M田先生と2人でやっている 「公民科授業研究」 の 「教育改善のための学生アンケート」 結果です。
今年は変則的な開講でした。
これまではずっと公民科の教員免許取得を希望している3年生相手に開講してきました。
高校社会科が解体されて地理歴史科と公民科に分かれてしまって以来、
うちの学生たちは中学校社会科の免許を取っても高校の教員免許がオマケで付いてこず、
高校地歴科の免許も欲しい人は地理・歴史関係の単位を倍くらい取り、
さらに地歴科教育法と地歴科授業研究を取らなくてはならないし、
同様に、高校公民科の免許が欲しい人は公民関係の単位を倍取り、
公民科教育法、公民科授業研究の単位も取らなくてはならなくて、
中社、地歴、公民、全部の免許を取ろうとするとそれはもう大変なことになるわけです。
これまでは、社会科教育法は4セメ (2年次後期)、社会科授業研究は5セメ (3年次前期) に開講、
地歴科教育法と公民科教育法は5セメ、
地歴科授業研究と公民科授業研究は6セメ (3年次後期) に開講されていました。
3つが全部重なる5セメの負担は並みたいていのものではありませんし、
○○科授業研究という名の授業は実際に授業づくりをしたり模擬授業をしますので、
地歴科授業研究と公民科授業研究が重なる6セメも相当な負担だったわけです。
そんなわけで彼らの負担を減らすことと、教育実習前に模擬授業をやる機会を与えようということで、
このあいだのカリキュラム改革のときに、
公民科教育法と公民科授業研究は3セメと4セメに開くことにし、2年生対象の授業に変更しました。
今年はそれが適用される初めての年だったわけですが、
旧カリキュラムの3年生もいるので、移行期として2年生と3年生がいっぺんに受講する年となり、
これにどう対応するか難しい問題でした。
公民科教育法のほうは座学中心ですので受講者数が倍増してもどうということはありませんが、
公民科授業研究のほうは全員にマイクロティーチングを行ってもらっていますので、
20人の受講生が40人に増えてしまったら授業が成り立ちません。
M田先生と話し合って、公民科教育法はいっぺんに受けてもらえるけど、
公民科授業研究は時間を変えて2クラス開くしかないねとあきらめていたわけです。
ところが意外なことに、今年はなぜか4年生も2人取りに来てしまったのですが、
それを含めても2年生、3年生と合わせて受講生は全部で20人と例年並みの人数で収まりました。
どうしたことでしょう?
社会科、地歴科、公民科の教員を目指す人が減っているのでしょうか?
とりあえずこれならいつもと同じ人数ですから、わざわざ分けて開講する必要はありません。
というわけで、今年は2年生から4年生までが入り交じる混成クラスでの開講となりました。
以上を踏まえてアンケート結果を見ていくことにいたしましょう。
まずは5段階評価です。
「1.教員の授業に対する姿勢はよかったですか。
(観点:授業の準備、授業への熱意、学生への対応等)」……………………4.58
「2.教育の方法は適切でしたか。
(観点:質問への対応、発表・討論の機会、シラバスの記述内容等)」………4.63
「3.授業の内容は適切でしたか
(観点:魅力あるトピック、教材・教科書の適切性、参考文献の提示、
授業の進度、シラバスに記述された目標の達成度等)」………………………4.53
「4.総合的にみてこの授業に満足しましたか。」………………………………4.53
昨年のアンケート結果が見当たらないのですが (これもアップし忘れているんでしょうか?)、
2年前と比べるとだいぶ落ちています。
まあ、今年はいろいろとイレギュラーだったためにバタバタしちゃったからかなあ。
しかし、それとは対照的に授業外学習時間は大幅に改善されていました。
【授業外学習時間】
3時間以上・・・・・・・・・・・10人(52.6%)
2~3時間未満・・・・・・・・・4人(21.1%)
1~2時間未満・・・・・・・・・5人(26.3%)
30分~1時間未満・・・・・・0人(0.0%)
30分未満・・・・・・・・・・・・・・0人(0.0%)
0分(何もしなかった)・・・・・0人(0.0%)
最近は5段階評価よりも授業外学習時間のほうに力を入れていますので、私としては満足です。
とはいえ、それでもまだ2時間未満という学生が4分の1は存在していますので、
来年度以降はさらに授業外学習時間を増やすことに力を入れていきたいと思います。
授業担当者からの追加質問として、
今年度から2年生で取れるようにしたことについての意見を求めました。
こちらとしてはよかれと思ってした改革でしたが、
肝心の学生たちがどう受け止めているかのほうが重要です。
