「高校倫理からの哲学」 のシリーズが完結し、全巻刊行されました
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ある高校教員の方が自らのホームページに第1巻の書評を書いてくださいました。
第1巻に対する書評ではありますが、
シリーズ全体に対する書評にもなっていると思われます。
辛口でありながらも温かい眼差しに溢れたコメントどうもありがとうございました。
ここに全文引用させていただきます。
(引用はじめ)
哲学の第一線の研究者たちが集まって、高校生に、高校の『倫理』を入り口に、
哲学への導きとなるものを与えたいという趣旨で作られた、意欲的なシリーズである。
この第一巻「生きるとは」に続いて、
「知るとは」「正義とは」「自由とは」で本編4巻、
別巻として「災害に向きあう」の、合計5巻が出される。
対話を用いたり、高度な内容を扱うコラム、高校倫理との対応表など、
分かりやすくしたいという工夫や努力は、
大学の研究者たちがこれまでなかなか果たせてこなかったものである。
取り上げられている具体的な事例も、なるほどと思わせるものばかりである。
ただ、途中から頼まれてアドバイザー的な形で
編集会議に何度か出させていただいた立場からすると、
「やはりちょっと難しいよね・・・」 という感想はどうしても出てくる。
それぞれの専門家であるがゆえの 「正確さ」 と、
学者らしいちょっとした 「ヒネリ」 のようなものが、どうしてもひっかかるのである。
「ヒネリ」 という表現がどうか自信はないが、
そもそもの出発点が 「倫理、哲学って、あんがいいいもんなんだよ!」
というところにあるから、
折に触れて 「ほら、気がついてみたらあんがいよかったでしょ?」
という展開に持ち込むやりかたのことである。
そこにある種の驚きを覚え、魅かれるかどうかというのは、
これは単に学力の問題ではないと思う。
私も倫理学を学び、高校倫理の教師をしてきたので、悪い感じはしないのだが、
一般的な高校生たちのコミュニケーションのスタイルからすると、
まだまだ説教臭く感じたり、もったいぶっているとか
なんかよく分かんないけどだまされているみたいな?
というような印象を与えてしまわないか、気になるのである。
しかしとにかく、内容の充実度は申し分なく、高校倫理の先生方には、
まず手に取ってもらいたい、ネタ満載の贅沢なシリーズではある。
(引用おわり)
さあ、みんなも今すぐ本屋に買いに走ろうっ!