寝転がって気ままに想う事

 世の中ってこんなもんです・・
面白可笑しくお喋りをしましょうか ^^

爆発!武田火山…(10)

2012年04月10日 08時42分19秒 | 日記
「♪お前が~ほ~し~い~い~♪」
パチパチパチ(拍手)…「やっぱりトリは武田さんのこの唄ね♪」
バラパラと義理拍手をしたのはママさんだけでした(苦笑)
…ああ…なんて古い唄なんだろ… (嘆)
赤川係長はほほづえしながらため息してます。おまけに下手(笑)
下手も下手!頭にド!がつく超下手だよなぁ~
だいたい四十半ばの赤井や只野が知っているはずもない昭和四十年代の唄でした(笑)から…
只野「知らなくてもいい歌ってあるけどなぁ…」こちらも呆顔です。
武田工場長「ママさん最後にこれいってよ!」
え!! まだ歌うの…
二人を尻目に武田工場長は済ましたものです。
「はいはい…じゃあ…」と言ってママさん、他のお客のリクエストを思い出したようすで…
「すみません、あちらのお客さんのが一曲入ります♪」
「あちら…?」
武田工場長が振り向くと、同じような年代のお客さんがいました。 「ああ…いいよ!」
渋々了解しましたが、面白くありません。
「ごめんなさいね」
武田工場長のブスッとした顔…ママさんでなくとも直ぐにわかりますよ♪
よせばいいのにさっきのかおるちゃんがわざわざカウンターに来ました。
「武ちゃん、ごめんなさいね…」
「いいよ…別に…」
ブスッと横向いて水割りをガブリと飲み干します。
この方の照れ隠し♪ですね…
「良かった♪」かおるちゃんも武田工場長の性格を知っているようです♪
しかし武田工場長はそんな理解のある人じゃあありませんでした。 「何が良かった…んだよ」いきなり絡んできます(苦笑)
「え…(汗)」
「まあまあ、武田さん許してあげてよ」
ママさんが中に入りますが、
「俺から逃げた奴から謝られても余計気分悪いよ…」
釈然としない面持ちでグラスを握りしめています。
目は据(す)わって正面を見詰めていました。 ただならない雰囲気…かおるちゃんはどうしていいのか戸惑うばかりで、ママさんは困ったおっさん(笑)だと慣れっこでいるでしょうが、
ここで怒鳴ったりしないのが、これまた武田工場長でした(笑)
それでもカウンターは重苦しい雰囲気でいっぱいになっています。
「おい、俺たちもう帰ろうか…」
赤井係長が小声で只野課長に声をかけました。
こんなことになるとは思いもしなかったお二人さん…
お酒はスマートに飲むものだ…
これは年代の違いでしょうか…
武田工場長に限らずこの年代の人は(五十代)親しくなったお店にすべてをさらけ出して飲む…多少迷惑をかけても懲りずに又通う…常連客になれば多少は構わないだろう…一種の甘えみたいなものがありました…
この点、同じような年代のママさんは承知済みで唯一金払いのキレイな武田工場長なら尚更でした(笑)
「俺が金を使う分、そっちは気を使え!」阿吽(あうん)の呼吸を武田工場長は求めていらっしゃるのですね…「武田さん今度は私とデュエットしましょうよ♪」
さすがママさん!気分を換えて盛り上げようと必死ですな(笑)
「え…ママとかい?」「私とじゃあ不満?」「…そうじゃあないけど…」
「じゃあ、いいわね♪」
「新しいのは駄目だぜ!!」
「わかってますよ♪銀恋は?」
「銀恋…古いじゃあない」よくいうよ(笑)
「それじゃあ、カナ手紙は?」
「なんじゃ…?」
「もう…知っているくせに…」
「知らないよ…カナダからの手紙か?」
「そうよ…」
知っているくせに…武田工場長をじっと見ているママさんはなかなかの器量よしでした(笑) 一方の武田工場長は小さな瞳をしばたかせていましたが、怒気はすでに消えて穏和な目付きになっています。赤井係長は気がつきました。
若いかおるちゃんに気があるように見えても実はママさんにご昵懇だったことを…
う~ん武田工場長は一筋縄ではいかないぞ!! 改めて赤井係長は感じました。
コメント
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