まさおさまの 何でも倫理学

日々のささいなことから世界平和まで、何でも倫理学的に語ってしまいます。

飲酒文化改革案 (私案)

2012-11-29 16:57:51 | 人間文化論
昨日の 「飲酒ルール」 のなかに未成年条項が入っていなかったの、
皆さん気づいておられたでしょうか。
これに関しては個人的な意見をもっていますので、それを開陳するとともに、
昨日の提案とセットで私なりの改革案を提示させていただきたいと思います。

現行法に異を唱えることになってしまいますが、
私は現在の日本が飲酒解禁を成人後 (すなわち20歳以上) としていることに反対です。
一時期、成人年齢を引き下げようという論議がありましたが、
今回は、成人年齢を何歳にすべきかという問題については触れないことにします。
あくまでも飲酒解禁を何歳からにすべきかという問題に限って論じていきたいと思います。
この問題に限定して考えてみる場合、
20歳というのは飲酒解禁する時期としてはきわめて中途半端な時期だと思うのです。
そして、そのことが現在の飲酒文化の乱れを招いているように思うのです。

20歳よりも区切りがいいのは高校を卒業する18歳だと思います。
現在、高校進学率は90%を超え、高校卒業率も90%弱、
つまり9割方の日本人は高校を卒業するところでひとつの節目を迎えます。
そして、就職するにせよ、大学や専門学校に進学するにせよ、
18歳を境にすべての若者は、飲酒可能な成人がいる集団のなかに入っていくことになります。
新しい集団に迎えられるときには新人歓迎会や新入生歓迎会という通過儀礼が待ち受けています。
おそらくほとんどの日本人はこのときに、現行法に反して、飲酒文化を教えられてしまいます。
本来であれば、未成年なんですからこのタイミングでお酒を飲ませてはいけませんし、
したがってこのときの新歓コンパはノンアルコールで行い、
2年後にみんなが成人したときに今度は飲酒解禁の通過儀礼をするべきなのでしょうが、
果たしてそんな2段階通過儀礼を設定することのできる集団があるでしょうか?
そして常に、3年目以降の人だけがアルコールを飲み、
1、2年目の人はノンアルコールなんていう飲み会を理性的に維持し続けることが可能でしょうか?
こんなことはおそらく警察組織でだってムリなんではないかと思うのです。
ムリなことを無理強いするとけっきょく法そのものが形骸化して、
アメリカの禁酒法時代のように、非合法的な飲み会がアンダーグラウンドで開催されて、
正しい飲酒文化の伝達ということがまったく行われないことになってしまうと思うのです。

そこで私は次の2つをセットで提案したいと思います。
1.飲酒解禁年齢を18歳とする。
2.飲酒解禁年齢の者を迎え入れるすべての集団に 「飲酒ルール」 の遵守と教育を義務づける。

初めてお酒を飲むときというのは正しい飲酒文化を伝える唯一の機会です。
このタイミングを逃すとあとはもうまったく自由放任ということになってしまいます。
日本は飲酒解禁年齢を20歳と定めることによって、この大事な機会を逸してしまっているのです。
そこで正式に18歳から飲めるようにする代わりに、
飲み会ルールの教育を義務化してはどうかと思うのです。
これをどのように制度化するかに関してはまだ少し迷っています。
1は必ず法制化 (民法の改正) が必要です。
しかし、2に関してはできれば法制化はせず、
ムーブメントとしてそういう運動を広めていくということはできないかなと考えています。
「飲酒ルール」 のなかには絶対に守るべきもの (1、2、3、4、9など) と、
守れない場合もあるよなあというもの (11、12、13、14など) が含まれているので、
これを一律に法制化して罰則を定めるというようなものではないだろうと思います。
そうではないけれども、各集団がそれぞれの判断で次のような取り組みをやっていく、
ということはありえるのではないでしょうか。

例えば大学の場合で考えてみましょう。
大学当局は学内の各団体に対して次のようなことを課してみてはどうでしょうか。
・すでに所属している全メンバーが 「飲酒ルールを遵守します」 という誓約書に署名し提出する。
・新メンバーに対してお酒の飲み方に関するレクチャーをし、誓約書に署名させることを課する。
・OB、OG会の全メンバーに 「飲酒ルール」 を周知させ、OB、OG会からの誓約書を提出させる。
・「飲酒ルール」 に対する違反があった場合、その軽重に応じた処分を課する。
   (絶対禁止条項に対する違反の場合は活動の休止や、最悪、団体の解散など)

こうしたことはわりと簡単に実現できるのではないでしょうか。
法を定めて警察で取り締まるのではなく、各団体にいろいろなやり方を考えさせればいいのです。
問題を起こしそうな飲み会の母体というのはだいたいスポーツ系サークルであったり寮であったり、
いずれも団体の許可を得て設立されているような集団ですから、
大学に限らずとも上部団体がそれらの集団に対してそれぞれの規制をかけることは可能でしょう。
大学であれ企業であれ、こうしたことをきちんとやっているというのはある種の宣伝になりますから、
われ先にと制度化に向かうものと思われます。
もう今や多くの大学がキャンパス全面禁煙化などというバカげた施策を取っているんですから、
それに比べたらはるかに合理的な制度だと思います。
ただし、これを進めるためには飲酒解禁年齢18歳化が必須です。
それをしないまま、「飲酒ルール」 のなかに未成年の飲酒禁止を書き加え、
上記の諸施策を強行したりしたら、けっきょく誓約書はすべて形骸化してしまうでしょう。
分煙ではなくキャンパス全面禁煙化してしまったことによって、
学内の喫煙マナーがむしろ低下してしまったのと同じ結果を招くことと思われます。
飲酒解禁年齢18歳化とセットにすることによってのみ、
これらの施策は実質的効果を発揮しうるのです。
私けっこう本気 (マジ) です。
日本中に 「飲酒ルール」 を普及させるとともに、
飲酒年齢18歳化をぜひとも実現させたいと思っております。
これを読んでいる政治家の皆さん、民法改正のためにぜひともお力をお貸しください!