猫に鈴をつけるのは誰か…10

河田部長と加藤課長、 今まで二人は専務てひどい叱咤を受けていました。
「ばかやろ」「お前は死ね」「どろぼう野郎」 「帰っていいよ」 「ふざけんじゃあねえぞ」まだまだありますが(笑) これって全部 パワーハラスメントですよね♪
鬼塚専務が出席される 主要な会議は部課長以上です。
つまり、要するに、従いまして、早い話が…(笑)
鬼塚専務の罵声を浴びるためには少なくとも課長にならないと恩恵に与(あずか)れません ね(笑)
ここに鬼塚専務の周到な計算があるのです。 まず課長以上は管理職になります。と言うことは非組合員であります。 従いましてどんな非道い罵声(パワーハラスメント)を受けようが泣いて訴えるところがないのです。 あの罵声を組合に訴えたらさすがに組合も黙ってはいないでしょうね。
それともう一点…
これは大切なことです(笑) まず管理職なら甘えていたらダメだよ。 自分の会社だと思って仕事をやりなさい。
厳しく言うが管理職にはそれくらいの気位を持ちなさい！ 辛いって言うが俺だって辛いんだよ…

とまぁ…これは沢田さんが二人に諭した話です(笑)
河田部長と加藤課長は神妙な顔つきで聞き入っていました。
「ふ～ん」
腕組みしていた加藤課長はうなずいています。
「そうか…」確かに鬼塚専務が怒鳴る場面に一般社員はいなかったなぁ…
「今だってこの事務所にみんないたでしょう」沢田さんと専務がいた場所ではにこやかにされていました。
「う～ん」
だから困るんだよね、河田部長はニコチャンの専務が豹変する姿に恐れおののいていました、。 二人は沢田さんの話しに納得はしましたが、それが自分達の被害に会わない保証とは思えません。二人は立派な管理職だからですから(笑)

「専務の気持ちはわかりました…」河田部長は沢田さんを見て口を開きました。
「わかりましたがそれじゃ私たちは怒鳴られっぱなしで辛抱しろと言うのですか」
ある程度の叱咤は当然だし我慢もできます。だけど鬼塚専務は強烈すぎて聞いていると気が変になりかねないくらのです。

沢田さんは少し小首をかしげます。
たぶんこの方の癖でしょうね(笑)
そして「専務はああ見えても見込みのない人は怒らないわよ」
凛とした姿勢で沢田さんは諭します。

「？」この人は専務の何なんだ ！ 情婦(おんな)かな!?
加藤課長はチラッと考えました。
「課長、私が専務の女だと思ったでしょう！」あまりの図星に加藤課長は目を白黒させていますと、笑いながら「そうだったのよ」
「えー」「びえー」
二人は思わぬ暴露発言に吃驚仰天しました(笑)

「ほ、本当ですか!!」河田部長が乗り出して聞くのも無理はありません(笑)
けどね、本当がどうか聞かれて「はい、そうです」とは中々言わないもので…
「冗談よ」沢田さんは大笑いされながらあっさり否定します。
「だって、あまりにも二人が真剣になるものだから…」
ついからかったのよ(笑) 沢田さんの笑いは止まりませんでした。
「だろうなぁ」「そうかなぁ」
加藤課長と河田部長はお互いの顔を見合わせていましたが、思っていることは別々でした。
ところで 専務の対策は.、!!
二人が一番聞きたいところですが
肝心の沢田さんがのらりくらりとかわしていました(笑)