聞いてみたところ、ほとんど好意的な意見ばかりでした。
【2年生】
●教育実習前に5分でも10でも授業ができて本当に良かったと思っています。
●私は2年生も受講できた方がいいと思う。教育実習前に2回経験を積むことができて良かった。
●内容としては2年でもできるものだと考える。人によっては実習が初めて授業案を作る、授業する、ということがあるそうなので、よい機会だ。
●2年生から受講できて良かったと思う。先輩や他の人の授業から多くのヒントをもらい、教育実習前の訓練になった。
●2年次からの受講については良かったと思う。3年次の実習に向けて今から授業案を作成したり授業をしたりすることは役立つと思う。今回は特に3、4年生もいたので検討会で意見を言ってもらえて参考になった。
●2年生のうちにやっておきたい!! 3年生もいるので、実習前のいい勉強になる。どういう視点で授業つくればいいか気付けた。
●教育実習前に学べる事のメリットはあるが、全体の質を向上させる為のうまい例 (3、4年生の) を見れないというのは、少しもったいないように思う。
【3年生】
●教育実習の前に授業の作り方を学べるので、とても実になると思います。
●教育実習前にこの授業をした方が、授業のすすめ方や準備することが分かって良いのではないかと思った。
●教育実習前に授業を体験できるので、良い練習になると思う。今年は、いろいろな学年の意見が聞けて良かった。
●2年生のうちから授業の構想がしっかりしていたので問題ないと思う。教育実習に向けて良いトレーニングになると思う。
●2年生の中でも、きちんと指導案が書ける人とそうでない人の区別がはっきりしていたな、という印象です (強く言うと、聞くに耐える人と耐えない人がいました)。教育実習前にマイクロティーチングで鍛えられるのはよいことだと思います。実習中に焦るよりは、先輩や仲間の授業スキルを 「盗む」 ことができると思います!
●2年次に降ろしたのは良いと思った。授業案の書き方や工夫、注意点など実践的に学ぶ授業がこの授業以外ない中で、実習に行く前にこういった経験は必要だと思う。今回、2、3、4年合わせての授業だったが、それぞれに刺激をうけた授業だったと思う。
●教育実習に行く前に、このような授業をすることは必要だと思うので良いと思う。今年は3、4年生もいたから、実習を経験したからならではの意見も多くあったと思うが、これが2年生のみの授業になると同じようにできるかはわからない。
●2年次にこの講義を受けることができる利点としては、地歴科授業研究と同時受講ではなくなるため、負担が軽減される所であると思う。反面、心配な点もあり、教育実習での実戦経験なしに受講することになるので、そこがどのように影響を与えるのかという点が心配である。来年度からは2年生が中心となるので、上級生の経験や手法を取り入れる機会が減ってしまうので、そこがどのように影響するのだろうか。
●3年生で実習に行っていきなり授業案を作れといわれるよりは、2年生のうちに授業づくりなどを学べた方が良いのかなと思いました。また、来年からは2年生のみとなるので、どこか1時間くらいは参考として3、4年生の授業を見てお手本とするようにするのも良いかなと思います。
●社会科の学生は、教育実習に行くまで授業案書かせてもらった事がないといった状況だったので、2年生のうちに経験できるようになったのはよいと思う。ただ、検討会での意見では、教育実習に行った経験からきてると思える内容のものもあったので、次年度からの検討会ではそうした視点も補えるものがあるとよいと思う。
【4年生】
●教育実習の前に多くの授業に携わる機会は貴重だと思うので、2年次から受講できた方がよいと思いました。
●2年生でも、十分にしっかりとした授業をすることができているのではないかと思いました。また、3、4年生から先に始めることで、2年生もやりやすかったのではないかと思います。
以上です。
2年生でこの授業を受けることについてはほぼ全員賛成と言っていいでしょう。
問題は来年度以降、2年生だけの授業になったときに検討会がきちんと成立するかという点ですね。
これは私たち教員の関わり方や工夫しだいといったところでしょう。
たしかに実習に行けばある程度、授業の作り方や注意点などがわかってくるでしょうが、
現状では、何もわからないまま実習校に送り込んでしまっていることになるわけで、
授業を成り立たせるために実習のあとにこの授業を行うというのはやはり本末転倒ですから、
実習前に少しでも力をつけさせてあげられるよう、こちらとしても努力したいと思います。
何にせよ来年度からは実習前の2年生だけでもこれまでのようなレベルに近づけるよう、
