寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

猫に鈴をつけるのは誰だ…17

2011年06月14日 12時25分41秒 | 日記
七階の会議室はフロアの東側にあります。
この方角からは東山連峰が望めます。京都は三方を山に囲まれていて唯一南側に平地が広がっています。平地を鴨川から淀川に沿って下れば大阪ですね。
京都市内は建築制限があります。10階以下に制約されていますからここのビルもほぼ最高に近い高さですね。
この7階からの素晴らしい景色… 小忙しないビジネスマンには無用の物かも知れません。
ところで例の月次報告の開始時間が迫っていました。
会議には一般社員はオフリミット! いわゆる幹部会の様相であります。
関西の事業部内の部課長全てが出席します。 前述しましたようにこの月次報告会は正に鬼塚専務の独壇場(笑)業績の悪い部署の部課長は震え上がるほど強烈な専務の叱罵声があります。
前月でした。やはり業績不振の河田部長が鬼塚台風に蹂躙されました。雑言罵倒の嵐に河田部長は敢えなくノックダウン(笑)
河田部長は後遺症でしばらく顔のひきつったのが治りませんでしたから… 失語症に掛かったのはその前の会議でした。
つまり河田部長にとってこの月次報告会は命懸けでありました。先月からの 顔面神経痛もようやく治ったら又会議です (苦笑)
失語症→顔面神経痛… 今月はどうなってしまうのだろう…
河田部長は 怯えながら席についていました。
会議の司会者は総務の課長と決まっています。
総務課は唯一業績に直接関わっていないからでした。
従って司会者は、そうです!!先ほどからの加藤課長です。

「おい、加藤課長は?」 皆が席につくか否かいきなり鬼塚台風…いえ(笑)専務が口を開きました。
開始時間までまだ10分ありました…
苛(いら)ちな専務は逸(はや)る気持ちが勝っていらっしゃるのでしょうか…
じっとしていません。 高辻役員がぐるりと見渡すと側の井上課長に命じました。
「加藤課長を呼んできてよ」
「はい!」ぜんまい仕掛けのように井上課長は立ち上がると会議室を飛び出していきます。
その慌て振りに誰からか失笑が漏れました。しかしそれは直ぐに消え去りました…それくらい今日は一同緊張のが美袋(みなぎ)っていました。
理由は鬼塚専務にありました。
今日の専務は一段と不機嫌だったからです(笑)

会議室には静寂が流れました。
誰もがこれから始まる嵐の修羅場を固唾を呑んで待機していました。
(何卒俺だけは無事に済みますように…(祈))

鬼塚専務は下を向いて資料に目を通していらっしゃいますが高辻役員だけが 会議室全体を舐めるように見渡していらっしゃいました。 その両巨頭の対象的な姿を誰も正視できません。部課長はただただ机に向かって祈るばかりでした。

暫くしてノックがあり加藤課長が入場です。(笑)
加藤課長は慌てる様子もなく静かに着席しました。
よくぞ、この雰囲気の中で落ち着いた態度で…
加藤課長は座る時チラッと河田部長に視線を飛ばしますが河田部長はじっと下を向いたままでした。
来るべき処刑に(失礼)そなえて覚悟を決めたよう様子です。

「時間だろ」高辻役員の一言で会議は始まりました…
コメント
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