と思います。
ちなみに、『カムイ外伝』の白土三平も
この「鳥禍」について描いたことがあるそうです。
また映画監督の陳凱歌(チェン・カイコー)も
この「鳥禍」を体験しました。
おそらく押井守は、この「鳥禍」を
四方田犬彦の書いた『白土三平論』を読んで
知ったのでしょう。
押井守は四方田犬彦のファンで
『御先祖様万々歳』の主人公に
四方田犬丸と名づけたほどです。
まとめ
つかれましたが、やり切った充実感も
あります。
次はマンガ化も決まった『村上海賊の娘』か
『デストロ246』4巻を書こうと思っています。
『たまこまーけっと』や『戦姫絶唱シンフォギア』も
忘れていませんが、『あの娘にキスと白百合を』や
『咲』の新作『シノハユ』も候補にあります。
それと『緋弾のアリアAA』アニメ化記念
を祝おうと思っています♪
あと最近ゲットした
『ガールズ&パンツァー リトルアーミーⅡ』1巻が
素敵すぎて♪
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