今までとは違うより濃やかな指導を考えていきたいと思います。
今年は変則的な開講でした。
これまではずっと公民科の教員免許取得を希望している3年生相手に開講してきました。
高校社会科が解体されて地理歴史科と公民科に分かれてしまって以来、
うちの学生たちは中学校社会科の免許を取っても高校の教員免許がオマケで付いてこず、
高校地歴科の免許も欲しい人は地理・歴史関係の単位を倍くらい取り、
さらに地歴科教育法と地歴科授業研究を取らなくてはならないし、
同様に、高校公民科の免許が欲しい人は公民関係の単位を倍取り、
公民科教育法、公民科授業研究の単位も取らなくてはならなくて、
中社、地歴、公民、全部の免許を取ろうとするとそれはもう大変なことになるわけです。
これまでは、社会科教育法は4セメ (2年次後期)、社会科授業研究は5セメ (3年次前期) に開講、
地歴科教育法と公民科教育法は5セメ、
地歴科授業研究と公民科授業研究は6セメ (3年次後期) に開講されていました。
3つが全部重なる5セメの負担は並みたいていのものではありませんし、
○○科授業研究という名の授業は実際に授業づくりをしたり模擬授業をしますので、
地歴科授業研究と公民科授業研究が重なる6セメも相当な負担だったわけです。
そんなわけで彼らの負担を減らすことと、教育実習前に模擬授業をやる機会を与えようということで、
このあいだのカリキュラム改革のときに、
公民科教育法と公民科授業研究は3セメと4セメに開くことにし、2年生対象の授業に変更しました。
今年はそれが適用される初めての年だったわけですが、
旧カリキュラムの3年生もいるので、移行期として2年生と3年生がいっぺんに受講する年となり、
これにどう対応するか難しい問題でした。
公民科教育法のほうは座学中心ですので受講者数が倍増してもどうということはありませんが、
公民科授業研究のほうは全員にマイクロティーチングを行ってもらっていますので、
20人の受講生が40人に増えてしまったら授業が成り立ちません。
M田先生と話し合って、公民科教育法はいっぺんに受けてもらえるけど、
公民科授業研究は時間を変えて2クラス開くしかないねとあきらめていたわけです。
ところが意外なことに、今年はなぜか4年生も2人取りに来てしまったのですが、
それを含めても2年生、3年生と合わせて受講生は全部で20人と例年並みの人数で収まりました。
どうしたことでしょう?
社会科、地歴科、公民科の教員を目指す人が減っているのでしょうか?
とりあえずこれならいつもと同じ人数ですから、わざわざ分けて開講する必要はありません。
というわけで、今年は2年生から4年生までが入り交じる混成クラスでの開講となりました。
以上を踏まえてアンケート結果を見ていくことにいたしましょう。
まずは5段階評価です。
「1.教員の授業に対する姿勢はよかったですか。
(観点:授業の準備、授業への熱意、学生への対応等)」……………………4.58
「2.教育の方法は適切でしたか。
(観点:質問への対応、発表・討論の機会、シラバスの記述内容等)」………4.63
「3.授業の内容は適切でしたか
(観点:魅力あるトピック、教材・教科書の適切性、参考文献の提示、
授業の進度、シラバスに記述された目標の達成度等)」………………………4.53
「4.総合的にみてこの授業に満足しましたか。」………………………………4.53
昨年のアンケート結果が見当たらないのですが (これもアップし忘れているんでしょうか?)、
2年前と比べるとだいぶ落ちています。
まあ、今年はいろいろとイレギュラーだったためにバタバタしちゃったからかなあ。
しかし、それとは対照的に授業外学習時間は大幅に改善されていました。
【授業外学習時間】
3時間以上・・・・・・・・・・・10人(52.6%)
2~3時間未満・・・・・・・・・4人(21.1%)
1~2時間未満・・・・・・・・・5人(26.3%)
30分~1時間未満・・・・・・0人(0.0%)
30分未満・・・・・・・・・・・・・・0人(0.0%)
0分(何もしなかった)・・・・・0人(0.0%)
最近は5段階評価よりも授業外学習時間のほうに力を入れていますので、私としては満足です。
とはいえ、それでもまだ2時間未満という学生が4分の1は存在していますので、
来年度以降はさらに授業外学習時間を増やすことに力を入れていきたいと思います。
授業担当者からの追加質問として、
今年度から2年生で取れるようにしたことについての意見を求めました。
こちらとしてはよかれと思ってした改革でしたが、
肝心の学生たちがどう受け止めているかのほうが重要です。
聞いてみたところ、ほとんど好意的な意見ばかりでした。
