まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

三中生からの質問に答える

2012-09-19 17:37:09 | 哲学・倫理学ファック
昨日、三中生の感想用紙にやっと目を通していたら、
いくつか質問をいただいていたことに気づきました。
さーて、今さら答えたとして質問者に見ていただけるかわかりませんが、
遅ればせながらお答えしておくことにいたしましょう。

Q1.なぜこの仕事をしているのですか?

A1.下記のブログ記事をご覧ください。
  「Q.哲学・倫理学の先生になろうと思ったきっかけは?」
  「Q.哲学をやろうと思ったきっかけは何ですか? (その0)」
  「Q.哲学をやろうと思ったきっかけは何ですか? (その1)」
  「Q.哲学をやろうと思ったきっかけは何ですか? (その2)」
  「Q.哲学をやろうと思ったきっかけは何ですか? (その3)」
  「Q.哲学をやろうと思ったきっかけは何ですか? (その4)」


Q2.ほんのうはいでんでつたわるのですか?

A2.その通り、本能は遺伝で伝わります。
   誰からも何も教わらなくとも、ただ人間の子どもとして生まれてきただけで、
   遺伝子によってすでに最初から伝達されている能力が本能です。


Q3.いまもある人間のほんのうはどんなことがありますか?

A3.人間には本能がたくさんあります。
   身体を維持する機能はすべて遺伝によって伝わった本能だと言っていいでしょう。
   特に眠っているあいだにできていることはすべて本能です。
   心臓が動いたり、呼吸したり、消化したり、細胞分裂したり、
   そういったことは誰から教わらなくても誰でもできますね。
   また、さまざまな身体的欲求も本能と言えます。
   食欲、排泄欲、睡眠欲、性欲等々です。
   私は本能が壊れているとは言いましたが、本能がなくなったとは言いませんでした。
   性欲というのは人によって様々な形態をとりがちですが (つまり壊れている)、
   しかし誰しも何らかの形の性的欲求は感じるものでしょう (つまり性本能はある)。
   こんなふうに人間にはいろいろな形で本能があることはあるのです。
   なお、現代の科学ではあまり本能という言葉は使わなくなってきています。
   ちょっと難しいかもしれませんがこちらを見てみてください。


Q4.森が平和なままでずっと木の上にいても、猿は人間になっていたんでしょうか?

A4.はっきりとはわかりませんが、たぶん猿のままだったろうと思います。
   ちょっとした小さな環境変化だけでは、ちょっとした進化しか起こらないだろうと思います。
   猿から人間への進化というのはやはりものすごく大きな変化ですから、
   そうした大変化をもたらすためには、何か大きな環境変化が必要だったろうと思います。
   森の中、木の上というパラダイスを失うというくらいのことがないと、
   猿から人間への進化は起こらなかったんじゃないでしょうか。
   私は日光の猿に期待しています。
   彼らは森を失い、町に出てきて、人間との熾烈な生存競争を戦っています。
   近いうちに人間に絶滅させられてしまう可能性はものすごく高いですが、
   もしも何万年ものあいだこの生存競争に勝ち残ることができたとしたら、
   新しい動物へと進化を遂げることになるかもしれません。
   はたしてそれが人間であるかどうかはわかりません。
   ひょっとすると人間よりもはるかに高度な別の生き物になっているかもしれません。
   私が生きているうちにこの目で見ることができないのが残念ですが、
   ホモ・ニッコウズがどんな動物なのか想像してみるだけで楽しいです。


いずれも1年生からいただいた質問でした。
人間という動物の不思議さについてみんなもいろいろと考えてみてください。