【2年生】
●教育実習前に5分でも10でも授業ができて本当に良かったと思っています。
●私は2年生も受講できた方がいいと思う。教育実習前に2回経験を積むことができて良かった。
●内容としては2年でもできるものだと考える。人によっては実習が初めて授業案を作る、授業する、ということがあるそうなので、よい機会だ。
●2年生から受講できて良かったと思う。先輩や他の人の授業から多くのヒントをもらい、教育実習前の訓練になった。
●2年次からの受講については良かったと思う。3年次の実習に向けて今から授業案を作成したり授業をしたりすることは役立つと思う。今回は特に3、4年生もいたので検討会で意見を言ってもらえて参考になった。
●2年生のうちにやっておきたい!! 3年生もいるので、実習前のいい勉強になる。どういう視点で授業つくればいいか気付けた。
●教育実習前に学べる事のメリットはあるが、全体の質を向上させる為のうまい例 (3、4年生の) を見れないというのは、少しもったいないように思う。
【3年生】
●教育実習の前に授業の作り方を学べるので、とても実になると思います。
●教育実習前にこの授業をした方が、授業のすすめ方や準備することが分かって良いのではないかと思った。
●教育実習前に授業を体験できるので、良い練習になると思う。今年は、いろいろな学年の意見が聞けて良かった。
●2年生のうちから授業の構想がしっかりしていたので問題ないと思う。教育実習に向けて良いトレーニングになると思う。
●2年生の中でも、きちんと指導案が書ける人とそうでない人の区別がはっきりしていたな、という印象です (強く言うと、聞くに耐える人と耐えない人がいました)。教育実習前にマイクロティーチングで鍛えられるのはよいことだと思います。実習中に焦るよりは、先輩や仲間の授業スキルを 「盗む」 ことができると思います!
●2年次に降ろしたのは良いと思った。授業案の書き方や工夫、注意点など実践的に学ぶ授業がこの授業以外ない中で、実習に行く前にこういった経験は必要だと思う。今回、2、3、4年合わせての授業だったが、それぞれに刺激をうけた授業だったと思う。
●教育実習に行く前に、このような授業をすることは必要だと思うので良いと思う。今年は3、4年生もいたから、実習を経験したからならではの意見も多くあったと思うが、これが2年生のみの授業になると同じようにできるかはわからない。
●2年次にこの講義を受けることができる利点としては、地歴科授業研究と同時受講ではなくなるため、負担が軽減される所であると思う。反面、心配な点もあり、教育実習での実戦経験なしに受講することになるので、そこがどのように影響を与えるのかという点が心配である。来年度からは2年生が中心となるので、上級生の経験や手法を取り入れる機会が減ってしまうので、そこがどのように影響するのだろうか。
●3年生で実習に行っていきなり授業案を作れといわれるよりは、2年生のうちに授業づくりなどを学べた方が良いのかなと思いました。また、来年からは2年生のみとなるので、どこか1時間くらいは参考として3、4年生の授業を見てお手本とするようにするのも良いかなと思います。
●社会科の学生は、教育実習に行くまで授業案書かせてもらった事がないといった状況だったので、2年生のうちに経験できるようになったのはよいと思う。ただ、検討会での意見では、教育実習に行った経験からきてると思える内容のものもあったので、次年度からの検討会ではそうした視点も補えるものがあるとよいと思う。
【4年生】
●教育実習の前に多くの授業に携わる機会は貴重だと思うので、2年次から受講できた方がよいと思いました。
●2年生でも、十分にしっかりとした授業をすることができているのではないかと思いました。また、3、4年生から先に始めることで、2年生もやりやすかったのではないかと思います。
以上です。
2年生でこの授業を受けることについてはほぼ全員賛成と言っていいでしょう。
問題は来年度以降、2年生だけの授業になったときに検討会がきちんと成立するかという点ですね。
これは私たち教員の関わり方や工夫しだいといったところでしょう。
たしかに実習に行けばある程度、授業の作り方や注意点などがわかってくるでしょうが、
現状では、何もわからないまま実習校に送り込んでしまっていることになるわけで、
授業を成り立たせるために実習のあとにこの授業を行うというのはやはり本末転倒ですから、
実習前に少しでも力をつけさせてあげられるよう、こちらとしても努力したいと思います。
何にせよ来年度からは実習前の2年生だけでもこれまでのようなレベルに近づけるよう、
今までとは違うより濃やかな指導を考えていきたいと思います。